1日1円ずつ下がる米ドル円は、ついに108円台に。ダメ押しのトランプ大統領米ドル高牽制発言により、さらなる円高が警戒されています。

「普通の米国大統領」になってきたトランプ氏

トランプ大統領は12日、NATO事務総長との会談後の記者会見で、「ロシアとの関係は史上最低かもしれない」と発言したと報じられています。冷戦下1962年のキューバ危機を超える史上最低の関係など戦争状態以外にあり得ませんが、米国大統領が、あえてこういった表現を使って安全保障懸念を演出するあたり、既視感のある米国の姿が戻ってきたな、という印象です。

ウクライナ内戦を機に旧西側諸国との対立が深まり、G8からも追い出されたロシアがアメリカやNATOと懇ろにできるわけもなく、現在のところやや湾曲した形の代理戦争としてシリア内戦があるのですが、旧西側諸国がありもしない「正義」をふりかざすかぎり、ロシアはさらに姿勢を強めるでしょうし、その緊張のガス抜きとして代理戦争や(彼らの定義する)テロも増えるでしょう。

トランプ大統領は、先週のシリア爆撃の理由について「シリア政府軍は化学兵器を使った」としていますが、証拠はいっさい示されていません。北朝鮮は米国にとって地球の裏側です。

米国大統領が内政に行き詰まったときに軍事で国民の関心を逸らすのは伝統的な手段といえますが、政治経験のないトランプ氏が就任100日以内でいきなりこういった政治的に古典的な手法を使うということは、理想に燃えて大統領に就任したものの、オバマケア廃止撤回を受けて側近が示す政治路線に転換しての判断でしょうし、良かれ悪しかれ、トランプ大統領も普通の米国大統領になったということでしょう。

ただ、大統領当選から約5か月の間に米国の景気は完全かそれ以上に回復しましたし、既に大きな功績だと思います。トランプ氏は具体的施策もなくこれを成し遂げた大統領として、後世に名を残すことになるかもしれません。あとは、「気分」とはいえここまで盛り上がった景気をどこまで維持できるかが最大の興味事項であり、おそらく今後も何度かは「ミニトランプラリー」再来のような事象も起こるかもしれません。

4年後の大統領再選では、トランプ氏にはそもそも年齢的な問題がありますし(現在70歳、アメリカ人の平均寿命は78歳)、1期4年間をできるだけ良い「アメリカの大統領として」過ごしてくれることを願ってやみません。

さて、為替です

米ドル円

12日6時からの米ドル円と米10年債利回り15分足です。米ドル円はやや回復基調だったのですが、トランプ大統領の「米ドルは強すぎる」発言を受けて急落。NY時間は何とか109円台を維持しましたが、NY引け後に109.0円を割り込みました。13日は既に108.72円の安値をつけています。

この3日間は1日1円のペースで下落していますので、ロスカットもそれほど並んでいないためか、節目節目のサポートがあまり機能していません。もう一段安が警戒されるとともに、忘れてはならない米6月利上げ説もまだ濃厚ですから、買いの好機と考える向きもあります。

日経225は円高で底が見えない下落が続いていますが、NYダウは下落しているとはいえ、まだ2万600米ドル水準と高値です。現状を「円高」という一面から見て判断するのはもったいないですし、まったく動かない膠着状態よりは、下げ相場のほうが戦いようもありますから、よほどマシです。

豪ドル円、豪ドル米ドル

12日6時からの豪ドル円と豪ドル米ドル15分足です。13日10:30に発表になった豪新規雇用者数が6.9万人(予想2.0万人)と強い内容だったので、ようやく豪ドルに控えられていた買いが集まりました。豪ドル米ドルは1豪ドル=0.75米ドルの水準をなかなか抜け出せなかったのですが、13日正午でようやく0.7580近辺まで上げてきました。

これを受けて、豪ドル米ドル手動トラリピは、今月初となる利食い。ここに来て鉄鉱石価格が下落しているのが気になりますが、市場からはそれ以上にオーストラリアの実体経済が重視されるのは悪い状況ではありませんし、トランプ大統領の米ドル高牽制発言も今後は豪ドルにとって追い風になるでしょう。

今年2月、0.7660水準時のRBA中銀総裁による豪ドル高容認発言は修正されていないはずですから、要素さえ揃えば豪ドルには引き続き、ある程度安心した買いが集まるものと思われます。

豪ドル米ドルペアで「手動トラリピ」はじめました。この通貨ペアを選んだ理由や、発注の管理方法など。

2017-01-10

ループイフダン

ループイフダンは、手痛いミスをしてしまいました。米ドル円B15は相場の動向で稼働を停止したり再稼働したりを繰り返しているのですが、かなり上のほうで建ててしまったポジションが残骸のように残っており、その逆指値を手動で変更するのを失念したため、今朝の米ドル円下落を受けて、6,550円の損切りマイナスを出してしまったのです

150円を積み重ねるループイフダンで一気に6千円以上が吹っ飛ぶというのもFXらしくて趣があるところですが、不思議とあまりショックがないことに自分でも驚いています。

理由としては、単純にミスだったことに加えて、日本時間朝の、きちんとコンピュータに向き合っている時間に起こったという幸運に逆に感謝しているというところもあります。このポジションの次には15pips刻みで同じような損切りが待ち受けていたわけですから、寝ている間に数万円の損失を出している可能性すらあったことを考えると、傷は最小限で済みました。

トルコリラとたわむれた日々の記録。ヒロセ通商のスワップポイント115円固定も終わるらしいですね。

2017-01-16

なんでも経験と勉強とは思っていますが、昨年のトルコリラでの失敗以来、とくに大きな損失も出していなかったことから、自分の中にやや慢心があったことをあらためて反省しています。トレードってほんと、市場よりも自分との戦いですよね。それがまた楽しくもあります。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

FXと節約を組み合わせた記事を書いています。 元会社員、元会社経営者にして元浪費家。現在はフリーランスで生計を立てています。もっと早くお金の正体に気づいておけばよかったな〜などと後悔しながらも、あとの祭り的人生をそれなりに楽しんでいます。