FTSE100の週終値は7111(前週終値比-126)
FTSE100は英ポンド高が重石となり下落
FTSE100の日足チャートです。
この週のFTSE100は、週明け21日(月)は前週水準の7200前後での推移でしたが、22日(火)以降は英ポンド高を受けて下落し、7100〜7200のレンジ推移となりました。
FTSE100と英ポンド米ドル・今週の振り返り
21日(月)に伝えられた英国関連ニュース
- メイ首相はEU離脱協定案が大差で否決されたにもかかわらず、EU指導部との協議で主張を変えていない(英テレグラフ紙)
- メイ首相が閣僚らに対し、EU離脱案の有効な代案が、超党派協議を通じて得られる見込みはほとんどないと説明した(ブルームバーグ)
- マース独外相「メイ首相がアイルランド政府との二国間交渉を検討しているとの報道には、事態の打開策として懐疑的」
- メイ首相、1998年の「ベルファスト合意」の修正でEU離脱問題の打開策を探るか(英テレグラフ紙)
- ライトムーブ住宅価格 前月比+0.4%、前年比+0.4%
- ロート独欧州担当相、英国に対し、2回目の国民投票を実施し、EU離脱を見直すよう求める
週明けのFTSE100は、前週終値水準の7200前後での推移となります。
この日は、メイ首相が15日に議会で否決されたEU離脱協定案の代案を提出する期限であり、断続的に大量の関連ニュースが報じられました。
しかし、事前予想どおりメイ首相は基本的な姿勢を変更する様子もなく、新たな材料もないため、為替・株ともに様子見の横ばい相場となります。
終値は7222。
22日(火)に伝えられた英国関連ニュース
- メイ首相、EU離脱案に関し、批判が集中した北アイルランド問題への対応策を見直す方針を表明
- 英労働党、2回目の国民投票巡り議会採決を要求する修正案を提案、29日に議会審議・採決
- 11月ILO失業率4.1%(予想4.0%)、失業者数2万800人増加
- 12月財政赤字30億英ポンド赤字(予想10億英ポンド赤字)
- トゥスクEU大統領、キャメロン前英首相は国民投票を実施しないと想定していた
この日になって、メイ首相が議会否決されたEU離脱案の中で最も批判の多かった北アイルランド問題について対応策を見直す意向を表明すると伝えられ、マーケットに好感されます。
ただ、英ポンドが上昇するので株は伸び悩み、FTSE100も寄り付きから7193と下落します。
この日は終日英ポンドが上昇し、FTSE100は下落、終値は7122。
23日(水)に伝えられた英国関連ニュース
- 欧州議会、英離脱案の批准手続を開始(ロイター)
- ブロードベントBOE副総裁「中立金利は今後、低下するよりも上昇する公算のほうが大きい」
- CBI製造業受注指数(1月)-1(予想5)
この日も英ポンドが上昇を続け、終値で昨年11月8日以来となる1.30を回復します。
FTSE100は下落圧力に耐えるのがやっと、という値動きで7100台前半の推移が続きます。
終値は7162。
24日(木)に伝えられた英国関連ニュース
- メイ首相「EU離脱を延期しても問題解決にならない」
- バルニエEU首席交渉官、英国の合意なき離脱は既定路線との認識
- グラメーニャ・ルクセンブルク財務相「英国のEU離脱は延期すべき」
- モスコビシEU委員「英国がEU離脱を延期する場合は、英国政府がその理由と計画を示す必要があると述べた」
- ハルデーンBOEチーフエコノミスト「英経済の成長が続くならば中銀は緩やかな利上げを継続する公算が大きいが、景気の悪化には柔軟に対応する構え」
- バルニエEU主席交渉官「英政府が方針転換ならEUは即座に再交渉する用意がある」
- EU残留派議員が超党派で連携、離脱延期案可決も視野
この日は英ポンド上昇が一服となりますが、FTSE100も伸び悩みます。
EU離脱について関係者の発言が相次いだため、マーケットはハードブレグジット回避についても楽観的と断定できないと捉えているのでしょうか。
ほぼ前日同様のレンジで、終値は7142。
25日(金)に伝えられた英国関連ニュース
- カーニーBOE総裁、EU離脱延期の場合の任期延長を明言せず
- ハモンド英財務相「合意なきEU離脱は、我々の未来を傷つける裏切り行為だ」
- 北アイルランドの民主統一党(DUP)、メイ首相の離脱案支持を非公式に決定
- ハモンド英財務相「議会の多数は合意なき離脱回避を望んでいる」
- 12月BBA住宅ローン承認件数38,779件(予想38,800件)
この日は、北アイルランド民主統一党が非公式にメイ首相のEU離脱案を支持すると報じられたことに加え、米中貿易協議進展への期待や、米政府機関閉鎖の緊張緩和により為替全般にリスクオン、米ドル売りとなります。
前日一服した英ポンド買いが再燃し、英ポンド米ドルは1.31台に乗せます。
FTSE100は英ポンド高がさらに重石となり続落、終値は週安値更新となる7111でした。
今週発表される英国経済指標
今週も重要指標の発表はありませんが、いつもどおりカーニーBOE総裁発言には、やや注意が必要です。
- 28日(月)…ネーションワイド住宅価格指数/カーニーBOE総裁発言
- 30日(水)…消費者信用残高/マネーサプライM4
- 31日(木)…GfK消費者信頼感調査
- 2月1日(金)…製造業PMI
配当と支払金利
2019年の配当利回り
2019/1/2〜1/25 | 受取配当 | 支払金利 | 差引利益(A) | 必要証拠金(B)※()内は前回 | A÷B |
---|---|---|---|---|---|
FTSE100 | 369円 | 651円 | ▲282円 | 26,000円(26,000円) | ▲1.08% |
NYダウ | 2,509円 | 3,825円 | ▲1,316円 | 79,840円(76,850円) | ▲1.65% |
日経225 | 0円 | 0円 | 0円 | 72,410円(68,800円) | 0% |
DAX | 0円 | 0円 | 0円 | 30,770円(29,160円) | 0% |
引き続き、くりっく株365全商品が実質配当0かマイナスという状態が続いていますが、指数が下がっているので、先日の安値で買いそびれた方は、新規の買いを検討しても良いかもしれません。
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EU離脱問題の現状はそれほど悲観視されていないものの
リスクオン相場でも上昇できないFTSE100の苦しさ
週足3手連続陽線の後は、やや大きめの陰線となりました。
EU離脱全体としては、もっぱら合意なき離脱を回避するか、3月の期限が延期されるか、という点が関心事だと思いますが、英ポンドの動きを見ると、マーケットはこれらの問題にあまり悲観的ではないことが見て取れます。
しかし、ここまで急激に英ポンドが高くなると、株にとってはネガティブ材料でしかなく、今週以降も英ポンド買いが続くようであれば、期せずしてFTSE100が再び下落トレンドに回帰するシナリオも否定できません。
さしあたり私は、直近の安値である昨年12月8日の6950を下回ったら、もう1枚買い足しても良いと思っており、ここに指値を入れておくことにします。
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