FTSE100の週終値は7476
週明け同水準での引け
FTSE100の日足チャートです。
この週は、17日(水)の寄り付き直後に7576とやや高値をつけますが、結局はこの水準が精一杯の上値となり、その後は週引けまで横ばいの小幅レンジが継続しました。
FTSE100と英ポンド米ドル・今週の振り返り
この週のFTSE100を、英ポンド米ドル相場も参照しながら、時間足で追ってみたいと思います。
15日(月)の英ポンドは、1.3097と前週の1.3150から下に窓を開けて寄り付き、東京時間は前週後半からのリスクオフの流れを引き継いで、横ばいのまま推移します。
欧州時間に入り、英EU離脱交渉やポジション調整で英ポンドがやや買い戻され、7464で寄り付いたFTSE100はこれにともない下落、18時台には週の安値となる7435をつけます。
その後は英ポンド・FTSE100ともに方向感なく英ポンド1.3151、FTSE1007473で引けました。
16日(火)の東京時間の英ポンドは、前日の流れを引き継いで1.3150付近の横ばい推移となります。
欧州時間に入り、ブレグジット関連で17日にEU当局者がメイ英首相と協議を予定していると伝えられ、さらに英ILO雇用統計で、失業率は4.0%と予想どおりだったものの、賃金の伸びが前年比+2.7%と予想の+2.6%を上回ったことが好感されて英ポンド買いとなり、英ポンドは22時台に1.3235と週の高値をつけます。
FTSE100は、英ポンド上昇への初期反応として下落したものの、欧州時間後半には上昇に転じて23時台には一時7532まで値を上げます。
この日3時台には、バルニエEU首席交渉官はEU加盟国の閣僚らに対し、英国EU離脱合意の最終期限は12月と語ったと伝えられましたが、特段の材料視はされなかったようです。
10月が11月になり、12月になり…あまり期限を重視しない国民性なのでしょうか。
結局、この日は高値水準のまま7531で引けました。
英ポンドはやや利益確定売りに押されて、英ポンド米ドル1.3179の終値となっています。
17日(水)の東京時間は、英ポンドが1.3170-80の横ばいとなりますが、FTSE100は7544とやや高く寄り付きます。
FTSE100はまもなく7493まで下落し、7560付近まで上昇しては押し戻されるという値動きがNY時間まで継続します。
欧州序盤には、バルにEU首席交渉官の「英離脱移行期間を1年延長する可能性に柔軟姿勢」と伝えられた直後、英国からは「英政府は移行期間の延長を求めていない」という、どの立場から物を言っているのかわからない発言が伝えられたり、アイルランド外相の「移行期間の延長は英EU双方で議論されている」との発言が伝えられるなど、情報が錯綜します。
「火のないところに煙は立たない」ではありませんが、合意なき離脱を避けるために期限延長が両国間で協議されていることは間違いないでしょう。
また、同時間帯に発表された英CPI(消費者物価指数)が予想より弱かったことも英ポンド売りに繋がり、英ポンドは1.3180付近から1.31割れまで下落しますが、報道内容の大きさに比べれば、反応はそれほど大きくなかったと見るべきかもしれません。
FTSE100は欧州時間序盤の上値の重さから、NY時間を通しても結局7500近辺を抜け出せず、終値7513となっています。
18日(木)は、東京時間で英ポンド米ドルが、1.3110付近から1.3070に下げるじり安展開となります。
この日も16時台に7574近辺までは上昇しますが、徐々に勢いが衰え、欧州時間中盤には、メイ首相のEU離脱に関する発言を材料とした英ポンド上昇もあり、下値が7472まで切り下がっていきます。
FTSE100は7510で寄り付き、前日・前々日同様に、寄り直後はなぜか瞬間的に上昇して押し戻されるという値動きが継続します。
メイ首相の発言内容は多岐にわたりますが、これといって目新しい内容もなかったため、英ポンドがやや買い戻される程度の反応にとどまりました。
メイ首相発言要旨
- 英国は欧州連合(EU)に対して財政的な義務を守るが、全てが同意できるまで何も同意できない
- 焦点は英国の北アイルランドとアイルランドの国境問題をめぐるいわゆるバックストップ(防御策)
- ブレグジット交渉は順調に進んだ
- 欧州連合(EU)の最初の提案は受け入れることが出来なかった
- 2020年末までに移行期間が終わる予定
- 数カ月移行期間を延長するというオプションのアイデアもある
- 延長のオプションは使用しないつもり
- 可能な限り早期にブレグジット問題を解決すると約束
延長オプションの可能性については、もはや政治的統合失調症のような状態になっていますが、今後は、数ヶ月〜1年の単位で移行期間が延長されるかどうかがブレグジットにおける注目のポイントとなりそうです。
その後、NY時間でサウジ問題による米国株安から英ポンドは売られましたが、英国株に大きな動きはなく、この日のFTSE100の終値は、7491。
19日(金)は、英ポンド米ドルが前日のNY時間で1.3010付近まで下落したままで返ってきたため、東京時間でもこの流れが継続、欧州時間までは安値のまま小動きとなります。
FTSE100は、英ポンド安を受けてやや高く7511で寄り付きます。
前3日同様に、寄り付き直後の上昇はこの日も観測され、一時7563まで値を上げますが、やはり続かずに、19時台には7461まで下落します。
欧州〜NY時間を通して、ブレグジット関連報道が断続的に伝えられますが、いずれも決め手となるような内容ではなく材料とはなりませんでした。
「アイルランド国境問題に関して英国側が主要な要求を撤回する準備がある」との報道についてすら、マーケットはほぼ無反応ですから、いかにブレグジットに関して英国が信用を失っているかということがわかります。
そのような状況の中、誰かが明言したわけではありませんが、秋の最終合意は完全に見送られ、もはや12月合意が既定路線のようになっていることには驚かされます。
この週の終値は、英ポンド米ドルが1.3050、FTSE100が7476となっています。
週足チャート
週足チャートで見ると、前2週の下落の流れはようやく止まった感じですが、まだ方向感は判断しにくい場面です。
一目均衡表では、3週間後に雲がねじれており、ここで流れが変わる可能性があります。
それから、同じ一目均衡表で、来週は遅行スパンがローソクにぶつかり下抜けることが確実のようです。
少なくともチャート的には、いろいろとよろしくない状況になってきていますね。
今週発表される英国経済指標
今週は、英国の指標発表は予定されていません。
指標ではありませんが、24日の0:20からカーニーBOE総裁の講演が予定されており、内容が注目されます。
- 24日(水)…カーニー英中銀(BOE)総裁発言
年初来の配当と支払金利
FTSE100は支払金利が30円/日にせまる
1/2〜10/19 | 受取配当 | 支払金利 | 差引利益(A)※括弧内は前回 | 必要証拠金(B) | A÷B ※括弧内は前回 |
---|---|---|---|---|---|
FTSE100 | 26,586円 | 6,451円 | 20,135円(20,178円) | 26,000円 | 77.44%(77.61%) |
NYダウ | 44,260円 | 48,223円 | ▲3,963円(▲3,596円) | 83,000円 | ▲4.77%(▲4.33%) |
日経225 | 37,184円 | 0円 | 37,184円(37,184円) | 76,000円 | 48.9%(48.9%) |
DAX | 0円 | 1,202円 | ▲1,202円(▲1,202円) | 42,000円 | ▲2.86%(▲2.86%) |
年初から先週までの受取配当から支払金利を差し引いた実利益を計算しています。日経225・DAXは前週と変わらずです。
FTSE100は、支払金利が28.7円/日と30円にせまる額に上昇してきました。
この水準で支払金利が下がらないとすれば、11月は例年3,200円程度の配当が予定されているのでまだ良いのですが、12月は1,000円にも満たないので、2ヶ月間で得られる配当の半分近くは金利で持って行かれることになります。
こればかりは何も為す術がありませんが、せめて今の水準以上には金利が上がらないことを願うばかりです。
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FTSE100のスプレッド
先週のスプレッドはふたたび50近くまで拡大
くりっく株365・FTSE100のスプレッドですが、また50近くまで拡大しています。
この週は、FTSE100だけではなく、NYダウや日経225までも、これまでの10〜20というスプレッドが40台まで拡大しています。
今月10日以降の株価急落もありポジションが偏っているのは仕方のないところですが、これではどの商品も、新規・決済ともに積極的にはできない状況です。
月足一目均衡表で見ると、まだまだ三役好転中ですから、今買って下落しても狼狽売りさえしなければ長期保有できるポジションになり得るとは思いますが、EU離脱がここまでグダグダだと、さすがに火中の栗を拾う気にはなれませんね。
ということで、新規建て7200の指値は維持したまま、様子見を決め込もうと考えています。
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