LGテレビはAmazonセールの定番
国産テレビではないという不安
Amazonでセールがおこなわれるたびに、当ブログではこちらの記事へのアクセスがとても多くなります。
その多くの方は、Amazonセールにおいて定番の値引き商品であるLGの大型液晶テレビが気になっても、LGってどうなの?大丈夫なの?ということで情報を求めて来られるのだと思います。
私がLGの大型液晶テレビ「49UF7710」を購入したのは2016年5月だったので3年以上前になりますが、この間、LGテレビの基本的な設計は変わっていないようなので、あらためてメリット・デメリットと、使う上での工夫なんかを書いておきたいと思います。
LGのテレビを買う心構え
すべてが不安定なWeb0S上で動いている
現在売られているテレビをざっくり2つに分けると、「従来型のテレビ」と「スマートテレビ」に分けられるのではないかと思います。
従来型のテレビは、これまでのテレビの流れを受け継ぎ、あくまで「テレビ視聴用の家電」です。
従来型テレビの中には、インターネット接続機能を持ち、YouTubeやHuluなどの動画ストリーミングサービスが利用できるものもありますが、これはあくまで拡張機能であって、汎用OSの上で作動させる「コンピュータ」とは根本的に違います。
従来型テレビ
従来型テレビのメリットとしては、
- 動作が安定している(家電であるがゆえ)
- 起動が早い
という点があげられます。逆にデメリットとしては、
- アプリベースではないので、拡張機能のバリエーションが少ない
という点があげられると思います。
後述しますが、スマートテレビ最大の弱点は、家電ではなくコンピュータであるがゆえの動作の遅さだと思うので、テレビ番組やHDD録画を観るという使い方がメインのユーザーにとっては、この毎日の「もっさり感」は、大きなストレスになると思います。
スマートテレビ
次に、スマートテレビのメリットとしては、従来型テレビの逆になり、
- アプリによる拡張性が高くバリエーションが豊富
デメリットとしては、
- 動作が不安定(PCやスマートフォンのようにフリーズすることもある)
- 起動が遅い
という点があげられます。
スマートテレビに搭載されているOSは3種類
現在スマートテレビを販売しているのは5社で、そのうちソニーとシャープはAndroid、パナソニックはFirefox、東芝は独自OSを採用しています。
AndroidとFirefoxを比較すると一長一短という感じですが、Firefoxのほうが多少サクサク動くかな、という印象です。
そして肝心のLGのスマートテレビは、AndroidでもFirefoxでもなく、「WebOS」という、事実上LGの独自規格(開発当初はPalm製)を採用しています。
このWebOSですが、Android・Firefoxと比較してどうかと言えば、これも一長一短という感じで、もっさり感はAndroidに近いものがあるので、それならまだアプリケーションが豊富なAndroidを積極的に選ぶべきではないかと思います。
(あくまで、「スマートテレビをOSで選ぶなら」という前提ですが。)
LGのWebOS
LGのスマートテレビでは、テレビを観る機能も1つのアプリとしてWebOS上で動かすことになり、これはワンセグ機能つきのスマートフォンでテレビを観る感覚に近いものがあります。
ゆえに、WebOSがフリーズしてしまうと、テレビもHDD録画も観ることができなくなり、再起動などの対処が必要になります。
再起動も、スマートテレビはコンピュータであるために、雑にやってしまうとHDDに録画した番組が消えてしまうなどのトラブルがよく発生します(この対策は後述します)。
WebOSにはいくつかの人気サービスがない
また、これはけっこうWebOSの致命的な欠点だと思うのですが、Hulu、dTV、AbemaTVなど、日本で人気のあるストリーミングサービスの一部がアプリで提供されていません。
NetflixやAmazonビデオは提供されているので、これらのサービスしか使わない、ということであればLGのWebOSでも良いのですが、どうしてもHuluやdTVを利用したい、ということであれば、結局はfire TV StickやAppleTVなどをHDMI端子に接続して使うことになってしまいます。
fire TV Stick 4K
ここで考えてみていただきたいのですが、fire TV Stick 4KをLGのスマートテレビに接続すると、WebOSでできてfire TV Stick 4Kでできない機能というものは、テレビ視聴機能以外には事実上ないということです(「事実上」というのは、WebOSで大量に提供されているミニゲームアプリなどを使いたいユーザーも一部にはいるかもしれないので)。
つまり、スマートテレビにfire TV Stick 4Kを接続した時点で、テレビの動作が不安定で起動が遅くなるというデメリットを負ってまでスマートテレビである理由がほとんどなくなってしまう、ということなのです。
HDMI-CECでテレビのリモコンを共有できる
HDMI-CEC規格に対応しているテレビであれば(国内で手に入るテレビはだいたい対応しています)、テレビのリモコンでfire TV Stick 4Kを操作することができるので、動画ストリーミングサービスも、あたかもテレビのもともとの機能の一部のようにシームレスに利用することができます。
実際、私も、出張先のホテルなどで、最近よく見るハイセンスの従来型テレビ(ハイセンスはスマートテレビをうたっていますが)に、持ち歩いているfire TV Stickを接続して利用したところ、テレビも動画ストリーミングもサクサクとこの組み合わせは快適そのもので、日頃、LGのWebOSによるストレスが相当なものであることを実感させられました。
ここでのひとつの結論としては、テレビ番組とHDD録画をよく見る方がLGのスマートテレビを買うと後悔する可能性が高いということだと思います。
LGテレビのテレビ機能の酷さ
ほかにも、LGのスマートテレビは、とにかくテレビ視聴機能まわりの機能がとにかく酷いです。
普通にチャンネルを変えることすら…
例えばチャンネルの上ボタンを3回押しても画面の反応がなく、ボタンをちゃんと押していなかったかな?と思い、さらに3回上を押すと、数秒経過してチャンネルが上に6回かわる、という動作をします。
慣れれば「またか」くらいの感覚ですが、一日何回も発生するので、地味なストレスになります。
番組表がまったく実用レベルではない
LGの前に使っていた東芝の2007年製テレビでも、テレビ番組表にそれほど不便を感じたことはありませんでしたが、それより10年も新しいLGテレビの番組表はまったく実用レベルではないと感じます。
番組表を上下左右にスクロールさせるためにいちいちカーソルをクリックしなければなりませんし、その表示にも毎回数秒間を要します。
さらに、予約した1時間番組が2時間スペシャルなどになっていても、いつもの1時間しか録れていませんし、スポーツ中継などで放送時間が変更になっても、元の録画の時間で録画されてしまいます。
メールなど、遠隔での予約録画にも対応していないのも不便です。
また、番組情報が取得されず番組表が真っ白になっていることも珍しくありません。
キーワードの検索機能も使いづらく、1日分しか検索できないので、1週間のうちにキーワードに該当する番組を探すには、検索を7回繰り返す必要があります。
HDD録画が不安定すぎる
いまや当たり前になったテレビ番組のHDD録画ですが、大元のWebOSが不安定であるために、「予約番組が録れていない」「消えてしまった」などのトラブルが日常茶飯事です。
とくに多いのが、HDDに録画した番組を再生しようとすると、画面が真っ暗になったり、コマ落ちのような画面になって、OS自体がフリーズに近い状態になってしまうパターンのトラブルです。
この現象が発生すると、リモコンや本体の電源ボタンで電源をオフにしても復帰しないので、主電源からオフにする必要があります。
しかし、LGのテレビには「主電源」というスイッチはありませんから、方法としては電源プラグを抜くしかありません。
このとき、コンピュータであるがゆえに、雑にオフにするとHDDのデータが破損してしまうので、PCなどと同様に、「安全に取り外す」という操作が必要になります。
設定の「すべての入力」から「Expansion Desk」を選び、「取り外し」を選ぶと、安全に取り外すことができるので電源オフし、さらに私の場合はテレビの電源をあらかじめスマートプラグに接続してあるので、スマートフォンから操作して電流を遮断、完全に再起動させるという操作をおこなっています。
これでHDDに録画した番組が消えることもなく復旧させられるようになりましたが、それまでは保存しておきたい録画番組が何回消えたことかわかりません。
私が使っていたHDDが原因かと思い買い替えてみましたが、まったく同じ現象が起こるので、これはLGテレビ側の問題としか考えられません。
結論:fire TV Stick 4Kを接続するモニターとして買うならオススメ
テレビとHDD録画機能に期待しない方限定かも
発色の好みはあると思いますが、LGの液晶パネルはとてもきれいで私は国産テレビよりも好きなので、テレビ番組をあまり観ない私の生活スタイルには、LGのスマートテレビはそれほど悪くない選択だったと思っています。
fire TV Stick第二世代を使っていたころは、こちらもWebOSに匹敵するほど動作がもっさりしていたのですが、fire TV Stick 4Kに買い替えてからは、もちろん画像は4Kになったことで抜群にきれいになりましたし、何より動作が見違えるほど軽くなりました。
これからLGのスマートテレビを買うかどうか迷っている方は、まず、テレビ番組とHDD録画機能をどの程度重視するか考えていただき、それでもAmazonセールなどでの価格的な魅力が、購入後に予想される不便さを上回ると考えられるようであれば、LGのスマートテレビはそれほど悪くない選択肢だと思います。