動かない米ドル円、買い戻される豪ドル
米ドル円
13日6時からの米ドル円15分足です。値動き幅は、高値114.917円、安値114.482円、その差43.5pipsです。115円を攻めるでもなく、底割れするでもなく、まさに様子見といった小幅の値動きが14日に入っても続いています。
ただ、14日朝になって一旦下落した米10年債がまた2.63%近辺まで上がってきたので、米ドル円も上がって115円台前半くらいまでは到達するかもしれませんね。とはいえ、FOMCを前にそのまま116円台を目指して駆け上がるということは、まず考えにくいところです。
豪ドル円、豪ドル米ドル
この値動きで豪ドル米ドル手動トラリピもひさびさに利食いでき、もしかしたら3月はゼロ回か?などと心配しはじめていましたが、少し安心しました。FOMC後の調整では、資金が懸念材料があるユーロ、英ポンドと森友学園問題が意外と海外筋でクローズアップされている日本円を避けて豪ドルに流れる展開も十分にありえますから、期待しつつ見守りたいと思います。
ループイフダン
ループイフダンは、米ドル円B15/S15が各4回ずつのみ利食いです。想定内とはいえ、ちょっと寂しい週明けでした。とはいえ、昨日の米ドル円安値で買いポジションをいくつか建てられたので、115円さえクリアしてくれれば、一気に利食いが捗ります。このあと書いているオランダ総選挙の懸念がこれ以上広がらなければ、円への資金流入も限定的と思われますので、今日の欧州時間はとくに注意して推移を見守りたいと思っています。
オランダ総選挙
さて、3月15日のオランダ総選挙で反イスラム・反移民の極右政党PVV(自由党)が躍進するのではないかと懸念が広がっています。オランダのGDPはユーロ圏内では第5位、比率で6.47%程度ですが、比率が2%に満たないギリシャがあれだけユーロを混乱させたことを考えると、無視できない数字ではあります。
ユーロ内順位(世界順位) | 国名 | GDP(2015年) 10億米ドル | 割合 |
---|---|---|---|
1位(4位) | ドイツ | 3,365.29 | 29.02% |
2位(6位) | フランス | 2,420.16 | 20.87% |
3位(8位) | イタリア | 1,815.76 | 15.66% |
4位(14位) | スペイン | 1,199.72 | 10.34% |
5位(17位) | オランダ | 750.70 | 6.47% |
(4〜10位略) | |||
11位(48位) | ギリシャ | 195.32 | 1.68% |
(12位〜18位略) | |||
19位(134位) | マルタ | 9.75 | 0.08% |
しかし、PVVが単独与党となる確率はほぼゼロで、与党となるためには連立政権を組む必要がありますが、ほぼ全ての政党がPVVとの連立を否定しており、また、最新の世論調査では人気にやや陰りが見えることから、最大野党になる可能性は高いものの、政権与党となる可能性は低いと見られています。
心配なのはむしろ、想定外にPVVが得票数を伸ばした場合に、選挙が近いドイツとフランスへの影響が大きいという点です。大変失礼を承知で書くと、オランダという国は欧州社会ではあまり尊敬される国ではなく(むしろ逆)、オランダの総選挙がどのような結果だとしても、ユーロ圏の世論が「オランダに倣え」となることは考えにくいのですが、ドイツとフランスの野党とそれを支援する勢力が勢いを増す、ということは十分に考えられます。
特にドイツは、マスコミが世論を煽る傾向があるため、オランダの総選挙の結果を材料に、いまだにギリシャやPIIGSに対してくすぶっているドイツ国民の不公平感を煽るような報道を繰り広げることは、容易に想像がつきます。メルケル首相率いるCDU(キリスト教民主同盟)も政治基盤的に決して盤石とは言い難いため、世論に動揺してEUとユーロ圏を支える現在の政策を修正せざるを得ない、などという展開になればユーロ懸念再び、という事態にもなりかねません。
つまり、今回のオランダ総選挙は、「PVVが勝つか否か」という見方ではなく、得票数に焦点をあてた観察こそが重要と考えています。ユーロ懸念が完全に払拭される、ということはおそらく永久にないのでしょうね。
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