今週の豪ドル円相場
豪ドル円日足チャート
豪ドル円日足チャート(一目均衡表も表示)と、私の豪ドル円B80ループイフダン取引履歴(緑=新規、ピンク=決済)です。
豪ドル円B80の今週は、新規5lot×6、決済(利食い)×2、という結果になりました(私は豪ドル円B80ループイフダンを1本5,000通貨で、若干稼働開始値幅をずらして合計3本=1万5000通貨運用しています)。
豪ドル円は79円割れ
今週の豪ドル円の値動きを、時間足チャートで振り返ります。
今週の豪ドル円は、前半はオーストラリア関連指標とRBA、後半は米中貿易戦争に翻弄された1週間となりました。
週明け3日(月)は、先週末引けの79.74円とほぼ同水準の79.84円で寄り付きましたが、10:30発表の豪小売売上高が事前予想の0.3%を下回り0.0%だったことから豪ドルが売られ、あっさりと2016年11月来の安値を更新しました。
豪ドル米ドルも一時0.7166まで下落。
10時台の安値は、2016年末にサポートされた水準であり、これを下抜けなかったために東京・欧州時間で自律反発して80.25円まで値を戻します。
3日(月)は米国・カナダ市場が休場だったため、特段の材料もなく、やや調整売りから横ばいの値動きが続きます。
翌4日(火)は、東京時間から13:30のRBA政策金利発表を控えて調整売りの下落となりました。
10:30発表の4-6月期豪貿易収支は事前予想▲110億豪ドルのところ▲135億豪ドルと弱い数字でしたが、マーケットの反応はほとんどありませんでした。
13:30のRBA政策金利公表は、事前予想どおり1.50%の据え置きで緩和継続ながら、豪ドルの水準に対する声明が追加されたことで、豪ドル円では80.40円付近まで豪ドルが買い戻されます。
その後は買いが続かず、利益確定売りに押されて下落、結局RBA前の水準まで押し戻され、横ばいとなります。
20時台には、ロウRBA総裁の「豪ドル安継続となれば成長やインフレ見通しの押し上げにつながる」との発言も伝わりましたが、マーケットは反応薄でした。
5日(水)10:30には豪実質GDPの発表があり、前期比0.9%(事前予想0.7%)、前年比3.4%(事前予想2.8%)と強い数字だったため、豪ドルが80.56円まで買われます。
豪ドル円に連れて、クロス円全般が上昇する動きに繋がりました。
しかし、東京時間の午後に入り、中国株の下落をきっかけに豪ドルが売られはじめ、豪ドル米ドルで一時0.7145、豪ドル円で79.59円と、2016年5月24日以来の安値まで下落します。
この時点になって、前日にあったロウRBA総裁発言の貿易戦争への懸念と、「金利の変更はまだ先」という発言が影響しているとも言われています。
一旦底打ちし、欧州時間で80.36円まで買い戻されますが、やはり買いが続かずに、翌日まで横ばいとなります。
6日(木)10:30発表の豪貿易収支は、事前予想の14.50億豪ドルを上回る15.51億豪ドルと強い数字でしたが材料視されず、逆に材料出尽くしで豪ドルが売られる形となります。
豪ドル円一時79.78円。
その後は特に材料もない中で80.20円付近まで買い戻されますが、結局はここが週の最後のピークで、この後は貿易戦争懸念の再燃で、週引けまでほぼ下落の一途をたどります。
7日(金)15時台には、豪ドルに特化した材料がない中でも全般にリスクオフが進行し、豪ドル円も79円割れで一時78.94円まで下落します。
21:30の米雇用統計にもマーケットは反応薄でした。
その後79.47円までは買い戻されますが、8日(土)1時台にトランプ大統領が「中国に対する追加関税2670億米ドルを用意」と発言したことにより、さらにリスクオフが加速。
豪ドル円も一時78.67円まで売り込まれます。
その後の反発も鈍く、結局78.86円と、80円割れどころか79円割れでの週引けとなり、強い下値警戒感が継続する形で週末を迎えました。
ループイフダン豪ドル円B80の成績
下落基調ながら指標による上昇でかろうじて利食い
ループイフダン豪ドル円B80の今週(上)年初来(下)成績は、下記のとおりです。
ループイフダン | 数量 | 売買利益 | スワップ | 決済利益 |
---|---|---|---|---|
豪ドル円B80 8/27〜9/7 | 1.5万通貨 (5千通貨×3) | 8,000円 | 115円 | 8,115円 |
ループイフダン | 数量 | 売買利益 | スワップ | 決済利益 |
---|---|---|---|---|
豪ドル円B80 年初来 | 1.5万通貨 (5千通貨×3) | 263,461円 | 8,580円 | 272,041円 |
来週の動き
豪ドル関連指標は一巡
今週はRBA政策金利公表に加え、オーストラリアの経済指標発表が目白押しでしたが、来週の豪雇用統計で一巡することになります。
ただ、豪ドルの値動きが今まで以上に中国経済に敏感になっている感はありますので、米中貿易戦争の動向はもちろん、中国関連の指標にも注意をさらに注意を向ける必要がありそうです。
- 10日(月)…中生産者物価指数/中消費者物価指数
- 11日(火)…米卸売在庫
- 12日(水)…豪Westpac消費者信頼感指数/米MBA住宅ローン申請指数/米生産者物価指数/米週間石油在庫統計
- 13日(木)…豪雇用統計/米新規失業保険申請件数/米消費者物価指数
- 14日(金)…中小売売上高/中鉱工業生産指数/米小売売上高/米輸入物価指数/米鉱工業生産指数/米企業在庫/米ミシガン大学消費者信頼感指数
豪ドル安容認?
ロウRBA総裁の豪ドル安容認ともとれる発言は、発言直後はあまり影響がなかったのですが、週の引けに向けてジワジワと効いてきた感があります。
リスクオフに加えて、当面の金利上昇もなく、さらにオーストラリア・ニュージーランド銀行がウェストパック銀行に続いて住宅ローン金利を引き上げたことにより、RBAがますます利上げを実施しづらくなったのではないか、という見方も広がっています。
オーストラリア経済も好調とはいえ、指標だけで利上げを連想されるほど強い内容が出るとは思えず、そうなるとやはり、豪ドルは「売られすぎるまで売られる」ことになりかねません。
オーストラリア政治懸念
豪経済が堅調に推移する一方で、いまだに懸念が払拭されないのが豪国内政治です。
ターンブル前首相が辞任のうえ政治家引退を表明し、公認のモリソン首相が就任したことで事態の収拾がはかられるかと期待されましたが、今のところ、政治の先行きには不透明感が広がっています。
現在のところ、経済に牽引される形で政治懸念は表面化していませんが、1議席差で過半数を保つ連立与党が立場を失うような事態になれば、一気に政治リスクが顕在化するものと思われます。
モリソン首相(元財務相)の経済政策について方向性を探ることは、とくに実績もなく情報が少なすぎるため容易ではありませんが、「同性婚反対」「難民受け入れ反対」の立場をとるとされており、やや時代の潮流に逆行した思想の持ち主ではないかと想像しています。
排外主義的な思想でトランプ大統領と意気投合してくれれば良いのですが、関係がこじれて「やっぱりオーストラリアからの鉄鋼・アルミにも関税をかける」などとなれば、オーストラリア経済に大ダメージなので、最低限、モリソン首相がそういう人物でないことだけは願いたいものです(やや失言癖ありとの情報も見られます)。
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