くりっく株365のFTSE100は、米国中間選挙を通過してやや上昇。英EU離脱交渉が再びマーケット最大の関心事となっています。

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FTSE100の週終値は7478(前週終値比+45)

終値は先週よりやや上昇

FTSE100の日足チャートです。

この週は、高値7517・安値7376と、前週ほどではありませんが、引き続きボラタイルな値動きとなりました。

FTSE100(くりっく株365)日足

FTSE100(くりっく株365)日足

FTSE100と英ポンド米ドル・今週の振り返り

この週のFTSE100を、英ポンド米ドル相場も参照しながら、時間足で追ってみたいと思います。

5日(月)の英ポンドは、前週終値の1.2962から上に窓を開けての1.3021で寄り付いた後、東京時間の昼にかけて1.2982付近まで下落します。

欧州時間・NY時間は底値を探る動きから21時台には1.2963の安値をつけましたが、全体としては上昇基調の中でNY時間後半には1.3054まで上昇しますが、引けにかけてやや売られて終値は1.3041でした。

FTSE100は、英ポンド米ドルとは逆に、前週終値の7433から下に窓を開けて7403で寄り付き、その後は上昇し23時台には7434まで上昇しますが、その後は英ポンド上昇に押されて7441で引けます。

この日に伝えられた英国関連ニュース
  • 英国EU離脱交渉担当官ら、金融サービスについて合意に達する(英FT紙)
  • 英国l非製造業PMI(10月)52.2(予想53.3、今年3月以来の低水準)
FTSE100時間足(11月5日)
英ポンド米ドル時間足(11月5日)

6日(火)も英ポンド上昇は継続し、寄りの1.3041から引けの1.3096まで、ジリ高での上昇となりました。

FTSE100は、7445と前日終値よりやや高く寄ったものの、英ポンド高を受けての売りとなり、22時台には一時7384まで下落します(週安値)。

NY時間ではやや買い戻され、この日の終値7436。

この日に伝えられた英国関連ニュース
  • 英フォックス国際貿易相発言「まだブレグジットで解決しなくてはならない多くの問題がある」「北アイルランドを別途に考えて交渉するのは許容できない」
FTSE100時間足(11月6日)
英ポンド米ドル時間足(11月6日)

7日(水)の英ポンド米ドルは、米国中間選挙に関する報道で神経質な値動きが観測されたものの、東京時間から欧州時間の前半までは、週明けから前日までの上昇基調が継続となり、19時台には週の高値となる1.3174をつけます。

しかし、その後は緩やかながら下落に転じ、結局ここを起点とする下落が週引けまで続くことになります。

英ポンド米ドルの終値は1.3123。

FTSE100は、7444で寄り付いた後すぐに7508まで上昇しますが、20時台には急落して上昇分を消します。

0時台には7431まで値を落としますが、NY時間では上昇に転じ、7502で引けます。

この日に伝えられた英国関連ニュース
  • 英HBOS住宅価格(10月)0.7%(予想0.8%)
  • バルニエEU首席交渉官発言「時間は差し迫っている。英国は選択する必要がある」「離脱交渉に期日を決めることはできない」「すべきことは更にある」「私の決意は固い」
  • メイ首相とトゥスクEU大統領が英EU離脱交渉について電話会談をおこなった(一部報道)
FTSE100時間足(11月7日)
英ポンド米ドル時間足(11月7日)

11月8日(木)は、東京時間から欧州時間序盤は1.3120近辺の横ばいで持ちこたえましたが、その後は英EU離脱に関する報道が錯綜する中で、英ポンドは神経質に反応します。

4時のFOMCでは、全体的な米ドル買いから英ポンドも売られ、英ポンド米ドルも一時1.3043まで下落し、その後は戻りも鈍く、1.3061で引けます。

FTSE100は7471で寄り付き、英EU離脱関連の報道に動揺しながらもやや上昇し、23時台には7517の週高値をつけます。

しかし0時台には7472まで下落し、やや戻りを試したものの押し戻され、同水準の7469で引けます。

この日に伝えられた英国関連ニュース
  • 英RICS住宅価格指数(10月)-10%(予想-2%、2012年9月以来の低水準)
  • 英EU離脱に関し、EU関係者「数日中の合意は可能」、メイ首相「閣僚の意見をまとめるために時間が必要」
  • 今週は内閣で英EU離脱交渉に関する話し合いは行われない(一部報道)
  • アイルランドホーガンEC(欧州委員会)委員長発言「数日のうちに提案がなければ、11月のうちのブレグジット合意は難しい」
  • 英EU離脱に関し、12日に閣議が行われる見通しであり、ラーブ英離脱担当相とバルニエEU首席交渉官が翌13日午前に会談する可能性が高い(英FT紙)
  • 完全な離脱合意と政治宣言の概要は13日午後に発表(英FT紙)
  • 英政府高官発言「ここ数日で英EU離脱交渉が合意する可能性、との報道については話半分に聞くべき」
FTSE100時間足(11月8日)
英ポンド米ドル時間足(11月8日)

9日(金)も英ポンドは下落基調継続で、1.3061で寄った後は欧州時間序盤に一時1.2988まで下落し、1.30割れを試します。

押し目買いで0時台の1.3054までは戻しますが、米指標発表後の米ドル買いでふたたび下落し、1時台には1.2971と今度は明確に1.30割れ、週末に向けて戻りはほぼなく、終値は1.2960。

FTSE100は、7449とやや安く寄り付き、NY時間終盤まで同水準でのもみ合いが続きます。

引けに向けてはやや買われ、一時7496まで上昇しますが、終値は7478での週引けとなりました。

この日に伝えられた英国関連ニュース
  • 英DUP(北アイルランド民主統一党)ウィルソン議員発言「メイ首相は北アイルランドに関する約束を果たしていない」
  • GDP速報値(第3四半期)前期比0.6%(予想0.6%)前月比1.5%(予想1.5%)
  • 商品貿易収支(9月)-97.31億英ポンド(予想-113.95億英ポンド)
  • 鉱工業生産(9月)前月比0.0%(予想-0.1%)前年比0.0%(予想0.4%)
  • 英ハモンド財務相「第3四半期GDPは経済の力強さの証」
  • 英DUPウィルソン議員「来週の金融法案を支持するかどうかは答えられない」
  • 英ジョージョンソン運輸担当閣外相が辞任か
  • 日曜日にメイ首相が臨時閣僚会議を開催か
FTSE100時間足(11月9日)
英ポンド米ドル時間足(11月9日)

週足チャート

FTSE100(くりっく株365)週足

FTSE100(くりっく株365)週足

週足チャートで確認すると、この週は3週ぶりの陽線となっています。

とはいえ、3週前・6週前の陽線はほぼ上昇分がないので、まともに上昇した陽線としては9月17日週以来、実に6週ぶりということになります。

ただ、英ポンド米ドルが週足で下落し、米国中間選挙を無事通過したリスクオフ後退という材料の中でも1%程度の上昇ですから、これでFTSE100が上昇に転じると判断するのは時期尚早だと思われます。

後述しますが、米国中間選挙という一大イベントを通過して、当然ながら英国経済の核心である英EU離脱問題が株・為替の最優先材料として戻ってきた感です。

今週発表される英国経済指標

今週は指標の数こそ多くありませんが、雇用統計、CPIはじめ、すべてが重要指標という週になります。

また、12日(月)には、ユンケルEC(欧州委)委員長が経済会議で英国EU離脱について演説します。

  • 13日(火)…雇用統計/ILO失業率
  • 14日(水)…消費者物価指数/小売物価指数/生産者物価指数
  • 15日(木)…小売売上高

 

年初来の配当と支払金利

FTSE100は支払金利がふたたび30円台/日に

1/2〜11/9受取配当支払金利差引利益(A)※括弧内は前回必要証拠金(B)A÷B ※括弧内は前回
FTSE10027,473円6,929円20,544円(20,151円)26,000円79.02%(77.50%)
NYダウ48,267円51,799円▲3,532円(▲6,330円)83,000円▲4.26%(▲7.63%)
日経22537,184円0円37,184円(37,184円)76,000円48.9%(48.9%)
DAX0円1,202円▲1,202円(▲1,202円)42,000円▲2.86%(▲2.86%)

年初から先週までの受取配当から支払金利を差し引いた実利益を計算しています。日経225・DAXは前週と変わらずです。

NYダウは、やや大きな配当がある週でしたが、差引利益マイナス圏からの脱出は程遠い状況です。

FTSE100は、この週の支払金利が31円/日と、前週の16.6円/日から2倍近い金額まで上昇しています。

いよいよ大詰めの英EU離脱交渉

米国中間選挙を通過して

この週は、米国中間選挙まではマーケットの関心がそちらに向いていましたが、大勢が判明した途端に英国EU離脱関連の報道が飛び交い、英ポンド、英国株ともに神経質に反応するという現象が見られました。

情報が錯綜しており、確度の高いものを選別することは容易ではありませんが、最も楽観的なシナリオでは、本日11日(日)にメイ首相が臨時閣議を開催し、遅くとも12日(月)までには閣内の意見をとりまとめ、13日(火)午前にEU側と最終合意し、同日午後に発表というものです。

いまだ燻る「国民投票再実施論」

しかし、9日に第一報として伝えられたジョー・ジョンソン(ボリス・ジョンソン元外相の弟)運輸担当閣外外相が、その後の報道で「国民投票の再実施を求めて」正式に辞任と伝えられるなど、状況は決して楽観的ではありません。

とりわけ、事ここに至っても、アイルランド国境問題に関してはほとんど進展がないという信じられない事態ですから、かりに早期合意が実現したとしても「合意内容を好感してのリスクオン」というシナリオは、どう考えても期待薄という感じがします。

アナザーシナリオとして期待できるのは、「不透明感の払拭によるリスクオン」あるいは「材料出尽くしによるリスクオン」といったところですが、それも英ポンド買いを中心とした反応だと、FTSE100にとっては大きな逆風となりそうです。

FTSE100の荒っぽい値動きを活用したトレードを

いずれにしても、上がりそうもないのに下がりもしないのが気持ち悪いFTSE100ですが、遅くとも今月中には答えが出ると思われます。

FTSE100の値動きは、ますます荒っぽくなっていますから、安値買い・高値売りの指値が有効な相場と思われます。

私も、以前から指値買いを入れている7200の他に、もう少し安値で何段階かの指値買いを入れておきたいと思っています。

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ABOUTこの記事をかいた人

FXと節約を組み合わせた記事を書いています。 元会社員、元会社経営者にして元浪費家。現在はフリーランスで生計を立てています。もっと早くお金の正体に気づいておけばよかったな〜などと後悔しながらも、あとの祭り的人生をそれなりに楽しんでいます。