くりっく株365の支払金利が復活。配当取りは、ますますNYダウよりもFTSE100が有利になります。

配当が魅力のくりっく株365

本来は配当の受取りと金利支払いがセット

くりっく株365は、先物と比較してさまざまなメリットがありますが、その一つが「配当を受け取ることができる」という点です。しかし本来、くりっく株365では「配当が受け取れるかわりに金利の支払いが生じる」という建付けになっており、2016年3月から現在までは、円金利がゼロなので、配当だけが受け取れる、という状態になっていました。

金利が復活します

そのような中、本日(11月22日)、東京金融取引所から「海外株価指数証拠金取引の一部商品仕様の変更について」が発表され、これによれば、くりっく株365の「NYダウ」「DAX」「FTSE100」に適用される金利を「円金利」から「外貨金利」に変更するため、12月18日(月)から金利が復活するとのことです。

今回の改定では、NYダウの買いポジションに関する変更が最も影響が大きいと思われますので、内容を見ていきたいと思います。

金利はいくらなのか

DAXとFTSE100はほぼ影響なし、NYダウは影響大

11月20日時点で試算された1日あたりの金利相当額は、以下のとおりです。さらに試算として、1年分(365日分)も表記しました。

  • NYダウ・・・約102円/日、約3万7230円/年
  • DAX・・・0円/日、0円/年
  • FTSE100・・・約3円/日、約1,095円/年
  • 日経225(12月18日以降も円金利)・・・0円/日、0円/年

実際の金利相当額は毎取引日終了後に確定するようです。

 

12月20日追記:実際の金利はいくらになったか

12月18日から実際に適用された金利は以下のとおり、NYダウ・FTSE100ともに事前に公表されていた金額よりかなり大きくなっているのでご注意ください。
NYダウ・・・169円/日、仮に1年間この金利の場合は6万1685円/年
FTSE100・・・19円/日、仮に1年間この金利の場合は6,935円/年

米国は来年も3回の利上げが見込まれていますから、NYダウの支払金利はまだまだ上がるということですよね…。

配当から金利相当額を差し引いてみます

2017年の年間配当額を見てみます

10月分までは実績額、11月以降は予定額を集計したものです。さらに、上記で計算した金利相当額年額を差し引いて計算します。

  • NYダウ・・・5万1617円(配当)-3万7230円(金利相当額)=1万4387円
  • DAX・・・配当、金利相当額とも0円
  • FTSE100・・・2万9643円(配当)-1,095円(金利相当額)=2万8548円
  • 日経225・・・3万4915円(配当)-0円(金利相当額)=3万4915円

証拠金1万円あたりの年間「配当額−金利相当額」は

さらに、証拠金1万円あたりの年間「配当額-金利相当額」を試算してみます。くりっく株365では、商品1枚あたりの証拠金が毎週変更されるので、今回は11月27日〜12月1日に適用される証拠金基準額で試算してみます(証券会社によって証拠金が変わる場合があります)。

  • NYダウ・・・1万4387円(配当額-金利相当額)÷3万7190円(証拠金)×1万=3,869円
  • DAX・・・0(配当額-金利相当額)÷2万3970円(証拠金)×1万=0円
  • FTSE100・・・2万8548円(配当額-金利相当額)÷1万690円(証拠金)×1万=2万6705円
  • 日経225・・・3万4915円(配当額-金利相当額)÷3万8470円(証拠金)×1万=9,076円

証拠金1万円あたりで見ると、もともとNYダウよりFTSE100のほうが資金効率が良かったのですが、今回の改定でその差は大きく開いてしまい、それどころか日経225と比較しても半分以下という試算結果になってしまいました

昨年のNYダウ上場以来、くりっく株365を取り扱う各証券会社は、NYダウの配当をアピールして投資を募ってきたところもありますので、今回の改定は、その流れに対して冷や水を浴びせることになりそうです。

ただ、上述のとおり、もともと配当がめあてであれば、NYダウよりFTSE100に分があることはわかっていましたし、それでもFTSE100はあまり人気がなかったのは、単純に「よく知らないから」ではないかと思います。

FTSE100の株価は、英国メイ首相の解散総選挙失敗による政治的混乱から、夏以降ずっと7,500前後でモタモタしていますが、逆に言えば、政治がこれだけ酷い状況でも大きく下落しない底堅さを見せているとも言えます。また、FTSE100は、すでに指数が3倍以上となったNYダウと比べれば指数が小さいので、パーセンテージあたりの下落額もNYダウよりはマイルドです。配当取り目的であれば、この機会にFTSE100を検討されてはいかがでしょうか。

今回の改定はデメリットだけ?

Twitterを見ると、今回の改定について「改悪」と嘆く声も多いようですが、投資家にとってはデメリットしかないのでしょうか?

そもそも今回の改定に至った原因は、

10月以降のNYダウの最高値更新を受け、買い建玉が大きく増加した結果、MMのカバー市場における建玉残高に日々コストが発生しています。そのため、MMは金利差によるコストを抑えるために、現物価格より相当高い売値提示と売数量を少なくせざるを得ない現象が発生しています。

ということのようです。

たしかに11月22日現在で見ると、NYダウ現物とCMEダウ先物は2万3590米ドル前後で推移している一方で、くりっく株365の売気配で2万3860前後と、300ポイント近い差が生じています。また、金利等のコストを吸収するためか、スプレッドも70〜100(1枚あたり7,000〜1万円相当)と大きく開いたままです。今回の改定でスプレッドが縮小し、以前のようにNYダウのデイトレードがしやすくなるのであれば、それはそれで投資家にもメリットがあると言えるのではないでしょうか。

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ABOUTこの記事をかいた人

FXと節約を組み合わせた記事を書いています。 元会社員、元会社経営者にして元浪費家。現在はフリーランスで生計を立てています。もっと早くお金の正体に気づいておけばよかったな〜などと後悔しながらも、あとの祭り的人生をそれなりに楽しんでいます。