FTSE100の週終値は7394(前週終値比-15)
英ポンド相場は大荒れもFTSE100の値動きは限定的
FTSE100の日足チャートです。
週末にようやくEU側で英国離脱案が承認されたということで、この週は英議会で同案が承認されるかどうかに関心が移り、マーケットの材料としても、英国の要人発言が目立ってきています。
週全体としては英ポンド売り、そしてFTSE100は英ポンド米ドルに逆相関ではなく、順相関に近い動きを見せるようになってきました。
それでもFTSE100の値動きとしては、瞬間的なものを除いては限定的で、終値としては前週比で-15と小幅な下落となっています。
それでも、ジリジリと下がってきましたね。
FTSE100と英ポンド米ドル・今週の振り返り
この週のFTSE100を、英ポンド米ドル相場も参照しながら、時間足で追ってみたいと思います。
26日(月)の英ポンドは、前週終値同水準の1.2820で寄り付いた後、東京時間はやや上昇して欧州時間に引き継ぎ、22時台には週の高値となる1.2862をつけます。
NY時間には東京時間同水準の1.28台前半まで押し戻され、1.2807で引けています。
FTSE100は、前週終値の7409からやや上に窓を開けて7459で寄り付いた後、この日は終日方向感のない値動きが続きます。
終値は7470。
この日に伝えられた英国関連ニュース
- 英EU離脱に関する英議会での投票実施は12月11日に、4日から合意内容を審議
- メイ首相が27日0:30(東京時間)にブレグジットに関する声明を発表予定
- メイ首相発言「離脱案が議会に否定されれば何が起こるが誰にも分からない」
27日(火)の英ポンド米ドルは、東京時間は前日終値水準のまま、1.28台前半での推移となります。
欧州時間序盤には、前日安値の1.2796を下回ったところでストップロスを巻き込み、17時台には1.2732まで急落します。
欧州時間後半、NY時間を通して戻りも鈍く、終値1.2774。
FTSE100は、7444で寄り付いた直後に一時7214まで急落しますが、すぐに買い戻されて7400台なかばでのレンジが続きます。
この急落場面では、新規買い指値で入れてある7200まであと一歩だったのですが、残念ながら今回は不発に終わってしまいました。
この日の終値は7445。
この日に伝えられた英国関連ニュース
- G20で英米首脳会談の予定はない(英首相報道官)
- 明日の昼には複数のEU離脱シナリオに基づく政府経済分析を公表する(英首相報道官)
- 英中銀、29日1:30(東京時間)にストレステスト結果とEU離脱シナリオの報告を予定
- リディントン英内閣府担当大臣「議会でブレグジット案が否決されて、EUが他の案を出してくれるとは甘い考え」
28日(水)の英ポンド米ドルは、東京時間でも前日の下落から戻りが鈍く、1.2740を上値とした値動きが続きます。
欧州時間では買い戻され、20時台には1.2805と一時1.28台を回復しますが、すぐに失速して1時台には1.2741まで下落します。
しかし、その後はパウエルFRB議長発言を発端とした米長期債利回り下落により米ドル売り・英ポンド買いが進行して英ポンド米ドルは、3時台に1.2847まで急伸した後、やや利益確定売りに押され1.2821で引けています。
FTSE100は、7446で寄り付いた後はやや下落して7400台前半で小動きが続きます。
しかし、2時台には英ポンドが急伸する中でFTSE100も同様に上昇し、2時台に7485、5時台には7499と週の高値を更新します。
この日の終値は7485。
この日に伝えられた英国関連ニュース
- ハモンド英財務相発言「メイ首相案は実行可能な最善策だ」
- コービン英労働党党首発言「政府のブレグジット分析は意味をなさない」
- 最悪のケースだと2034年までにGDPは10.7%減少する(英政府分析)
- BOE分析「無秩序な離脱ならGDPを8%押し下げ」「住宅価格を30%引き下げる」「英ポンドは25%下落する可能性」「無秩序な離脱でも英大手銀は持ちこたえる」「どちらのシナリオにもMPC(金融政策委員会)は用意」
29日(木)の英ポンド米ドルは、東京時間は前日の流れを引き継いで1.28台前半からなかばでの値動きとなります。
欧州時間もこの流れでじり高が続いていましたが、17時台にメイ首相の発言が伝えられると英ポンドが急落し、二日前と同様にストップロスを巻き込んで1.27台なかばまでの急落となります。
NY時間でも戻りは鈍く、終値は1.2786。
FTSE100は、7462で寄り付いた後はメイ首相発言で小幅に下落するも、英ポンドほどの影響はなく、すぐに7450水準でのレンジに戻ります。
しかし、23〜2時台には特段の材料がない中で7388まで下落し、やや戻る場面があったものの、結局は7372で引けています。
この日に伝えられた英国関連ニュース
- メイ首相発言「議会が政府を打ち負かしたら合意なき離脱に備えなければならない」
30日(金)の英ポンド米ドルは、東京時間は1.27台後半の値動きで動意薄、欧州時間に入り一時1.2807と1.28台を回復しますが、すぐに押し戻されてその後は欧州後半、NY時間を通して下落し、週の終値は1.2724となっています。
FTSE100は、7357で寄り付いた直後に、ややレンジを切り上げて7400前後の値動きとなりますが、材料難の動意薄に加えて、週末のG20、米中首脳会談を前に様子見相場となり、同水準のままこの週は7394で引けています。
この日に伝えられた英国関連ニュース
- ネーションワイド住宅価格(11月)前月比0.3%(予想0.1%)、前年比1.9%(予想1.7%)
- メイ首相は自身のブレグジット案に固執、プランBはない(一部報道)
- トゥスクEU大統領「もし英議会が提案を拒否したら、選択は合意なしかブレグジットなしになる」
週足チャート
週足チャートで確認すると、長い下ヒゲを引いた陰線となっており、一目均衡表では、終値が雲の下限(7391)でサポートされた形です。
来週以降も長期に渡って雲の下限は変化しないため、当面はこの水準を明確に下回るかどうかが重要になりそうです。
今週発表される英国経済指標
今週も英国関連の指標発表は少なく、それぞれの重要度も高くありませんが、4日(火)に予定されているカーニーBOE総裁発言は注目されます。
- 3日(月)…製造業PMI
- 4日(火)…BRC(英小売連合)小売売上高調査/カーニーBOE(英中銀)総裁発言/建設業購買担当者景気指数
- 5日(水)…非製造業PMI
年初来の配当と支払金利
FTSE100は支払金利がさらに上昇して34円/日
1/2〜11/30 | 受取配当 | 支払金利 | 差引利益(A)※括弧内は前回 | 必要証拠金(B) | A÷B ※括弧内は前回 |
---|---|---|---|---|---|
FTSE100 | 30,129円 | 7,562円 | 22,567円(22,645円) | 26,000円 | 86.80%(87.10%) |
NYダウ | 54,847円 | 55,740円 | ▲893(▲2,867円) | 83,000円 | ▲1.08%(▲3.45%) |
日経225 | 37,184円 | 0円 | 37,184円(37,184円) | 76,000円 | 48.93%(48.93%) |
DAX | 0円 | 1,202円 | ▲1,202円(▲1,202円) | 42,000円 | ▲2.86%(▲2.86%) |
年初から先週までの受取配当から支払金利を差し引いた実利益を計算しています。日経225・DAXは前週と変わらずです。
NYダウは配当が重なる週だったため、じりじりとマイナス幅を縮めてマイナス1%台となっています。
FTSE100は、また支払金利が34円/日と前週の33円からさらに上昇しており、配当が少ない週だったこともあって差引の運用利益率が低下しています。
次のヤマは12月11日の英議会
無事にEU首脳会議を通過したものの
臨時EU首脳会議を前に、スペインから降って湧いたように出されたジブラルタル問題ですが、さすがにスペイン側も無理筋と空気を読んだのか、事前に妥協の姿勢を見せ、首脳会議では大きな混乱もなく英国EU離脱案が承認されました。
言うまでもなく、次なるヤマは英国内の議会承認、ということになります。
野党だけではなく、与党保守党内にも「反対勢力」があることは周知の事実であり、今週4日(火)からの国会審議で、どの程度その勢力図に変化があるかが注目されます。
くりっく株365のスプレッド
FTSE100のスプレッドが縮小?
40〜50と広がっていたFTSE100のスプレッドですが、この週になり突然、一時10を下回るようなスプレッドが提供されるようになりました。
FTSE100だけではなく、NYダウや日経225のスプレッドも縮小傾向で、この流れが継続することを願いつつ、過去に何度か同じような状況でぬか喜びさせられているので、「半身」くらいの姿勢で見守りたいと思います。
スプレッドが狭ければ、FTSE100でループイフダンも
FTSE100のスプレッドがこのまま縮小すれば、くりっく株365でも新しくループイフダンが利用できるようになった、ひまわり証券 くりっく株365の「ループ株365」でFTSE100を選ぶ余地も出てきますね。
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