家賃の支払いは『絶対に』自動振替にすべきでない理由について。週明け為替市場は円売り優勢でやや円安です。

週明けは静かな滑り出しながら、やや円安

ストレート、クロスとも大きな窓も開かず、静かな滑り出しです。対ドルではユーロ、ポンドも上げており、円が小幅ながら全面安となっています。トレンドとしてはじわり円高が続くでしょうから、いくらでも戻しておいてもらったほうがボラティリティ確保の観点からもありがたいですよね。先週のクローズ前に急落した豪ドルも、今朝はしっかり戻しています。底値で拾えた方は、週明けからホクホクでしょうね。
今週は水曜深夜にアメリカ中古住宅販売件数とFOMC議事録公表が、金曜深夜に新築住宅販売件数発表があります。さすがに加熱感があるNYダウにも注目が必要です。それでも、先週の指標への反応を見ると、円高に抵抗するほどの材料としては、かなりインパクトがなければ難しそうです。さて、トランプ大統領就任1か月めとなる今週、どうなりますか。

FXとは無関係ですが、住宅の家賃は自動振替にしないほうが良い理由について(やや難解)

利便性のために払う犠牲が大きすぎる

賃貸住宅を契約すると、有無を言わさず家賃は自動振替での支払いを要求されるケースがほとんどですよね。でも、これは絶対にやめておいたほうが良い理由について書いておきます。理由は明確で、「利便性のために払う犠牲が大きすぎる」ということです。何の疑問も感じず、給与が振り込まれるメインの銀行口座で自動振替をする方も多いと思いますが、これははっきり言って最悪です
確かに、給与が振り込まれる口座から資金移動の必要がなく、期日になったら手数料もかからず自動で引き落としてくれるので振込手続の必要もなく、一見入居者にメリットがありそうなのですが、裏を返せば、「管理会社は、給与が振り込まれる口座から勝手に引き落とすことができる」ということになります。つまりこれは、「家賃等を支払わない」という選択肢を自ら放棄しているに等しい行為と言えるのです。
では、実際に家賃等の支払いをストップするケースってどんなとき?という内容について見ていきましょう。

物件に問題があっても改善されないとき

一般的な賃貸借契約では「貸主は借主が物件を使用するために必要な修繕をおこなわなければならない」となっていますが、不具合を再三訴えているにもかかわらず、貸主や管理会社の怠慢で、なかなか修繕が実行されないことがあります。例えばこの怠慢が数ヶ月にわたった場合でも、借主としては家賃を全額払い続けなければなければならないのでしょうか?
この点に明確な法律の規定はないのですが、部分的に「同時履行の抗弁権」(民法533条)が認められる、とするのが裁判例(東京地判平成12年7月18日他)が示すところです。つまり、家賃の支払いを部分的にストップしても、不払いを理由に家主からの契約解除はできない、ということです。払う意思はあったが抗議の姿勢を示したい、ということであれば、本来は「供託」という手続をとるのがベストなのですが、自分でやるには知識も手間も必要なので、とりあえずの抗議の意思表示として、私なら不具合の度合いによって半額から7割くらい振り込んでおくと思います。
この抗弁権がなければ、貸主が借主が使えるように物件を貸す義務とは別に、借主が家賃を全額支払う義務は契約書記載のまま借主に課せられることになってしまうのです。日常の買い物など現金でモノを購入する場合は、モノの引渡しと支払いが同時に行われるのであまり意識しませんが、契約上、引渡しと支払いに時間差が生じる場合には、この「抗弁権」がよく問題になりますから、覚えておくと役立つと思います。

家賃を一方的に値上げされそうなとき

商業用のテナントなどと違い、住宅の貸し借りについては、「借地借家法」という特別な法律が適用されます。借地借家法では、賃料の改定ができる場合を、下記のように規定しています。

  • 地代、賃料いずれの場合も租税等の増減により土地(及び建物)価格が変動した場合
  • 経済情勢が変動した場合
  • 周辺の類似物件の地代または賃料と比較して不相応となった場合
これは、契約期間中でも改定できることになっているので、2年契約でも2年間は安心、というわけではありません。しかし、貸主が値上げを通告してきても、借主がその額に納得がいかない場合には、借主は「相当と認める家賃」を支払えば良いことになっています。そして、どうしても家賃の額で折り合いがつかない場合は、裁判所(調停)で決着をつけることになります。
しかし本来、借地借家法というのは、日本が住宅不足のときに借主が貸主の一方的な都合で追い出されないために作られた法律なので、その性格は著しく借主に有利な内容になっています。ざっくり言ってしまえば、いったん入居させてしまったら、現実に借主が暮らしている場合まず追い出せない、というのが実態なので、たまに追い出しの手段として家賃の値上げが使われることもあり、裁判所もこの観点から、値上げには非常に厳しい判断をします。
いずれにしても、借主が争う姿勢を示すなら、少なくとも争っている間に支払う家賃は「借主が相当と認める額」でなければ争っていることになりませんが、銀行口座から値上げ後の金額が次々引き落とされるとマヌケなだけでなく、後で取り返せるとしても手間ですし、返さない・返せないなどとなるとさらに厄介なので、支払わないにこしたことはありません。

退去費用に関して折り合いがつかないとき

契約中は、なるべくお互いに争いがないようにするものですが、契約終了、つまり退去となると二度と会わない相手ですから、話は違ってきます。敷金返還が最も争いの多いところですが、貸主が敷金減額の根拠とするのが、物件の損傷や損耗の原状回復費用です。平成23年には国土交通省から「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」が出されるほどに、当局としてもこれを社会問題として認識しており、皆さんも知り合いや友人からこの手のトラブルについて聞かされた経験があると思います。
敷金は貸主に預けてしまっているので、物件の損耗・損傷について争いがある場合にこれを取り返すのは非常に大変です。大変なので、忙しい方や争いを好まない方は諦めてしまうケースが多いんです。それが余計に貸主や管理会社の理不尽な請求を増加させる結果にも繋がっているのですが、まあ心境はよくわかります。
しかし、敷金を返さないだけでは足りず、追加で原状回復費用を請求される場合もあり、さすがにこの一線を超えると争う方が多いように思います。それでも、自動振替が有効であれば、原則として請求された金額が引き落とされてしまいますから、これも後で取り返せることになったとしても手間や時間が惜しいです。

自動振替は停止できます

自動振替は、ほとんどの銀行は前営業日までに該当の銀行支店に通帳、届出印、身分証明書、自動振替の内容がわかる書類を持参して窓口に行けば止めてくれますが、窓口が開いている時間に行けない場合は手続きができませんし、転勤等で該当支店が遠い場合は、約1週間以上前に近隣支店の窓口で手続きをしなければならないので(みずほ銀行の場合)、会社勤めの方はかなり大変そうです。

なるほどそれはわかった。でも自振手続しないと、契約できないよね。

自振申込用紙の作成は慣れていなくて・・・

住宅の賃貸借契約では、たいてい仲介してもらった不動産屋との間でやりとりをして、契約書を作成しますよね。契約書には自動振替の申込用紙が添付されており、上のような理由でこの提出を拒んだら、おそらく危険な思想の持ち主と判断されて、契約を断られるでしょう。そこで私は、なぜか間違った銀行印を押すことが多いようです(故意に違う印鑑を押すと、詐欺や錯誤による契約取消(無効)の可能性も完全には排除できないので、あくまで過失です)。
銀行の自動引落手続には1〜2週間程度時間を要しますので、この間に賃貸借契約は無事締結され、入居まで済ませてしまえば借地借家法の強力な保護が受けられますので、安心です。どうしても入居までの期間が空いてしまう場合は、使っていない銀行口座で自動振替の手続きをするようにしましょう。そうすれば、家賃などを支払いたくないときは残高をゼロにしておけば大丈夫です。給与が振り込まれるメインの口座だと、そうはいきませんよね。

家賃はどうやって支払うか

では、家賃はどうやって支払うかというと、当然、振込みになります。振込手数料がもったいなければ、ソニー銀行でSony Bank WALLETを作ってもらえば月に2回までの振込みは無料ですから、問題解決です。

Sony Bank WALLETを半年間使ってみてわかったこと。外貨預金のVISAデビットカード利用がかなり便利です。

2016.08.22
振込先は、自動振替手続に時間を要することを見越して、賃貸借契約書に書かれている場合がほとんどです。そして、この賃貸借契約書は、たいてい国土交通省の標準契約書を元に作成されているので、少なくとも「家賃を自動振替で支払わなければ、貸主は契約を解除できる」というようには作られていません。仮に貸主がこの点を争って裁判所に訴えたとしても、常識的に考えて、振込みであれ家賃を払っている借主に対して、裁判所が債務不履行(支払っていない)であると判断する可能性は極めて低いと言えるでしょう。
ただ、現実にはそこまで身構えるものでもなく、私がこれまで契約したすべての賃貸借契約では、振込みでも管理会社は何も言ってきません。一般的な管理会社であれば、商用テナントなどは振込入金のほうが多いので、これらの入金処理の一環としてルーチン処理されていくだけです。

最低でもメイン口座はできるだけ秘密にする

最後に、債権回収の立場から、家賃の自動引落にかぎらず、給与が振り込まれるような大切な銀行口座を、軽々しく他人に知らせるものではない、ということを合わせてお伝えしておきます。裁判で金銭債権の請求をされる場合、判決が出るまでの間に財産が隠匿や散逸されるのを避けるために、原告(請求する側)によって「仮差押」という方法がよく使われるのですが、銀行口座というのはほぼ現金ですから、この格好の標的なのです。銀行口座の仮差押は、裁判所でも「銀行名」と「支店名」がわからないと特定できないので(民事執行規則133条2項)、債権回収のプロは、平常時から雑談や、部屋に置かれている銀行の景品(ペン、メモ、カレンダー)などから、なにげなく銀行と支店名を探っているものです。
それをはい!どうぞ!と言わんばかりにこちらから晒す行為が、いかに法的に無防備であるかということは、もはや言うまでもありませんね。以上の理由から、多少の不便は生じますが、私は関わった皆さんに、支払い用の銀行口座はいくつかに分散することをオススメしています。

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ABOUTこの記事をかいた人

そうたろう

FXと節約を組み合わせた記事を書いています。 元会社員、元会社経営者にして元浪費家。現在、事業の失敗で背負った借金をせっせと返済しながらひっそりとフリーランスで生計を立てています。もっと早くお金の正体に気づいておけばよかったな〜などと後悔しながらも、あとの祭り的人生をそれなりに楽しんでいます。