私がFXからセミリタイヤする理由
突然ですが、これまで私の資産運用で大きな割合を占めていたFXからセミリタイアすることにしました。この記事では、その決意に至った経緯について書かせていただきたいと思います。
レバレッジ規制の強化

10月19日に店頭FX取引会社を対象とした金融庁による説明会が開催され、その中で10倍規制に関する言及があったようです。否定しないということは、霞が関では肯定ということですから、来年の然るべき時期にレバレッジ規制の強化が実施されることは、ほぼ決定と見るべきでしょう。もちろん、今回の規制強化に対して私自身いろいろと思うところはありますが、国家権力に抗うほど無駄なことはありませんので、天災のようなものと思って受け容れるしかないかと思っています。
私のFX運用におけるレバレッジはアイネット証券(ループイフダン)が5〜7倍程度、SBI FXトレード(手動トラリピ+裁量トレード)が5〜15倍程度といったところです。SBI FXトレードのほうは、スキャルピングをすると瞬間的にかなりレバレッジが上がります。レバレッジ25倍から10倍への変更ということは、少なくともレバレッジを半分程度に抑える運用が必要になります。
一概に「レバレッジが半分=利益も半分」とは言えませんが、年初から約10ヶ月経過した現在、確定利益から含み損と20%の税を差し引いた利益をざっくり計算してみると、以下のとおりです。
・SBI FX…当初資金 74万円 利益…21万円 利益率…28.4%
2017年はまだ11月、12月の2ヶ月ありますが、このまま継続しても、税引き後の利益率は34%前後といったところでしょうか。仮に、実効レバレッジを下げることにより、これが半分になると17%前後。投資額をすべて失い、場合によっては追証のリスクまでを負うFXという投資としては、かなり物足りないリターンであると私には感じられてしまうのです。レバレッジ強化でFXの魅力は失われたとか、いやそうでもないとかいろいろな意見がありますが、私は、すくなくともCFDの中で積極的にFXを選ぶ理由はなくなったな、という印象を持っています。
かといって、FX以外のCFDにレバレッジ規制が波及しないかと言えば、これも不透明なところであり、
暗号通貨のレバレッジ規制についてですが
19日に行われたFX業者への説明会にて、レバ規制がFX以外へ波及するかと質問があり、金融庁は「ないというのは違和感がある」と言葉を濁したように聞いています。念頭にあったのはビットコインでしょうし、暗号通貨のレバ規制、充分に考えられますよね
— 高城泰 (@takagifx) 2017年10月21日
という話も出ているようですから、ある程度の時間差を経て、ビットコインを含めとにかく何もかも規制強化という動きに他のCFDも巻き込まれる可能性は十分にあるかと思います。
疲れる

私はもともと凝り性な性格なので、やりはじめると止まらないところがあり、政治や経済はもともと興味があるところで為替に関する情報を集めるのも本当に楽しいですし、裁量トレードの緊張感も決して嫌いではありません。しかし一方で、それなりの労力をともなうことも事実で、そのリターンが前述のようにわずか数十万円というのでは、自分の労働単価を考えた場合に、まったく割に合いません。
これを仕事や資産運用ではなく、趣味と割り切って継続するというのも考え方としてはアリかと思いますが、せっかく収入と仕事量をリバランスして自由な時間ができるようになってきたので、今までできなかった趣味にも時間を使いたいと思っており、残念ながら私にとって、FXはそこまで優先順位の高い趣味とはなりえません。
そして何より、FXは平日・祝日24時間動いているのがメリットですが、逆に言えば、ポジションを保有しているかぎり、為替が動いている時間は気が休まらず、本当に神経が疲れます。土日は休みといっても、マーケットは日本時間の土曜朝まで動いていますから、その後睡眠を取って、日曜日もなんとなく寝不足な感じが残っていて昼寝したり…となると、生活が一年中FXに支配されるようになってしまいます。この点は、以前から見直したいと思っていました。
今後の資産運用

今後の資産運用については、以下のような方針で考えています。
ループイフダン
FXは、200万円の資金でループイフダン豪ドル円B80を1万通貨だけ稼動させたいと思います。比較的安全運用だとは思いますが、それでもレバレッジが10倍になると豪ドル1万通貨の証拠金は9万円程度になるはずですから、豪ドル円が10円も下落すればロスカットぎりぎりという運用になるかと思います。その場合は追加資金を投入するということだけは決めておき、なるべく為替レートを見ない生活を心がけたいと思っています。
くりっく株365
現在、50倍以上のレバレッジが使えるくりっく株365は、とりあえず今回の規制強化の対象ではないので、引き続き運用を継続したいと思っています。現時点での運用成績も税引き後95万円(286%)と稼ぎ頭ですから、これくらいの利益が出れば、わざわざやる価値もあるというものです。
しかし、くりっく株365はほとんど裁量トレードで運用しており、結局は相関性がある為替レートなど各種指数もチェックする必要があるため、FXをセミリタイヤする意味が半減してしまいますので、くりっく株365は、基本的にイフダンによる連続リピート発注で運用しようと考えています。
商品は配当率の良いFTSE100かNYダウを考えていますが、現在、NYダウは相変わらずスプレッドが60を超えるなど不利なうえ、高値圏すぎてロングのリピート発注を開始するにはタイミングが悪そうですし、逆にFTSE100は7,500前後に地蔵のように張り付いたまま動きません。現時点で強いてどちらかを選ぶとすれば、放置しても比較的安心なFTSE100だと思います。とりあえずFTSE100は既存のポジションがあるので、株価が動き始めた時点で次の一手を考えたいと思います。
NISAでひふみ投信
FXやくりっく株である程度の利益を上げると、あらためて税負担が重いと感じます。そこで、年間120万円までの投資に対する利益は非課税のNISAで資産運用を検討するわけですが、個別銘柄に手を出すと、取引時間こそ短いものの、オーバーナイトになればそれこそFXとは別の意味で眠れない日々が続きそうですし、もし損失が出た場合、NISAはデメリットとして他の投資と損益通算できないので、リターンはほどほどでも放置できる投資信託が現在の私のニーズには合っていると思います。
ひふみ投信は、過去3年平均で年利21%程度は出しており、信託報酬約1%を差し引いても、上述したFXにおけるレバレッジ規制後の私の税引き後想定利益率(17%)を上回ります。ひふみ投信を運営するレオス・キャピタルワークスはまだ歴史が浅く、過去の実績がそのまま将来的にも続くと期待しすぎてはいけないと思いますが、現時点でアクティブファンドを選ぶなら、最良の選択肢の一つだとは思います。
IPO
過去にIPOに当選したことはなく、無意味な資金を拘束されるのが嫌で最近は遠ざかっていましたが、ひさびさに応募を再開してみたいと思います。今まではSBI証券一本でしたが、主幹事証券会社なども意識しながら、当選確率を高める工夫をしたいと考えています。
まとめ
ちょうど昨年の今頃から再開したFXと、新しく始めたくりっく株365ですが、1年間で税引き後でも150万円以上の利益が残せましたし、金融庁の規制強化がきっかけというのが不本意ではありますが、勝ち逃げするには良いタイミングだったと思っています。何より、久しぶりのFXは楽しかった!
今日、FXとお地蔵さん(FTSE100)以外のくりっく株365のポジションはすべて決済しましたので、またゼロから、新たなスタートです。とりあえず、今夜はひさびさにスクエア(保有ポジションなし)で睡眠を楽しみたいと思っています。
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