今週の豪ドル円相場
豪ドル円日足チャート
豪ドル円日足チャート(一目均衡表も表示)と、私の豪ドル円B80ループイフダン取引履歴(緑=新規、ピンク=決済)です。
豪ドル円B80の今週は、新規5lot×5、決済(利食い)はなし、という結果になりました(私は豪ドル円B80ループイフダンを1本5,000通貨で、若干稼働開始値幅をずらして合計3本=1万5000通貨運用しています)。
週前半は比較的堅調な推移、後半はリスクオフ
週明け27日(月)は、先週末引けの81.46円からやや高い81.59円で寄り付き、朝方は81円台後半まで上昇したのですが買いが続かず、東京時間、欧州時間と81円台前半まで下落します。
![豪ドル円時間足チャート01](https://i0.wp.com/otoko1.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
NAFTA合意の見通しが報じられるなど貿易戦争懸念が後退したとの思惑もあり、NY時間に入って全体的な米ドル売りの流れからの豪ドル買い戻しで、豪ドル円も再び81円台後半の朝方の水準まで値を上げ、その後は29日(水)昼頃までは81円台なかばから後半のもみ合いが継続します。
![豪ドル円時間足チャート02](https://i0.wp.com/otoko1.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ところが、特段の材料がない中、29日の14時台に81.15付近まで50銭程度下落します。
![豪ドル円時間足チャート03](https://i0.wp.com/otoko1.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
要因として考えられるのは、鈴木日銀審議委員が金融政策の副作用軽減に関して金利の引き上げに言及したため、やや円買いが誘発されたこと、また、トルコリラが対米ドルで一時6.31台まで下落したことが挙げられます。
![豪ドル円時間足チャート04](https://i0.wp.com/otoko1.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
その後の戻りは鈍く、NY時間に入りようやく買い戻されますが、週高値の81.78円を攻略できなかったことから徐々に上値が重くなります。
![豪ドル円時間足チャート05](https://i0.wp.com/otoko1.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
そして30日(木)、10:30発表の豪住宅建設許可が前月比▲5.2%(予想▲2.0%)、前年比▲5.6%(予想▲3.0%)と非常に弱い内容だったことから豪ドルが大きく売られ、豪ドル円は再び81円台前半まで下落します。
![豪ドル円時間足チャート06](https://i0.wp.com/otoko1.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
その後は米中貿易戦争の長期化を懸念したリスクオフムードや、事前の公表されていたとはいえ、ターンブル前首相が議員辞職・引退の意思を正式に表明したことなども嫌気され、週引けまでほぼ下落の一途をたどることになります。
![豪ドル円時間足チャート07](https://i0.wp.com/otoko1.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
31日(金)0時台には、新興国通貨売り・米ドル買いにより米ドル円以外は下落、豪ドル円も81円割れ。そのまま下落を続け、20時台には80円も割り込みます。
![豪ドル円時間足チャート08](https://i0.wp.com/otoko1.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
その後もNY時間を通して大きく戻ることもなく、79.62円と、8月15日の年初来安値(79.69円)をわずかに更新する流れとなりました。
米中貿易戦争懸念が再燃
今週後半の下落は、30日発表の豪住宅建設許可が弱かったことや、オーストラリアの政治不安、新興国通貨下落などはあったものの、特段の大きな材料がない中で2円以上下落しているというのが非常に豪ドルの空気を重たくしており、やはり豪ドルは、中国経済との関係の強さから、拭えない日中貿易戦争によるリスク回避の影響をもろに受けやすいという理解しかできないように思います。
テクニカル的に見ても、80.0円はかなり強いサポートが意識されていたところを下抜いていますので、来週以降は、この水準がレジスタンスになることが予想されます。
週末のニュースでリスクオンの材料が出て、週明けにあっさり窓が開いて80円台で寄り付く、というシナリオが最も楽観的ですが、下落基調で始まれば、さらに下値を拡大する可能性が高く、豪ドル円は今年最大級に警戒が必要な局面となっています。
ループイフダン豪ドル円B80の成績
横ばいからの下落基調で利食いなし
ループイフダン豪ドル円B80の今週(上)年初来(下)成績は、下記のとおりです。
ここまでの下落基調だと、さすがにB80でのの利食いは難しいですね。
ループイフダン | 数量 | 売買利益 | スワップ | 決済利益 |
---|---|---|---|---|
豪ドル円B80 8/27〜8/31 | 1.5万通貨 (5千通貨×3) | 0円 | 0円 | 0円 |
ループイフダン | 数量 | 売買利益 | スワップ | 決済利益 |
---|---|---|---|---|
豪ドル円B80 年初来 | 1.5万通貨 (5千通貨×3) | 255,461円 | 8,465円 | 263,926円 |
来週の動き
米雇用統計と豪政策金利発表
来週は、米国雇用統計の発表があります。
他にも米国関連で重要度の高い指標発表が続きますが、最近はとくに、米ドル買いでオセアニア通貨が大きく売られる傾向があり、豪ドル円もわりと素直に豪ドル米ドル主体で下落するので、年初来安値攻防などの場面では、とくに注意が必要です。
オーストラリア関連では、月曜日の小売売上高と政策金利発表は重要になってきます。
また、今週そこまで重要度が高いと思われていなかった豪住宅建設許可が、ダークホース的に豪ドルの大きな売り材料になったことから、マーケットがオーストラリアの住宅関連指標にやや敏感になっているという「連想ゲーム」で言えば、7日の住宅ローン許可件数にも、一応の注意を払う必要がありそうです。
- 3日(月)…豪AiG製造業指数/豪小売売上高
- 4日(火)…豪経常収支/豪中銀政策金利/米建設支出/米ISM製造業景気指数
- 5日(水)…米MBA住宅ローン申請指数/米貿易収支
- 6日(木)…豪貿易収支/米ADP雇用者数/米非農業部門労働生産性指数/米新規失業保険申請件数/米ISM非製造業景気指数/米製造業新規受注/米耐久財受注
- 7日(金)…豪住宅ローン許可件数/米週間石油在庫統計/米雇用統計
新興国通貨
今週はアルゼンチンペソが大きく売られたことを発端に新興国通貨全体が下落し、トルコリラ円も再び16円台の推移となっています。
トルコのエルドアン大統領は、名指しは避けたものの「トルコリラは作戦の標的にされた」などと発言し、引き続き米国との対決姿勢を崩していないほか、国内の賃料など一部の決済を外貨でおこなうことを禁止するなど、なかなか混乱の出口が見えない状況です。
週明け3日(月)16時にはトルコのCPI発表が予定されており、平時であれば為替全体に与える影響は取るに足らないものですが、今回は一応注目しておこうと思っています。
米中貿易戦争
直近のリスクオフムードは、30日にトランプ大統領が、来週にも中国からの輸入品約2千億米ドルに対する第3弾の制裁関税を課す意向を表明したと報じられたことに端を発しているのですが、トランプ大統領自身は、報道を「あながちまちがっていない」としながらも肯定はしていないので、水面下では中国側との駆け引きが続いているのではないかと予想しています。
「終身国家主席」習近平氏にとっては、再選を考慮しても任期が最長であと6年のトランプ大統領とあまり真正面から対峙する必要はなく、常に交渉の落とし所を探りつつも、あまりに大きな譲歩を伴うようなら、交渉が決裂するならするで、それも構わないと思っているのではないでしょうか。
また、11月の米中間選挙以降はトランプ大統領が一旦大人しくなることも目に見えていますが、上院で共和党が過半数を失うような結果になれば、「評判は悪いが経済効果はある」現政権の政策が議会を通りにくくなるため、米国経済が失速し、トランプ大統領がレームダック化する可能性があります。
となると、あまり考えたくはありませんが、中間選挙で民主党が勝利するというシナリオは、少なくともマーケットが望むものではないと思われます。
トランプ大統領が、貿易について何か発言するたびにリスクオフになるので、投資家は苦々しい思いで受け止めているところだと思いますが、このようなことを考えると、中間選挙までは、トランプ大統領の気が済むようにやらせるしかなく、株や為替の下落は、支払うべき税金のようなものと考えるべきなのかもしれません。
などと言いつつ、年初の89円から買い下がってきたループイフダンのポジションをじっと見つめるわけです・・・。
コメントを残す