FTSE100の週終値は7237(前週終値比+63)
速度は低下したものの上昇基調は継続
FTSE100の日足チャートです。
今週のFTSE100は、17日(木)までは横ばいでしたが、18日(金)の英ポンド安を受けて上昇となりました。
FTSE100と英ポンド米ドル・今週の振り返り
14日(月)に伝えられた英国関連ニュース
- フォックス英貿易相「メイ首相は週末からEU首脳と議論を行っている」
- 「EUはメイ首相への書簡で、アイルランド国境問題について、バックストップ回避を目指す確約を守る」「確約は法的効力を持つ」(ロイター)
- メイ首相が議会で週末のEU指導者との会談内容について発表する予定(英スカイ)
- メイ首相「議会が合意を拒否すれば、合意なき離脱もしくは離脱そのものが無くなるリスクに」
- メイ英首相は英議会内で異論が多いアイルランド国境のバックストップ案に関して、期限を設ける案を検討している(ブルームバーグ)
- 首相報道官「メイ首相が夕方に、保守党議員に対して支持するよう要請する」
週明けのマーケットは、翌日に迫った英EU離脱を前に様子見ムードが強くなります。
メイ首相や議会の周囲での動きについては非常に多くの情報が伝えられますが、マーケットの反応が限定的であったことからも、既に織り込み済という見方が支配的となります。
15日(火)に伝えられた英国関連ニュース
- EU離脱案、展望なき採決へ、英議会で与野党から反発(日経新聞)
- メイ英首相は本日行われるEU離脱協定採決が否決された場合、二回目の採決実施を計画している(英サン紙)
- 英下院採決は日本時間16日午前5時からに、4つの修正案審議後に
- 英下院がメイ首相のEU離脱合意案を432対202で否決
- 英下院で野党がメイ政権に対する不信任案を提出
- メイ首相はEU離脱を巡り超党派の協議を今週開始する
この日も英EU離脱一色で、英議会採決を前に、NY時間からは英ポンドが大きく下落を始めます。
しかし、実際に予想通りEU離脱合意案が大差で否決されると、材料出尽くし感に加えて、メイ首相が超党派での協議を開始という見通しが伝えられたり、あるいはEU離脱はやはり延期になるのでは、という期待感などが広がり、英ポンドは買われる展開になります。
反射的にFTSE100は売られて、日中安値付近7130での引けとなります。
16日(水)に伝えられた英国関連ニュース
- ハモンド英財務相は、メイ首相が否定していたEU離脱期限の延長を求める可能性を否定しなかった
- 日本時間午前4時から英議会でメイ内閣の不信任案採決がおこなわれる
- バルニエEU交渉担当官「英政府は次に何をなすべきなのか明示を」
- カーニーBOE総裁「ポンド相場の反発は合意なき離脱への思惑が弱まってきていること示す」「短期的な市場動向には重きを置かない」
- EUが英EU離脱の時期を7月まで延長することを協議する
- 英内閣不信任案325対306の僅差で否決
この日は、EU離脱合意案否決後出されたメイ内閣への不信任案が材料となりますが、僅差で否決されたことから、FTSE100、英ポンドとも横ばいとなります。
FTSE100の終値は7127。
17日(木)に伝えられた英国関連ニュース
- RICS住宅価格指数(12月)-19.0%(予想-13.0%)
- EU報道官「英国からはまだ50条(リスボン条約)の延長について要請されていない」
- 英首相報道官「コービン労働党党首とブレグジットについて協議する可能性は引き続き開かれている」
- コービン労働党党首「2回目の国民投票も一つの選択肢」
英国発のEU離脱関連の材料も小康状態となり、この日はEU側からの情報が報道されます。
NY時間からは英ポンドが買われますが、FTSE100はこの日もほぼ横ばいの終値7141。
18日(金)に伝えられた英国関連ニュース
- 5閣僚がメイ首相に対し、合意なき離脱阻止を目指す議員の動きが封じられた場合は辞任する用意があると警告(英テレグラフ紙)
- 小売売上高(12月)前月比-0.9%(予想-0.8%)、前年比3.4%(予想3.6%)
- 独政府報道官「メルケル独首相とメイ首相は昨日電話会談をおこなった」
この日は英ポンド売りが優勢となり、反射的にFTSE100は買われます。
終値としては1月10日以来の7200台を回復し、終値は7237。
今週発表される英国経済指標
英国は雇用統計週です。
また、あまり期待されてはいないものの、21日(日本時間22日未明)には、15日に議会否決されたメイ首相による英EU離脱案の代替案提示があります。
- 21日(月)…ライトムーブ住宅価格
- 22日(火)…雇用統計/ILO失業率/公共部門ネット負債/メイ首相EU離脱代替案提示期限
- 24日(木)…RICS住宅価格指数
- 25日(金)…小売売上高
配当と支払金利
2019年の配当利回り
2019/1/2〜1/18 | 受取配当 | 支払金利 | 差引利益(A) | 必要証拠金(B)※()内は前回 | A÷B |
---|---|---|---|---|---|
FTSE100 | 369円 | 499円 | ▲130円 | 26,000円(26,000円) | ▲0.5% |
NYダウ | 2,509円 | 2,714円 | ▲205円 | 76,850円(74,920円) | ▲0.27% |
日経225 | 0円 | 0円 | 0円 | 68,800円(68,200円) | 0% |
DAX | 0円 | 0円 | 0円 | 29,160円(28,830円) | 0% |
今のところ、くりっく株365のどの商品も実質配当はマイナスかゼロという寂しい状態になっていますが、英米は2月・8月が大型配当なので、来月には状況が大きく変わってきます。
日経225の3月配当も近づいてきましたが、今買うには、かなり躊躇しますね。
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英EU離脱合意案議会否決は織込み済
EU離脱案議会否決後も大きな混乱がなかったことが好感
週足3手連続の陽線となりました。
EU離脱案の議会否決が織込み済だったとはいえ、FTSE100に関してはほぼ動揺もない堅実な値動きは、ある意味で不気味ですらあります。
今週は21日にメイ首相による離脱合意の代替案提出が期限を迎え、来週29日には代替案の議会採決がおこなわれますが、あの絶望的な採決を強行したメイ首相に腹案があるとは到底思えず、英国政治そのものがさらに混乱するというリスクは残されています。
結局のところ、現実的な路線としては7月までの離脱期限延長と、それまでに2回目の国民投票を実施するかどうかの議論を尽くす、といったところではないでしょうか。
メイ首相は、自身がEU離脱を決めたわけでもないのに苦労ばかりで気の毒なことですが、ここはがんばっていただくしかありませんよね。
そして、この大混乱を招いた張本人であるキャメロン前首相は、今ごろ何をしているのでしょう・・・。
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