FTSE100の週終値は7174(前週終値比+47)
速度は低下したものの上昇基調は継続
FTSE100の日足チャートです。
週の前半は緩やかな上昇基調が継続、後半にかけてはやや下落という値動きになりました。
FTSE100と英ポンド米ドル・今週の振り返り
1月7日(月)に伝えられた英国関連ニュース
- メイ首相「英EU離脱案採決は必ずおこなう」(BBC)
- 安倍首相、9-11日に英蘭訪問を表明
- メイ首相側近らがEUと首相が取り決めた離脱合意案の議会承認について、EU側がさらなる譲歩を提供することを条件とするプランを立案しているようだ(英テレグラフ紙)
- 英EU離脱を控え8000億英ポンド近い資産がEUの新たな金融ハブに移されつつある(ロイター)
1月7日のFTSE100は、前週終値よりやや高く7155で寄り付きます。
次週には英EU離脱案の議会採決ということで、やはり日本時間の早朝からブレグジット関連のニュースが多く伝えられるようになり、英ポンドは多少反応しますが、FTSE100は基本的に反応薄で、終値は下げて7113。

FTSE100時間足(1月7日)

英ポンド米ドル(1月7日)
2019年1月8日(火)に伝えられた英国関連ニュース
- 英EU離脱合意案採決は15日(BBC)
- メイ首相、北アイルランド問題で追加的な提案を行うほか、EUと協議を続けるうえで議会の関与を拡大する考えを示す
- メイ首相「英EU離脱案が下院採決で承認されなかった場合、英国は未知の領域に入る」と警告
- 英国議会は9日にEU離脱案の審議を再開する予定
- ハリファックス住宅価格指数(11月)前月比 2.2%(予想0.2%)、前年比 1.3%(予想0.4%)
- 英政府、英国の「合意なきEU離脱」に向けて準備を加速(日本経済新聞)
- バラッカーアイルランド首相「アイルランドとの国境問題でバックストップに確約を与えることに前向き(アイリッシュタイムズ)
- バークレイ英離脱担当相「EU離脱の延期はない」
- マース独外相「英国のEU離脱が合意なき離脱となる可能性が残っている」
- 英政府、15日にEU離脱合意案の議会採決を提案
この日も東京時間の早朝から、多くの英EU関連離脱に関するニュースが入ってきます。
内容として目新しいものはないのですが、関係者の思惑が交錯していることを嫌気してか、英ポンドが売られる反応となります。
FTSE100にも、少なくとも上昇の材料はないように思えるのですが、英ポンド売りを手がかりにしたのか、場中を通してジリ高の展開となります。
終値は7182。

FTSE100時間足(1月8日)

英ポンド米ドル(1月8日)
1月9日(水)に伝えられた英国関連ニュース
- ロワゾー仏欧州問題担当相「仏英首脳は先週、リスボン条約50条に基づく英国のEU離脱手続の延期について協議しなかった」
- 英議会、EUから合意なしで離脱する場合、政府が議会から明確な承認を必要とすることを定めた動議を賛成多数で可決
- EU高官の話によると、EUは英国の離脱延期に応じる用意がある(ロイター)
この日も英EU離脱関連ニュース一色となりますが、内容はやはり、すでに聞いたようなものばかりです。
英ポンドが買われたためFTSE100は上値が重く、7214とやや高く寄り付いたものの、終値は7190。

FTSE100時間足(1月9日)

英ポンド米ドル(1月7日)
10日(木)に伝えられた英国関連ニュース
- リディントン内閣府担当相「EU離脱協定案が議会で否決された場合、英政府がEUと離脱案を交渉できると考えるのは妄想だ」
- 英首相報道官「議会がEU離脱協定案を否決した場合、政府が速やかに確実性を提供する方向で常に計画している」
- 英下院、EU離脱協議案否決なら3日以内に「プランB(代替案)」を議会に提案するよう求める修正動議を賛成多数で可決
- BRC小売売上高(既存店)前年比 -0.7%(予想-0.3%)
- コービン労働党党首、英EU離脱案否決の場合、総選挙の実施を求める意向(ロイター)
引き続き、EU離脱一色です。
この日は、英最大野党である労働党のコービン首相が、メイ首相によるEU離脱協定案が来週の議会で否決された場合に、解散総選挙を求める意向であると伝えられたことが英ポンド売りの材料となりました。
FTSE100はこれを受けて終値で7219まで上昇します。

FTSE100時間足(1月10日)

英ポンド米ドル(1月10日)
11日(金)に伝えられた英国関連ニュース
- コービン労働党党首、内閣不信任案に向け党内の協力を議員らに呼びかけ
- 英ジャガー4500人削減、中国の販売不振で
- 日立、英原発事業を中断
この日は19時台に、英EU離脱の期日が3月29日以降に延期される、と報じられたことから、英ポンド米ドルが1.2750付近から1.2820付近まで急伸する動きになりました。
その後は一旦利確が入ったものの、さらに上値追いが続き、1時台には1.2865まで上値を広げます。
これを受けてFTSE100は7223の寄り付きから下落し、終値は7174となりました。

FTSE100時間足(1月11日)

英ポンド米ドル(1月11日)
今週発表される英国経済指標
CPI・PPIは、利上げ動向に関連して注目されます。
- 16日(水)…消費者物価指数/小売物価指数/生産者物価指数
- 17日(木)…RICS住宅価格指数
- 18日(金)…小売売上高
配当と支払金利
2019年の配当利回り
2019/1/2〜1/11 | 受取配当 | 支払金利 | 差引利益(A) | 必要証拠金(B)※()内は前回 | A÷B |
---|---|---|---|---|---|
FTSE100 | 78円 | 284円 | ▲206円 | 26,000円(26,000円) | ▲0.79% |
NYダウ | 1,440円 | 1,576円 | ▲136円 | 74,920円(68,980円) | ▲18.15% |
日経225 | 0円 | 0円 | 0円 | 68,200円(64,170円) | 0% |
DAX | 0円 | 0円 | 0円 | 28,830円(26,200円) | 0% |
FTSE100は、一時的に実質利回りがマイナスに転落しており、2月中旬までこの状況が続く見通しです。
しかし、2月は大型配当月(6,237円)なので、2月13日(権利付最終日)の配当から急速に利回りが上昇します。
CHECK!FTSE100証拠金取引 2019年1月・2月 カレンダー(岡三オンライン証券)
FTSE100は英EU離脱報道で動揺も意外と底堅い
英EU離脱延期報道が好感されたか
FTSE100は週足2手連続陽線となり、さしあたり6000台下落の危機は遠ざかったように見えます。
英ポンド上昇の場面では株に下落の圧力がかかりますが、それでも基本的に底堅さを見せています。

FTSE100(くりっく株365)週足
15日とされる英下院での採決次第ではありますが、現状で可決される可能性はほぼ絶望的という状況の中で、EU離脱期日の延期という最も現実的な案が有力とされたことで、マーケットには一旦の安心感が広がったようです。
現状で考えうる最悪のシナリオは、下院でEU離脱案が否決され、政府が合意なきEU離脱に舵を切るというものですが、9日の議会で、無秩序離脱には議会の承認を要するとされたため、暴走はできないはずです。
まあ、欧州の歴史は揉め事の歴史であり、彼らは慣れていますから、何とか落とし所を見つけてやっていくのでしょうね。
コメントを残す