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FTSE100の週終値は7433(前週終値比▲31)
4月水準まで安値を切り下げるも終値は前週同水準まで戻す
FTSE100の日足チャートです。
この週は、高値7563・安値7313となかなかボラタイルな値動きとなりましたが、終値としてはやや戻して7433となりました。
FTSE100と英ポンド米ドル・今週の振り返り
この週のFTSE100を、英ポンド米ドル相場も参照しながら、時間足で追ってみたいと思います。
29日(月)の英ポンドは、前週終値同水準の1.2821で寄り付きます。
週明けから格付け会社フィッチによる「もはや英国のEU離脱が円滑に進むとは想定していない」「合意なき離脱となれば格下げの恐れがある」との見解が伝えられ、不穏な幕開けとなります。
東京時間の英ポンド米ドルは、寄り水準のままほぼ横ばいでしたが、欧州時間に入り下落開始、ロンドンフィクス時には1.2800割れとなります。
FTSE100は、7515で寄り付き、欧州時間の英ポンド下落を受けて21時台には7563まで上昇、その後はこちらも下落に転じ、4時台には7385までの大幅下落となります。
引け直前でやや戻しましたが、FTSE100この日の終値は7434、英ポンド米ドルは1.2792となりました。
この日に伝えられたその他の英国関連ニュース
- 英9月消費者信用残高+8億英ポンド(予想+12億英ポンド)
- 英9月住宅証券融資残高+39億英ポンド(予想+29億英ポンド)
- 英9月住宅ローン承認件数6万5269件(予想6万4700件)


30日(火)の東京時間の英ポンドは、1.27台後半での推移から、一時1.28台を回復しますが、すぐに1.27台に押し戻されて欧州時間を迎えます。
FTSE100は、7364と前日終値から大きく下落して寄り付き、その後も売りが止まりません。
英ポンドはNY時間に再度下落を開始し、一時1.2700割れとなりますが、その後は1.2700-1.2710の小幅なレンジのまま1.2705で引けます。
FTSE100は、英ポンド下落もこの日は支援材料とならず、22時台には週の安値となる7313をつけ、一旦の底打ち感もありましたが戻りは鈍く、引けで7361まで戻すのがやっとという状況でした。
この日に伝えられたその他の英国関連ニュース
- 英ハモンド財務相「EU離脱交渉で合意できれば、緊縮策を終わらせる」
- 英ハモンド財務相「2020年4月から『デジタルサービス税』を導入する(G7で初)」
- 10月CBI流通取引調査+5(予想+20)
- EU離脱交渉で期限までに合意に至らなかった場合、英政府は新炭素税を導入(日経新聞報道)


31日(水)の東京時間はの英ポンドは、前日つけた1.2700付近安値のまま、底練りのような状況が続きます。
欧州時間に入り、英ポンドはやや買い戻され、序盤に1.2750付近、ロンドンフィクス時には一時1.28台を回復します。
FTSE100は、7438と大きく上に窓を開けて寄り付きますが、その後はNY時間後半まで横ばいで推移します。
FTSE100は引け直前に売られて終値7431、英ポンド米ドルは1.2764。
この日に伝えられたその他の英国関連ニュース
- 英10月GfK消費者信頼感-10(予想-10)


11月1日(木)は、東京時間開始直後に、メイ首相がEU離脱交渉で金融サービスを巡りEU側と合意したと伝えられたことで、前日からのユーロ売り英ポンド買いがストップロスを巻き込んで下落し、英ポンド米ドルでも1.2840まで急伸します。
19時台には「英当局、英タイムズ紙の銀行関するレポートは根拠のないもの」との報道から1.2848まで売られますが、押し目買い優勢ですぐに上昇基調に戻ります。
21時のBOE政策金利は予想どおり0.75%の据置きで、内容も賛成9反対0だったため、安心感からの英ポンド買いがさらに進みました。
カーニーBOE(英中銀)総裁の会見では、相変わらず不必要に危機感を煽るような発言や、BOEは結局のところ合意なき離脱に対応できるのかできないのかよくわからない発言もありましたが、カーニー総裁のこの手の発言にはマーケットも慣れたもので、材料視することはなかったようです。
結果として英ポンドは欧州時間、NY時間と上昇地合いが継続し、3時台には1.3034まで上昇します。
FTSE100は7422で寄り付いて上昇し、20時台には7500の日中高値をつけます。
その後は、利益確定売りで下落となり、終値は寄り水準付近の7441となりました。
英ポンド米ドルの終値は1.2999。
この日に伝えられたその他の英国関連ニュース
- 英ラーブEU離脱担当相、EU離脱特別委員会宛書簡で11月21日までにEUとの合意が成立するとの見通しを示す
- 金融サービスを巡るEUとの合意により、英国の金融サービス企業は離脱後も欧州市場に引き続きアクセスが可能(英タイムズ紙)
- ネーションワイド住宅価格指数前月比0.0%(予想0.2)、前年比1.6%(予想1.9%)
- 英製造業PMI9月53.6(予想53.0)、10月51.1(27ヶ月ぶりの低水準)
- BOE(英中銀)金融政策決定・政策金利0.75%(予想0.75%)、資産買入額4350億英ポンド(予想4350億英ポンド)、金利据置き投票賛成9反対0(予想賛成9反対0)
- カーニーBOE(英中銀)総裁会見「世界経済の成長は貿易活動の鈍化で減速」「EU離脱後の景気について一層懸念している」「企業の投資活動はブレグジットにより遅れ気味」「過剰な需要で国内経済が圧迫されている」「英中銀はブレグジットの影響で問題が生じないよう準備」「ブレグジットには利上げ、利下げ両面の対応ができる」「インフレ見通しはポンド相場や通商問題に依存する」「供給のショックについて金融政策が対応できることは限られている」「合意なき移行期間なきブレグジットの可能性は低い」
- 英中銀議事録「生産ギャップは解消、景気は2019年終盤から加熱へ」「世界経済はより一層不均衡かつ下方リスクは上昇」「ブレグジットが引き続き金融政策にとって主要な課題」


2日(金)の東京時間も英ポンド米ドルは、利益確定売りでやや下落したものの、12時台の1.2985付近が底となり、比較的堅調なまま欧州時間に入ります。
18時台には週の高値となる1.3039をつけますが、米雇用統計が強い内容だったことから全般に米ドル買いが進み、英ポンドは売られ2時台には1.2950まで下落します。
FTSE100は、7496で寄り付き、米雇用統計までは横ばいとなりますが、その後は売られて、1時台には7403まで下落します。
引けにかけては買い戻されて終値7433、英ポンドは1.2962で引けています。
この日に伝えられたその他の英国関連ニュース
- 英建設業PMI53.2(予想52.0)


週足チャート
週足チャートで見ると、2週連続で上下にヒゲの長い陰線となっています。
安値は7347とさらに切り下げられ、終値ベースで4月2日週以来の水準まで下落してきました。
一目均衡表では、遅行スパンがローソクを完全に下抜いており、さらなる下落を示唆する材料に見えます。
来週、雲がねじれているので、相場の転換で上昇基調に転じる可能性もありますが、EU離脱交渉がここまでグズグズだと、それもなかなか難しいように思えます。
今週発表される英国経済指標
これらの指標のほか、5日にはバルニエEU首席交渉官がブレグジットに関して講演をおこなう予定となっており、内容に注目が集まります。
- 5日(月)…非製造業PMI
- 6日(火)…小売連合(BRC)小売売上高調査
- 7日(水)…HBOS住宅価格
- 8日(木)…RICS住宅価格指数
- 9日(金)…貿易収支/鉱工業生産指数/製造業生産高/実質GDP(改定値)
年初来の配当と支払金利
FTSE100は支払金利低下が継続
1/2〜11/2 | 受取配当 | 支払金利 | 差引利益(A)※括弧内は前回 | 必要証拠金(B) | A÷B ※括弧内は前回 |
---|---|---|---|---|---|
FTSE100 | 26,861円 | 6,710円 | 20,151円(20,121円) | 26,000円 | 77.50%(77.39%) |
NYダウ | 44,260円 | 50,590円 | ▲6,330円(▲5,182円) | 83,000円 | ▲7.63%(▲6.24%) |
日経225 | 37,184円 | 0円 | 37,184円(37,184円) | 76,000円 | 48.9%(48.9%) |
DAX | 0円 | 1,202円 | ▲1,202円(▲1,202円) | 42,000円 | ▲2.86%(▲2.86%) |
年初から先週までの受取配当から支払金利を差し引いた実利益を計算しています。日経225・DAXは前週と変わらずです。
NYダウは、この週も配当がなかったので、差引利益がさらに減少しています。
FTSE100は、この週の支払金利が16.6円/日と、前週の20円台からさらに下落しています。
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英ポンド安とFTSE100の関係をどう見るか
英ポンド米ドルは、4月の1.4376が天井となり、1.2962すでに10%近く下落しています。
米ドル円で考えれば、今年の高値114.54円から103円付近まで下落しているようなイメージなので、いくら高ボラティリティな英ポンドとはいえ、これはかなりのインパクトです。
これに対して、FTSE100は5月下旬までは上昇で逆相関の反応を見せていましたが、その後は8月末までの長い横ばい、9月に入ってからは緩やかな下落基調となっています。
本来FTSE100は、もっと急な下落をすべきところ、それでも英ポンド安に支えられてこの程度で済んでいると仮定すると、英ポンドが底打ちした後にFTSE100の本格的な下落が始まるというシナリオも成り立ちそうです。
私は、EU離脱関連の材料などには、まず英ポンドが反応し、それにFTSE100が逆相関で反応し、FTSE100が為替を織り込んだ後に、材料を前提とした独自の値動きに入る、というフェーズを踏んでいるという見方をしています。
ところどころで英ポンド米ドルとFTSE100との相関性が切れているように見える場面もありますが、強い関係性は維持されているので、油断せずに為替の値動きも追わなければなりませんし、瞬間的に英ポンドが噴き上がってFTSE100が下落するような場面は押し目買いのチャンスなので、値動きを見た指値の入れ直しも、常にしておく必要があると思います。
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