FTSE100の週引け7619
一時再び7月2日以来の安値
FTSE100の日足チャートです。
これまで同様、週引けベースではやや下落しながらも横ばいと言える推移なのですが、週中で7月の安値を更新することが多くなり、徐々に下値を切り下げてきています。
この週の最安値は31日(金)の7589と、7月2日安値の7584に肉薄してきました。
次の下落目安になるのは、6月25日の7546あたりでしょうが、チャート形状としても、ここは5月22日の高値以降は最も安値となっているので、サポートとして強く意識されると思います。
週足チャート
週足は、大きな動きではないものの、ここまで長く続いた横ばいから見ると大きめの陰線となっています。
この週の115ポイントの下げ幅は、3月19日週(299ポイント下落)以降で最大の下げ幅となっており、価格の小さなFTSE100にとっては、そこそこのインパクトがある状況と見ています。
今週発表される英国経済指標
今週も英国関連の指標は数が少なく、それぞれ重要性も高くありません。
それよりも、今週は米国雇用統計のほか米国関連での重要指標が目白押しなので、そちらを睨んだ為替と株の動きになりそうです。
- 3日(月)…製造業PMI
- 5日(水)…非製造業PMI
- 7日(金)…HBOS住宅価格
英ポンドは週足で上昇継続
EU離脱交渉進展への期待で英ポンド上昇場面
英ポンド米ドルは週明けの寄り付きから上昇しましたが、28日(火)には調整が入りやや下落。
29日(水)は、東京から欧州時間までは横ばい推移が続いていたのですが、EU離脱交渉の進展に期待が高まり、さらにEUのバルニエ主席交渉官と英国のラーブ離脱担当相のコメントが伝わったことで、一気に英ポンド買いの流れとなりました。
バルニエEU主席交渉官:
EUは前例のない協力関係を英国に提案する用意がある。
英国に対してこの先のEUとの関係についての11月声明を求めている。ラーブ英離脱担当相:
金融サービスに関しては同等の条件を構築したい。
もし、EUがロンドンのシティに仕打ちをするならば、東京やニューヨークが勝ってしまう。金融サービスでは良識のある合意を予想。
この先のEUとの関係については、明確で具体的な計画を望む。
コメントの内容を見ると、そこまで安心感が得られるような内容ではないように思うのですが、マーケットに「合意なき離脱」への懸念が高まっている中では、少なくとも攻撃的な内容でなかったことが好感されたということなのでしょう。
しかし、その後は英ポンド買いが続かず、一旦の利益確定売りに加えて、再び高まった米中貿易戦争への懸念によるリスクオフムードによって下落。
29日(水)の約150ポイント上昇分を半分ほど削る下落となりましたが、週の推移としては、約100ポイント上昇の週足2手連続陽線となっています。
年初来の配当と支払金利
FTSE100は年末まで配当が継続
1/2〜8/31 | 受取配当 | 支払金利 | 差引利益(A)※括弧内は前回 | 必要証拠金(B) | A÷B ※括弧内は前回 |
---|---|---|---|---|---|
FTSE100 | 23,876円 | 5,241円 | 18,635(18,824円) | 26,000円 | 71.67%(72.4%) |
NYダウ | 40,030円 | 38,558円 | 1,472円(411円) | 83,000円 | 1.77%(0.50%) |
日経225 | 20,684円 | 0円 | 21,684円(20,310円) | 76,000円 | 28.53%(26.72%) |
DAX | 0円 | 1,202円 | ▲1,202円(▲1,202円) | 42,000円 | ▲2.86%(▲2.86%) |
年初から先週までの受取配当から支払金利を差し引いた実利益を計算しています。DAXは前週の数値と同じです。
日経225は、28日(火)に1,374円の配当があり、やや利益率がアップしています。
NYダウは2,319円の配当があり、支払金利を引いた年初来の差引利益でも、ようやく1,000円を超えてきました。
FTSE100は、29日に(水)に58円の配当があっただけなので、247円の支払利息でマイナスとなってしまいましたが、8月はほぼ事前予想どおりの6,296円の配当があり、年初来の利益を大きく伸ばす月となりました。
くりっく株365における「黄金の180日ルール」
10月末に買って翌年4月末に売ると利益が出るという季節性のアノマリー「黄金の180日ルール」はあまりに有名ですが、くりっく株365における2000年以降の勝敗を検証してみました。
FTSE100 | 日経225 | NYダウ | DAX | |
---|---|---|---|---|
2000/2001 | 6,348/5,967 | 14,391/13,934 | 10,971/10,734 | 7,077/6,265 |
2001/2002 | 5,040/5,166 | 10,366/11,493 | 9,075/9,946 | 4,559/5,041 |
2002/2003 | 4,040/3,926 | 8,640/7,831 | 8,397/8,480 | 3,153/2,942 |
2003/2004 | 4,288/4,490 | 10,560/11,762 | 9,801/10,225 | 3,656/3,985 |
2004/2005 | 4,624/4,802 | 10,771/11,009 | 10,027/10,192 | 3,960/4,185 |
2005/2006 | 5,317/6,023 | 13,607/16,906 | 10,440/11,367 | 4,929/6,010 |
2006/2007 | 6,129/6,449 | 16,399/17,400 | 12,080/13,062 | 6,269/7,409 |
2007/2008 | 6,722/6,087 | 16,738/13,850 | 13,930/12,820 | 8,019/6,949 |
2008/2009 | 4,377/4,244 | 8,577/8,828 | 9,325/8,168 | 4,988/4,769 |
2009/2010 | 5,045/5,553 | 10,035/11,057 | 9,712/11,008 | 5,415/6,136 |
2010/2011 | 5,675/6,081 | 9,202/9,938 | 11,118/12,810 | 6,601/7,512 |
2011/2012 | 5,505/5,743 | 8,836/9,441 | 11,955/13,213 | 6,093/6,773 |
2012/2013 | 5,789/6,430 | 8,916/13,875 | 13,096/14,839 | 7,271/7,926 |
2013/2014 | 6,731/6,785 | 14,397/14,298 | 15,545/16,580 | 9,017/9,613 |
2014/2015 | 6,555/6,929 | 16,996/19,377 | 17,390/17,840 | 9,335/11,403 |
2015/2016 | 6,339/6,243 | 18,848/15,843 | 17,663/17,773 | 10,812/10,064 |
2016/2017 | 6,927/7,193 | 17,383/19,205 | 18,132/20,956 | 10,660/12,404 |
2017/2018 | 7,500/7,514 | 22,203/22,553 | 23,954/24,217 | 13,216/12,563 |
勝敗 | 13勝5敗 | 13勝5敗 | 15勝3敗 | 12勝6敗 |
結果としてはNYダウが15勝3敗(勝率83.3%)でトップ、次いで日経225とFTSE100が13勝5敗(勝率72.2%)、最下位はDAXの12勝6敗(勝率66.7%)となっています。
今年の2月の世界的な株の急落では各商品とも大きく下落しましたが、あらためて黄金の180日で見ると、DAX以外は上がっているのですね。
いずれにしても、アノマリーの中では、まずまず信憑性がある内容ではないかと思います。
9月・10月は株が下がりやすいので、下落したところでポジションを建てるか迷う場面もありそうですが、こういった勝率の高い投資手法にあらかじめ決めておくということも、一考の余地がありそうです。
とくにFTSE100はこの後、EU離脱関連で株価が乱高下するでしょうから、短期的な値動きに心を乱されることなく投資ができるという「見えない価値」もあるので、私も今年は「黄金の180日」への参戦を検討してみたいと思っています。
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