FTSE100は週引け7705
週なかばに上値をトライするも反落
FTSE100の日足チャートです。
8日(水)には一時7825まで上昇したのですが、やはり上値が重くなり膠着状態になったところで、9日(木)は権利落ち、10日(金)のトルコリラを発信源としたリスクオフに押され反落、結局は前週終値7723からさらに下げ、7705での週引けとなりました。
ほどよい英ポンド安は好感
8日上昇の要因は、英ポンド安により輸出株への好感されたようです。
かといって、英ポンドが下がれば下がるほど良いかというと、週末に向けてさらに下落した英ポンド米ドル相場を見ると、そういうことでもなく、9日以降は権利落ちと重なったのもあり、リスクオフはリスクオフで嫌気されるため、FTSE100は上昇する決定的な材料に欠く、といったところでしょう。
EU離脱交渉にふたたび暗雲?
英議会が引き続き休会のため、ブレグジット関連の新たなニュースは出ていないのですが、関連筋情報として、EU離脱合意の期限が11月末にずれこむとの見方が出ている、ということで気になっています。
来年3月の離脱期限に向けてスケジュールがタイトになると、どうしても英国側が荒っぽい方法をとりマーケットに混乱をもたらすという懸念が広がります。
この間の英国関連のスケジュールをざっくりとまとめると、
- 9月4日・・・議会再開
- 9月20日・・・EU首脳会議
- 9月23日〜26日・・・労働党大会
- 9月30日〜10月3日・・・保守党大会
- 10月18日・・・欧州理事会
と、9月以降はもともとイベントが目白押しなところを、現状で10月までの合意をめざすというのは、たしかにやや無理があるかもしれません。
保守党が過半数の議席を持たない下院で、北アイルランド民主統一党の協力が得られなければ、いくらメイ首相がEUと合意したところで議会を通りませんから、ここで揉めると、また株価にとっても大きな悪材料となりそうです。
週足チャート
週足は、小幅な下落ながら、5週ぶりの陰線となっています。
一目均衡表の雲のねじれは、議会明けのブレグジット関連材料によるものか、などと書きましたが、ここに来てトルコリラ暴落に端を発した欧州銀行懸念、英ポンドの一段安など次々と材料が出ているため、注意が必要な局面ではあります。
今週発表される英国経済指標
数は少ないものの、比較的重要な指標が発表されます。
とはいえ、MPCをこなし、為替も株も指標には反応薄と思われますので、むしろ米国関連の指標で米ドル買い・欧州通貨売りがさらに進むか、という点に注意を払うほうが良いかもしれません。
- 14日(火)…雇用統計/ILO失業率
- 15日(水)…消費者物価指数/小売物価指数/生産者物価指数
- 16日(木)…小売売上高
英ポンドは大幅下落
底はいまだ見えず
英ポンド米ドルは一時1.2722と年初来安値を更新、昨年6月の水準まで下落してきました。
日足・週足どちらのチャートを見ても、まだまだ下落の途中、といった様子です。
ここまで勢いがつくと、昨年3月水準の1.21、昨年1月水準の1.20あたりまで一気に下落してもおかしくありません。
さすがにそこから下はサポートされそうですが、4月の高値からはすでに11%以上下落していますから、溜まったロングがストップロスを巻き込んで急落、という展開も一応念頭に置いておく必要がありそうです。
年初来の配当と支払金利
NYダウ・FTSE100は大型配当
1/2〜8/10 | 受取配当 | 支払金利 | 差引利益(A)※括弧内は前回 | 必要証拠金(B) | A÷B ※括弧内は前回 |
---|---|---|---|---|---|
FTSE100 | 21,673円 | 4,615円 | 17,058円(13,422円) | 26,000円 | 65.61%(51.62%) |
NYダウ | 34,220円 | 34,961円 | ▲741円(3,182円) | 83,000円 | ▲0.89%(▲3.83%) |
日経225 | 20,310円 | 0円 | 20,310円(20,310円) | 76,000円 | 26.72%(26.72%) |
DAX | 0円 | 1,202円 | ▲1,202円(▲1,202円) | 42,000円 | ▲2.86%(▲2.86%) |
年初から先週までの受取配当から支払金利を差し引いた実利益を計算しています。日経225とDAXは前週から数字に変化がありません。
NYダウは、8日に2,577円、9日に1,051円と比較的大きな配当があったため、一気にトータルのマイナスを縮めてきました。
FTSE100もようやく迎えた大型配当月で、8日に3,818円の配当があり、支払い金利を差し引いても1万7058円まで利益が上がっています(今月はあと2,700円程度の配当がある予定)。
「トルコリスク」
トルコ発の欧州リスク懸念
先週週末に向けて起こったトルコリラ暴落は、新興国のみならず欧州にも広がりを見せ、「トルコリスク」としてマーケットに暗い影を落としています。
ECBが指摘したとされるように、トルコリラのヘッジ不足によりスペインBBVA・フランスBNPバリパ・イタリアウニクレジットが多大な損失を被っているとすれば、ユーロ経済圏にも大きなインパクトがあります。
日本もすっかりお休みムードですが、今週は週明けから非常に重要な局面になると思われますので、とくにトルコリスク関連のニュースは気を抜かず収集していきたいと思います。
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