FTSE100は週引け7730
FTSE100の日足チャートです。7月31日(火)には一時7831まで上昇したのですが、その後は押し戻されて7730での引けと、ほぼ前週と同水準での引けとなりました。
先週もこちらに書いたとおり、英国は25日(水)から議会が6週間の休会ということで、EU離脱交渉に関しては進展も後退もないことから、この週は8月2日(木)のMPC(英金融政策委員会)のほか、FOMCと米雇用統計にマーケットの関心が集中していました。
結果としては、いずれの指標もほぼ事前予想どおりで、これを受けた為替も小動きとなり、株への影響も限定的でした。
MPC後のカーニー総裁会見においても、今回は特におかしな事は言わず、ブレグジットと保護主義に関して、若干の懸念を表明した程度に留まりました。
3日(金)にはカーニー総裁のブルームバーグのインタビューで「ここ数年に数回の追加利上げが必要になる」との見解が伝わっていたところ、夕方になって、カーニー総裁が「ブレグジットのシナリオ次第では利下げが必要となる可能性も」と発言したことで、英ポンドが激しく売り込まれる展開になります。さすがファンタジスタ、カーニー総裁といった感じです。さらに「年に一度の利上げは悪い経験則ではない」という発言に至っては、もはや何が目的なのかよくわかりません。
しばらく英ポンド米ドルレートと英国株価は逆相関が見られたため、FTSE100も上昇が期待できる場面でしたが、今回も7720付近から7760付近に値を上げる反応はあったものの、その直後の米雇用統計発表で7700付近まで押し戻され、結局は今週も小幅なレンジの値動きに終始しました。
週足は小幅上昇ながら、5週連続の陽線となっています。
動意薄の横ばい相場のためチャートから読み取れる情報は限定的なのですが、やはり来週以降で一目均衡表の雲がねじれているのは気になるところです。
この週のように材料盛りだくさんの期間でも頑として動かないFTSE100は、ブレグジット関連の大きな材料ぐらいでしか動かないのかもしれませんが、英議会の休み明け時期が、ちょうど一目均衡表の雲のねじれのあたりに来るというのが、少々不気味な感じはしています。
指標に関しては、今週は一転して少なくなり、注目度としても実質GDPがまあまあ、という感じですが、前月は為替・株ともにほぼ無反応だったので、今回も事前予想と大きな乖離さえなければ、それほどマーケットの反応は大きくないと思われます。
- 7日(火)…HBOS住宅価格
- 10日(金)…貿易収支/鉱工業生産指数/製造業生産高/実質GDP
英ポンドは下落
英ポンドは、週寄り1.3104、引け1.2996と4週連続で下落、週引けベースで1.1300を割り込んだのは、昨年8月末以来となり、重要な局面となってきました。
先週は週末に向けてカーニー総裁発言に加え、非製造業PMIが事前予想を大きく下回った(予想:54.7、結果:53.5)ことで売り込まれた英ポンドですが戻りが鈍く、積極的な買い戻しや、押し目買いも見られません。
チャートからは底打ちの兆候が見られませんし、もう一段の下げが警戒されます。
年初来の配当と支払金利
1/2〜8/3 | 受取配当 | 支払金利 | 差引利益(A)※括弧内は前回 | 必要証拠金(B) | A÷B ※括弧内は前回 |
---|---|---|---|---|---|
FTSE100 | 17,855円 | 4,433円 | 13,422円(13,343円) | 26,000円 | 51.62%(51.32%) |
NYダウ | 30,592円 | 33,774円 | ▲3,182円(2,471円) | 83,000円 | ▲3.83%(▲2.98%) |
日経225 | 20,310円 | 0円 | 20,310円(20,310円) | 76,000円 | 26.72%(26.72%) |
DAX | 0円 | 1,202円 | ▲1,202円(▲1,202円) | 42,000円 | ▲2.86%(▲2.86%) |
年初から先週までの受取配当から支払金利を差し引いた実利益を計算しています。日経225とDAXは前週から数字に変化がありません。
NYダウは、この週は434円だったので支払金利を差し引いてマイナスとなってしまいましたが、8月を通して9,700円の配当が予定されているので、月末に向けて運用利益率は若干上昇する見込みです。
FTSE100は8月1日に275円の配当があり、支払金利の196円を上回ったため、運用利益率は前週から若干上昇しています。
しかし、今週に入って1日あたり21〜23円程度だった金利が28円前後にジワリ上昇してきていますので、このまま下落しなければ、年間2,000円程度は利益が減少することになります。
年間3万円程度の配当をめざすFTSE100の配当取りトレードにとっては、1日数円の支払利息増でもボディーブローのように効いてくる感じで、影響が小さくありませんよね。
結局、押し目らしい押し目もなく迎えた8月ですが、11月までは比較的大きな配当が予定されていますので、日足チャート一目均衡表の基準線(7391)あたりまで下がったところでは買ってみることも一考の余地があると思います。
コメントを残す