ユーロ豪ドル、ユーロNZドルのスワップ取りを検討してみました。ユーロNZドルの異業者間サヤ取りが良い感じです。

3月13日現在、SBI FXトレード、DMM FXのスワップポイントはそれぞれ下記のとおり記事執筆時から変わっていますので、注意のうえご覧ください。

【SBI FXトレード(3月1〜13日までの1日平均、1万通貨あたり) 】
EUR/AUD 売りSW 65.77円、EUR/NZD 売りSW 68.54円
【DMM FX(3月1〜14日までの1日平均、1万通貨あたり) 】
EUR/AUD 買いSW -64.14円、EUR/NZD 売りSW -58.57円

残念ながら、あまり旨みがなくなってしまいました。

捨てきれないスワップ取りの夢

新興国通貨ゆえの不安

ヒロセ通商のトルコリラ円スワップポイント固定115円が終了し、他社も軒並みスワップポイントが低下する中、トルコ経済は一向に安定する見通しが立たず、為替レートもさらに下落する懸念を孕んでいます。南アランド円という代案もありますが、こちらも中長期で見れば為替レートは下落基調なので、基本的に長期保有には適しません。

先進国通貨内での検討

やはり先進国同士の通貨ペアが良いのでは、ということで探してみると、昨年11月にSBI FXトレードが取扱いペアを増やした中に、ユーロ豪ドル、ユーロNZドルという日本ではまだ珍しいペアを見つけたんですよね。現在でもヒロセ通商やDMM FXなど10社程度しか扱っていない、マイナーペアです。
それぞれスワップポイントを見てみると、12月の実績で、ユーロ豪ドル2,683円、ユーロNZドル3,111円(それぞれ1万通貨あたり、売りポジション)も付与されています。これまで、他社では最高でもユーロ豪ドルで2,200円、ユーロNZドルで1,800円程度でした。単価が大きいため証拠金はいずれも1万通貨あたり約5万円と高めですが、スワップ派第三の可能性として、検討してみました。

長期為替レート



上がユーロ豪ドル、下がユーロNZドル、それぞれ2007年からの月足です。だいたい似たような値動きですね。現在レートはユーロ豪ドルのほうがやや高い(豪ドル安)かな、といったところです。
欧州危機(2010)以降の騰落幅で見ると、現在レートから見てユーロ豪ドルは2,500pips(1.6500くらいまで)、ユーロNZドルは4,000pips(1.9000くらいまで)のレート上昇(豪ドル・NZドル下落)に備えるのが最低限の条件になりそうです。それでも、リーマン級の危機(2008)が来ると完全にアウトですが、これに備えるかどうかは豪ドルやNZドルに限らず、個人の投資スタイルによるところが大きいですよね。

最低必要資金を計算します

(1万通貨あたり)
ユーロ豪ドル
ユーロNZドル
必要証拠金4万9000円4万9000円
想定下落pips2,500pips4,000pips
想定最大含み損21万6500円
(1AUD=86.6円)
32万8280円
(1NZD=82.07円)
最低必要資金26万5500円37万7280円
年間スワップポイント3万2196円
(2,683×12)
3万7332円
(3,111×12)
スプレッドコスト130円
(1万通貨まで1.5pips)
279円
(1万通貨まで3.4pips)
年利益率(評価損益を除く)12.08%9.82%
年間スワップポイントは、昨年12月分を単純に12倍しているので、もう少し下がる可能性があります。
うーん、そんなに悪くはありませんが、多額の含み損を抱えるリスクを取ってまで…という感じもしますね。ただ、新興国通貨と違い、長期トレンドはユーロ安という判断もできますので、豪ドル・NZドルがそれぞれ上がれば、スワップポイントに加えて為替差益も得られる、というシナリオは十分にあり得ると思います。

異業者両建て

新興国通貨とは違い、ほぼ確実に下がると決まっている訳ではないとはいえ、これらのペア、下落想定幅がけっこう大きいのが難点ですよね。-4,000pipsなんて、米ドル円の現在レートで考えると75円までの下落なので、過去最安値以下ですから。では、為替リスクを異業者両建てでヘッジしたらどうなるのでしょうか。買いポジションのマイナススワップは、いずれもDMM FXが最も低いようなので、買いDMM FX、売りSBI FXトレードという前提で考えてみます。想定下落pipsと含み損は理論上ゼロになりますが、異業者間資金移動の間の時間差を考慮して、売り買いそれぞれ500pipsと想定しました

(1万通貨あたり)
ユーロ豪ドル
ユーロNZドル
買い必要証拠金
(DMM FX)
4万9000円4万9000円
売り必要証拠金
(SBI FXトレード)
4万9000円4万9000円
想定下落pips
(売・買各500pipsとして)
1,000pips1,000pips
想定最大含み損(同上)8万6600円
(1AUD=86.6円)
8万2070円
(1NZD=82.07円)
最低必要資金18万4600円18万70円
年間スワップポイント
(買い)
-2万3400円
(-1,950×12)
-1万8000円
(-1,500×12)
年間スワップポイント
(売り)
3万2196円
(2,683×12)
3万7332円
(3,111×12)
差引獲得スワップポイント8,796円1万9332円
買いスプレッドコスト
(DMM FX)
139円
(1.6pips)
287円
(3.5pips)
売りスプレッドコスト
(SBI FXトレード)
130円
(1万通貨まで1.5pips)
279円
(1万通貨まで3.4pips)
年利益率4.62%10.42%
理論上は為替リスクなしの異業者両建てとしては、ユーロ豪ドルの4%台もギリギリ合格水準でしょうし、ユーロNZドルの約10%というのは、かなり優秀な水準ではないでしょうか

異業者両建て最大のリスクは「資金移動ミス」

異業者両建て最大のリスクは、「資金移動ミス」、つまり自分のミスです。理論上為替リスクがないからといってほったらかしにしすぎて、いずれか一方がロスカットされてしまった、という例は珍しくありません。また、一応買い・売り両ポジションで500pipsの「のりしろ」は織り込んでいますが、想定以上のペースでレートの下落や上昇が起きた場合には、資金移動が間に合わない可能性もありますので、これ以外にも余裕資金があると、なお安心かと思います。
また、ヒロセ通商のトルコリラ円固定スワップ終了にも見るように、スワップポイントはFX取引会社の胸先三寸でいつでも変更される可能性がありますし、通貨ペアの取扱い自体がなくなってしまう可能性もありますので、決して固定収入として予定せず、期間限定であると思って始めるほうが精神衛生上もベターかと思います。

(くれぐれも、投資は自己責任でお願いしますm(_ _)m)

とくにユーロNZドルの異業者両建てについてはシミュレーション結果が良すぎたので、何か見落としていたり、計算ミスしていたりしないか何度もチェックしたのですが、多少の誤差はあっても、これで合っているのではないかと思います。ミスを発見された方は、お手数ですがコメント欄からご指摘いただけると大変ありがたいです。

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ABOUTこの記事をかいた人

FXと節約を組み合わせた記事を書いています。 元会社員、元会社経営者にして元浪費家。現在はフリーランスで生計を立てています。もっと早くお金の正体に気づいておけばよかったな〜などと後悔しながらも、あとの祭り的人生をそれなりに楽しんでいます。