くりっく株365のFTSE100は、7700台の上値の重さが露呈。スプレッドは再び40台まで広がったままです。

英国旗(ブロック)

FTSE100の週引け7589

FTSE100と英ポンドの逆相関性が復活

FTSE100の日足チャートです。

この週は、3日(水)に一時7725と8月29日以来の高値をつけますが、その後は下落に転じ、結果的には、週の終値で前週末比より安い7589となりました。

FTSE100(くりっく株365)日足

FTSE100(くりっく株365)日足

FTSE100と英ポンド米ドル・今週の振り返り

この週のFTSE100を、英ポンド米ドル相場も参照しながら、時間足で追ってみたいと思います。

1日(月)は、東京時間で英ポンドは1.3020付近で横ばい推移だったこともあり、前週終値同水準の7635で寄り付きました。

17:30には9月製造業PMIが発表され、53.8と事前予想の52.5より強い内容だったことから英ポンドが1.3060手前まで買われ、この場面ではFTSE100も一時7681まで上昇します。

その後は英ポンド米ドルが上昇分を消す下落となったことを眺めてFTSE100はさらに上昇し、21時台には一時7700台の高値をつけます。

この時間には、英国がEU離脱合意に向けてアイルランド国境で妥協を計画しているとの報道が伝わり、1.3020付近だった英ポンド米ドルが1.3115付近まで買われる場面がありましたが、ロンドンフィクスまでには上昇分を消しています。

引けに向けては利益確定売りに押され、この日の終値は7681。

FTSE100(10月1日)
英ポンド米ドル(10月1日)

2日(火)の東京時間、英ポンド米ドルは1.3035-1.3045近辺の小幅なレンジで推移します。

ところが欧州時間直前になって、英保守党大会関連の情報がマーケットの憶測を呼び、さらに建設業PMIが予想より弱い数字だったこともあり、英ポンドが売られ始めます。

英ポンド米ドルはそのまま16時台にはあっけなく1.30割れ、19時台には1.2939まで下落します。

FTSE100は前日から下に窓を開けて7653で寄り付いた後、さらに7617まで下落したものの買い戻され7679まで株価の1%前後上下するという、なかなか荒っぽい値動きとなります。

その後は再度下落するも、欧州時間後半からNY時間では買い戻されて、前日水準終値水準の7686で引けます。

FTSE100(10月2日)

英ポンド米ドル(10月2日)

3日(水)は、18:30からメイ首相が保守党大会で演説を行うことが発表されており、東京時間から英ポンドが神経質な動きを見せます。

東京時間前半は1.2980前後での推移でしたが、欧州時間直前には一時1.30を回復するところまで値を戻します。

FTSE100は7694とやや上に窓を開けて寄り付き、こちらも18:30の演説に向けて上昇します。

結局、保守党大会から聞こえる情報や声明から、マーケットはメイ首相がアイルランド国境問題について、ある程度の妥協案を発表すると見ていたと思われます。

実際にメイ首相が演説で発言した内容は、下記のとおりになります。

  • 国民投票の結果を尊重する
  • 合意なきEU離脱を恐れない
  • 英国政府は現在のEUからの提案を受け入れない
  • 英国がEUから尊敬されることを望む
  • ブレグジット後に新たな貿易協定を結ぶ

英語がわかる方は、こちらでメイ首相のスピーチ全編が視聴できます。

(冒頭でメイ首相の微妙なダンスも見ることができます)


メイ首相の発言には、ネガティブサプライズがなかったかわりに、とくに目新しい内容もなく、これまでの姿勢を繰り返すだけでしたが、英ポンドは下落、FTSE100は上昇で反応します。

21時台にはラーブEU離脱相が「11月のブレグジット合意を目指している」と発言したことが伝えられ、今度は英ポンド・FTSE100とも上昇で反応します。

さらに米国株高・米長期債上昇からの米ドル高が進行して英ポンド米ドルが下落したこともあり、FTSE100は7725まで値を上げますが、その後は利益確定売りに押されて7703で引けています。

FTSE100(10月3日)
英ポンド米ドル(10月3日)

4日(木)は、東京時間で英ポンド米ドルが週安値の1.2921をつけます。

英ポンド米ドルは、東京時間は安値圏でのもみ合いとなりますが、欧州時間に入って上昇に転じ、22時台には1.30を回復、23時台には一時1.3041をつけます。

FTSE100は大きく下に窓を開けて7666で寄り付き、ほどなく7607まで下落します。

NY時間直前までは買い戻されるものの、再び売り優勢となり終値7626。

FTSE100(10月4日)
英ポンド米ドル(10月4日)

5日(金)は、東京時間では英ポンドが1.3028付近の横ばいから、午後には1.30割れ直前まで下落。

15時台には、関係者筋の話として「EU交渉担当者は英国との離脱合意が非常に近いと認識している」との情報が伝えられ、英ポンド米ドルは一時1.3058まで買われます。

その後も英ポンドは週引けまで上昇を続けたため、この場面ではFTSE100との逆相関性が発動します。

23時台には、ブルームバーグの「EUは英国に対して、これまでに例のない自由貿易案を提示する用意がある」との報道に反応し、英ポンド米ドルが高値1.3123・安値1.3062で瞬間的に激しく上下動する場面があり、英ポンドはその後持ち直しましたが、FTSE100は戻りが鈍く、0時台には週の安値となる7554をつけ、その後はやや買い戻されたものの、終値で前週の7640より安い7590となっています。

FTSE100(10月5日)
英ポンド米ドル(10月5日)

週足チャート

FTSE100(くりっく株365)週足

FTSE100(くりっく株365)週足

週足一目均衡表で見ると、上に長めのヒゲを引いた陰線となっていますが、下値は基準線にサポートされた形です。

今週発表される英国経済指標

今週は、10日(水)17:30に英貿易収支や月次GDPが発表されるので、やや注目度が高くなっています。

大陸欧州ではドイツの貿易収支、経常収支、CPIとHCPI(調和消費者物価指数)の発表があり、英ポンドが対ユーロで動く可能性があります。

  • 9日(火)…小売連合(BRC)小売売上高調査
  • 10日(水)…貿易収支/鉱工業生産指数/製造業生産高/月次GDP
  • 11日(木)…RICS住宅価格指数

 

年初来の配当と支払金利

FTSE100は支払金利がジワリ上昇の27.3円/日

1/2〜10/7受取配当支払金利差引利益(A)※括弧内は前回必要証拠金(B)A÷B ※括弧内は前回
FTSE10025,636円6,025円19,611円(19,069円)26,000円75.4%(73.34%)
NYダウ42,782円45,417円▲2,635円(▲2,223円)83,000円▲3.17%(▲2.68%)
日経22537,184円0円37,184円(37,184円)76,000円48.9%(48.9%)
DAX0円1,202円▲1,202円(▲1,202円)42,000円▲2.86%(▲2.86%)

年初から先週までの受取配当から支払金利を差し引いた実利益を計算しています。日経225・DAXは前週と変わらずです。

NYダウは1,031円の配当がありましたが、支払金利が1日あたり200円(206.1円/日)を明確に超えてきたため、配当のない週のマイナスがさらにかさみそうです。

FTSE100も支払金利が27円/日とやや上昇していますが、配当が733円あったため運用利率は前週から上昇しています。

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保守党大会でもEU離脱の方向性が見えず

特に進展のないまま保守党大会が終了

9月30日から開催された英保守党大会では、さすがにEU離脱の方針、とりわけ最大の懸案であるアイルランド国境問題については何らかの方向性が示されると期待されましたが、結局は問題が棚晒しにされたまま、この週も噂レベルの報道にマーケットが一喜一憂するこれまでの動きと変わりませんでした。

とりあえず、10月の離脱合意は困難という無言の合意形成は出来てきた感じですが、これが11月に延期されたからといって、着実に話し合いが進展するという見通しも立ちにくい状況です。

メイ首相「緊縮財政終わらせる」

3日の保守党大会のメイ首相演説では、EU離脱に関しては材料がなかったのですが、「金融危機から約10年を経て、国民は危機を発端とした緊縮が終わり、人々の苦労が実ったことを知る必要がある」との発言があり、むしろこちらのほうが注目されています。

英10年物国債利回りは、4日には前日比0.08ポイント上昇の1.654%に上昇し、5日には、前日比で0.031ポイント高く、2016年1月以来の水準となる1.700%を突破、1.722%まで上昇しました。

英ポンドは、これには素直に買いで反応していますので、来週以降も英長期債利回りが上昇するようであれば、さらに英ポンド買いの材料になりますし、その場合はFTSE100にとって下落要因になるため注目されます。

英10年債利回り

英10年債利回り

FTSE100のスプレッド

先週のスプレッドは安定の40台に逆戻り

前回は、くりっく株365におけるFTSE100のスプレッドが、「ときどき」10前後まで縮小したことをご報告しましたが、この週は再び、ほとんど40台から動かなくなってしまいました。

NYダウや日経225のスプレッドが100前後まで広がったときは、「ポジションの偏り」が原因とのことでしたが、配当取りでNYダウが使えなくなった現在、ただでさえ取引量が少なく流動性が低いFTSE100に配当取り需要の買いが持ち込まれたことが、スプレッドが縮小しない原因なのかもしれません。

となると、一旦は利益確定か損切りでロングが手仕舞いにならないかぎり、この状況は続くということにもなりかねません。

いずれにしても、現状の横ばい相場が続くかぎりは、なかなか新規のポジション建てがしづらいので、現在、それなりに安く買ったポジションを持っている方は、ぜひ大切にしてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

FXと節約を組み合わせた記事を書いています。 元会社員、元会社経営者にして元浪費家。現在はフリーランスで生計を立てています。もっと早くお金の正体に気づいておけばよかったな〜などと後悔しながらも、あとの祭り的人生をそれなりに楽しんでいます。