ワイヤレス充電の必要性
消えかかっていたQiの復活
スマートフォンなどのワイヤレス充電規格である「Qi(チー)」は、誕生してから10年になりますが、昨年までは、いまいち普及しない、というよりも、そろそろ消滅するのではないか、という雰囲気すらありました。
しかし、昨年発売のiPhone8/8Plus/XがQiのワイヤレス充電を採用したことで、一気に風向きが変わる…と期待されましたが、iPhoneの採用でQi消滅の危機は遠ざかったものの、1年近く経っても、少なくとも私の周りでは、あまり使っている人がいない印象があります。
まあ、あちこちに無料のUSBポートがある昨今、LightningまたはUSBケーブルを1本持って歩けば、どこでも簡単に充電ができるという状況では、あまり不便を感じているユーザーが少ないというのが根本的な原因なのかもしれません。
ということは結局、Qiのワイヤレス充電を利用するとしても、Qi充電器を置きっぱなしにできる自宅だけか、あとはせいぜい職場くらいになってしまいますから、そこまでしてワイヤレスが必要か?と考えると、「いらない」という結論になっているのではないでしょうか。
ちなみに、アメリカのStarbucksでは、カウンター席にQiが埋め込まれているそうなので、日本でも同じような動きが出れば、ワイヤレス充電の利便性も再評価されるのかもしれません。
ケーブル充電の問題点
かく言う私も、ケーブルでの充電にそこまで不満を持っていたというわけでもないのですが、本体にケーブルを挿すときに、コネクタの周りをケーブルの金属で傷つけないように神経を遣うのを面倒に感じていました。
なぜそんなことに神経を遣うかというと、もちろん、毎日使う物をキレイに使いたいという単純な理由もありますが、それ以上に「リセールバリューが落ちるから」にほかなりません。
スマートフォンは必ず買い換える物ですから、いま使っている機種は、なるべく傷や汚れをつけずにキープして、高く買い取ってもらいたいものです。
ケーブル先端による傷
とくに、暗い場所でケーブルを挿すときは、どうしてもケーブル先端でコネクタの周りを「まさぐる」ので、これを毎日繰り返すと、いつの間にか細かな傷がたくさんついています。
LightningもUSBケーブルも、先端部分は金属なんですよね。ここが樹脂製になれば、かなり本体に傷がつきにくくなるのですが。
そして、コネクタの周りが傷ついた端末を買取店に持っていくと、よくて買取価格が1割減、傷の度合いによっては2〜3割減となる場合もあり、満額買取で3万円の端末だとすると、約3千円から9千円の減額という、なかなか侮れない金額が実質的な「支出」となってしまいます。
もちろん、そんな細かい事を気にするだけ面倒なので、数千円くらいのコストくらいなら負担する、という価値観のユーザーも多いと思いますので、それを否定するものではありません。
Qiを導入してみる
初めてのQi対応機種購入を機会に
ということで、私にとって初めてのワイヤレス充電対応機種であるGalaxy S9に変更したこともあり、Qiを導入してみることにしました。
上述のとおり、私のQi導入の主たる目的は「本体の傷つき防止」ですから、Qiの充電器があまり高価だと意味がありません。
少なくとも「Qiの購入費用<コネクタ周り傷によるリセールバリュー減額分」でなければならないのです。
そこで選んだのは、AnkerやELECOMではなく、やはり中国系のメーカーで、サクラと思われるレビュー以外の評価がそれなりに高く、10Wの急速充電にも対応しているこちらです。
急速充電に対応していない5WだとAmazonで900円以下ですが、Qiは充電に時間がかかるというユーザーの不満が多いので、400円程度の価格差であれば、急速充電対応を購入するほうが良いと思います。
実際に使ってみると、10Wの「急速充電」であっても、ケーブルでの充電と比べるとかなり時間がかかるので、この選択は正解でした。
Qiワイヤレス充電初日インプレッション
その他に、Qiのワイヤレス充電を使用してみて感じたことをまとめておきます。
充電できるポイントがシビア
充電できるポイントはけっこうシビアなので、充電開始時に、1個の小さなLEDではなく、複数のLEDが派手に光って充電ポイントを知らせてくれる機種は、けっこう便利です。
ちなみに、派手に光るのは充電開始時の数秒だけなので、寝ているときに充電すると眩しいのではないか、という心配は必要ありません。
充電ポイントがシビアな問題については、コイルを増やすことでこれを広くする機種も売られていますが、価格が高くなりますし、私はそこまでの必要性を感じませんでした。
本体温度が上昇する→充電速度が落ちる
80%くらいまでの充電は比較的速いのですが、その後はけっこう時間がかかります(本体温度が上昇)。
iPhoneも同じ仕様のようですが、本体温度が上がると、充電速度を落としてバッテリーを保護するようです。
電源をオフにしてワイヤレス充電すると、あまり本体が熱くならず100%まで充電できるのですが、充電するたびに電源をオフにするというのも現実的ではないので、就寝時などスマートフォンを長時間放置しておけるときに、時間をかけて満充電にするしかないと思います。
厚めのケースでも問題なし
金属製でなければ、やや厚めのケースでも、つけたままで充電可能です。
私が使っているケースは手帳型なので、スマートフォンの背面は、プラスチックのケースと二重に張り合わせた合皮が重なっており、合わせて3mm程度の厚みがあるのですが、この程度であれば問題ないようです。
ということで、急いで充電したいときには、結局ケーブルで充電することになりそうですが、ケーブル充電の回数が減る分、充電コネクタ周りを傷つけるリスクを減らすことができるのは確かなので、まずは満足です。
この後、継続して利用することで新たな利便性が発見できるかもしれないので、そのときにまたご報告したいと思います。
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