賃貸住宅契約時の仲介手数料を無料にする方法。

賃貸住宅市場には季節性(シーズン)がある

9月・10月は時期的に狙い目

9月〜10月は「第2の引越しシーズン」とも言われており、物件が多く出回っている時期です。

また、11月〜12月は、次の春に向けて新築物件の情報が出回りはじめる時期なので、新築狙いの方は狙い目の時期でもあります。

そんな賃貸住宅への住替えの場合、避けて通れないのが不動産仲介業者。

今回は、不動産仲介業者への仲介手数料を無料にできないのか、というお話です。

宅地建物取引業法

仲介手数料には法律の制限がある

不動産仲介は、宅地建物取引業法という法律で規制されており、業法第46条では、以下のように規定されています。

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。

この報酬は、国交大臣により「貸し手・借り手からの合計が月額賃料の1.08倍以内」、「一方からは賃料の0.54倍以内」と定められています。

ミニミニなんかは、ずいぶん早くから仲介手数料半額を打ち出してきましたが、法律上はこちらが当然なんです。

なぜ1ヶ月分の仲介手数料を取られるのか

あれ?でも、街の不動産屋(仲介業者)に行くと、当たり前のように家賃1ヶ月分の仲介手数料が請求されますよね?

このカラクリは、契約の際に交わされる重要事項説明書に、「媒介報酬額○○円(消費税込み)を支払うことを承諾しました」という一文を入れることにより、「依頼者が自ら支払った」ということにして、規制を逃れているんです。

まず、不動産業界は、こういった商習慣が優先されがちな業界である、ということを頭に入れていただく必要があります

仲介業者は、物件のオーナーからも1ヶ月分「以上」の報酬を受け取っている

入居者からの仲介手数料は、仲介業者の収入の一部にすぎない

ほとんどの賃貸住宅の仲介において、仲介業者は、物件のオーナーから1ヶ月、借り手から1ヶ月、合計賃料の2ヶ月分に相当する仲介手数料を得ているので、このままでは宅建業法に抵触してしまいます。

ところが不動産業界の慣習で、オーナーからの手数料は「広告費(通称「AD」)」という名目で受け取るので、規制の対象にならない、というのが仲介業者の言い分なのです

この「AD」は、一般的には賃料の1ヶ月分ですが、空室が続いてオーナーが困っている物件などの場合は、賃料の2ヶ月分、3ヶ月分になる場合も珍しくありません。

その他にも「B」といって、別途バックマージンが介在しているケースもあります。

当然、仲介業者は「AD」や「B」が高い物件を、部屋探ししている人に勧めます。

法律の専門家の間では、こういった業界の慣行は、宅建法上かなり濃いグレーとする見解が多いようです

仲介業者との交渉は不毛

以上は法律上の問題ですが、これを一般的な街の不動産屋に行って「法律違反だ!仲介手数料を下げろ!」と交渉しても、「じゃあヨソに行ってください」と言われます。

手数料は法律の規制があっても、契約するかどうか自体は自由ですから、そんな客は断られるのがオチでしょう。

では、どうすれば良いかと言うと、一つの方法として、最初から仲介手数料無料の仲介業者を選ぶことを考えたほうが良いでしょう。

仲介手数料無料の仲介業者さがし

仲介手数料無料の仲介業者さがしは、べつに難しいことはありません。

Google検索で「○○市 賃貸 仲介手数料 無料」というように探せば、ある程度大きな街なら、たいていの地域で見つかります。

一例を挙げれば、

いずれも、明確に「手数料原則無料」をうたっています。

検索のときのポイントとしては、「手数料最大無料」「手数料無料物件あり」などという宣伝文句に引っかからないことです

これは単なる宣伝文句なので、大抵は、実際に問い合わせすると、他の仲介手数料ありの物件を紹介されることになります。

「原則有料」と「原則無料」を明確に区別しましょう

手数料無料の仲介業者は取扱い物件が少ない?

そんなことはありません。9割以上の賃貸物件は「一般媒介」と言って、全ての仲介業者が扱えます

ですから、物件掲載数の多いHOME’SSUUMOで気に入った物件が見つかったら、そのURLを仲介手数料無料の仲介業者に送って、紹介を依頼しましょう。

当然ですが、仲介手数料有料の仲介業者に依頼して部屋の内覧をさせてもらった後でも、契約をしていないかぎりは手数料無料の仲介業者に切り替えられます。

物件によっては、どうしても仲介手数料が無料にできない場合がありますので、はじめに必ず無料になるか確認しましょう。

なぜ、こんなことになっているか

契約を経験する回数が少なく、知識が蓄積されない

宅地建物取引業法という法律がありながら、なかば堂々と法律の精神に反するビジネスが横行しているのはなぜなのか、疑問に感じますよね。

理由の一つとして、引越しは、多くの人にとってせいぜい数年に一度のライフイベントで、知識が個人に蓄積されない、というのがあります。

部屋さがしにあたり、仲介手数料というものに疑問を持って、ネット検索してこの記事にたどり着いてくれる方なんて、全体のごくわずかです。

たいていは、疑問すら抱かず、当たり前のように不動産業界の商慣習に流されてしまいます。

これだけ部屋さがしサイトのCMが大量にPRされていると、自然とそのサイトで検索して、問い合わせボタンを押して、手数料有料の仲介業者から連絡が来て・・・となる訳です。

重要すぎる選択をミスだと思いたくない

住宅は、誰にとっても非常に重要です。

その住宅を選ぶ選択を自分が間違ったとは思いたくない、という強いバイアスがはたらくため、よほど酷い物件でもないかぎり、あまりクレームを言う人がいないというのが実態です。

そして、部屋探しをした方は経験があると思いますが、問い合わせをした後の仲介業者からの連絡は、驚くほどスピーディーです

これは、他の仲介業者と連絡をさせないという意図と、もうひとつは、契約者に冷静に考える時間を与えないためです。

時間をかけて検討されても、仲介業者としての収入は上限がありますから、とにかく早く契約させる営業マンが評価されるのが、不動産賃貸業界なのです。

横並びの業界ならではの広告競争

物件情報の9割が共有されいているということは、料金やサービスが横並びなら(実際に業界はほぼ横並びです)、借り手に契約させるまでの早い者勝ちになります。

そのためには、駅前の一等地に店舗を出したほうが目につきやすく有利ですし、広くネットやテレビに広告を打って、「商品」であるところの部屋探しする人から連絡をもらわなければならないのです。

つまり、不動産賃貸の仲介というのは、もともと莫大な広告宣伝費が必要となるビジネスモデルなんですね。

だから、一件一件の契約から、できるだけ多く回収しなければならないという悪循環が止められないのです。

メディアにとっては大きなスポンサー業界なので、叩かれにくい

電通やコンビニが雑誌で叩かれにくいのと同じで、広告収入で成り立っているメディアは、大きなスポンサー業界の内情を報道したがりません(コンビニはちょっと意味合いが違いますが)。

したがって、一般に情報が知られる機会が非常に少なくなります。

「はめこみ」と言って、「節税」「年金がわり」「保険がわり」などの宣伝文句により、不動産取引に経験のない素人が収益見込みの低い運用物件を購入させられるケースが多く、入居者よりもこういった素人オーナーを先に保護すべきとする意見もあります。

不動産業界の商習慣を守るための怪情報に惑わされないで!

不動産業界は特殊

仲介手数料無料や半額は、業界の商慣習に反するものなので、そういった仲介業者に対する嫌がらせや、事実ではない情報を流すなどの行為も実際におこなわれているようです。

ネットで検索してみても、仲介手数料半額や無料の仲介業者を揶揄する記事がけっこう見受けられます

しかし、冷静に考えればわかることですが、仲介手数料をいくら払っても、物件が駅から近くなるわけでも、部屋がキレイになるわけでも、広くなるわけでもありません。

入居者の立場からは、物件さえ決めてしまえば、仲介手数料などの間接費用は、とにかく安く済ませることに普遍的な価値があるのです

みなさんには、賢く行動して、少しでも豊かな新生活を過ごしていただきたいと願うばかりです。

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ABOUTこの記事をかいた人

そうたろう

FXと節約を組み合わせた記事を書いています。 元会社員、元会社経営者にして元浪費家。現在はフリーランスで生計を立てています。もっと早くお金の正体に気づいておけばよかったな〜などと後悔しながらも、あとの祭り的人生をそれなりに楽しんでいます。