海外赴任や移住が決まったら、更新期間前でも日本の運転免許証は更新しておきましょう。

更新が必要な日本の運転免許

日本の住所がなくなる海外赴任・移住の場合

海外への転勤や移住で、日本の住民票を抜いて出国する場合、日本の運転免許の更新についての問題を抱えることになります。

日本の運転免許制度は、いまだに海外に暮らす日本人をまったく想定しておらず、日本に住所がないというケースに対応していないため、いろいろと困らされることになります。

そこで、まずはじめに結論めいたことを書いてしまいますが、とりあえず日本に住所があるうちに運転免許は更新してしまいましょう、ということになります。

更新期間がまだだけど…

運転免許は、グリーン・ブルー・ゴールドの3種類があり、それぞれ定められた間隔で更新が必要になります。

  • グリーン…取得後3回目の誕生日前後1ヶ月
  • ブルー…前回の更新から3年後の誕生日前後1ヶ月
  • ゴールド…前回の更新から5年後(71歳は4年、72歳以上は3年)の誕生日前後1ヶ月

海外赴任や移住している場合、数年に1回とはいえ、まず誕生日の前後1ヶ月に合わせて日本に帰国することが難しいと思います。

また、かりにスケジュールが比較的自由でいつでも帰国できるという方でも、誕生日が1月や8月のハイシーズンだと、毎回割高な航空券やホテルの出費を強いられることになります。

そこでオススメなのが、更新期間前の更新です。

運転免許は実は「いつでも」更新できる

運転免許は、更新のハガキが自宅に届いて、それを警察署や運転免許更新センターに持参しなければ更新できないと思っている方も多いようですが、まず、ハガキがなくても更新できますし、なおかつ誕生日の前後1ヶ月より前でも更新が可能です。

  • 運転免許は更新通知のハガキがなくても更新できる!
  • 運転免許は誕生日の1ヶ月より前でも更新できる!

警視庁のホームページによれば、「海外旅行、出産等の理由による更新期間前の更新手続」として、運転免許証と合わせて「パスポート等、更新期間中に海外に出国するため手続ができないことを証明するもの」を持参すれば運転免許が更新できると明記されています。

運転免許は、各都道府県の公安委員会が管轄しているため、地域によって若干の違いはあるようですが、現場の運用としては、海外旅行や海外赴任・移住の場合は、パスポートを持参するだけで更新できる場合がほとんどのようです。

実際に私の住んでいる地域で期間前更新をしてみたところ、窓口でパスポートを提示したうえで「申立書」という書類に、期間前に更新したい理由や渡航期間を記入するだけで、あとは通常の優良運転者更新の流れと同様に、書類記載・視力検査・写真撮影・講習受講と1時間程度で新しい運転免許証を入手することができました。

渡航の予定を証明する書類は何も必要ないので、心の中で予定を決めておけば、それが申立時点では唯一の事実であり、実際に後日になって渡航日程が変更になったり、あるいは渡航が中止になったりしても、申立の時点で虚偽でさえなければ問題がないと思われます。

期間前更新にはデメリットも

このように、日本に住所がある間であれば、更新期間前におこなう更新は、拍子抜けするほどに簡単です。

しかし一方で、更新期間前更新には、次回更新までの期間が短くなるというデメリットがあります

どういうことかというと、運転免許の更新は、通常は誕生日の前後1ヶ月でおこなうため、5年後(ブルーは3年後)の誕生日までの期間が、まるまる3年〜5年ということになるのですが、期間前更新は、誕生日とは関係がない任意の次期におこなうため、「任意の更新から5回め(ブルーは3回め)」という数え方をします。

つまり、更新期間に更新をするよりも、次回更新までの期間が短くなるのです。

  • 【デメリット】期間前更新をすると、次回更新までの期間が短くなる

任意の更新をする日が誕生日の直前という場合は、すぐに1回めの誕生日が来てしまいますので、有効期限「5年」のゴールドでも実際は4年とちょっと、ブルーだと2年ちょっとということになってしまいます。

日本の運転免許制度には欠陥がある

とりあえず問題を先送りできる効果は大きい

非居住者が日本の運転免許を更新するには、日本の住所がないために、いろいろと面倒な問題が発生します。

そもそも、日本の運転免許は、海外に転出届を出した場合にも有効かどうかについても法律に明確な規定がなく、「無効になるという規定はないから有効」という程度の運用がされているのが現状です。

CHECK! 海外転出届を出すと、日本の運転免許証は無効になるか。(レファレンス共同データベース)

日本の運転免許制度は「ダブルスタンダード」

しかし、考えてみるとこれはおかしな運用で、日本の運転免許を取得するときには日本の住民票が必要なことから、非居住者は日本の運転免許を取得できないと解されるのに対し、更新には住民票の提示が必要がなく、住所の変更については郵便物など簡易な証明で確認をおこなっていることから、事実上、非居住者であっても郵便さえ届く場所があれば更新が可能というダブルスタンダードになっているのです。

また、「国内で」転居して住所が変わった場合には、「速やかに」警察署などで変更届を提出して、変更にかかる事項の記載を受けなければならず、これに違反した場合には2万円以下の罰金または科料という処罰まで規定されているのですが(道路交通法第94条第1項)、日本の運転免許には、外国の住所を登録することができないため、非居住者が運転免許上の「住所」をどのようにすべきかは定めがない、というのが現状です。

海外赴任や移住しても住所変更をしていない場合、形式的には道交法94条第1項に違反しているとも言えそうですが、現実的に手続が不可能であることや、実際にこれで処罰されたという事例がおそらくないことから、グレーゾーンでの運用がなされている、ということなのでしょう。

更新時には一時滞在先が「住所」になる

非居住者であっても、出国直前に住んでいた地域の警察署や運転免許更新センターに行けば、住民票や郵便物なども必要なく、ほぼフリーパスで更新ができますから、多くの方はそのようにしていると思われます。

しかし、「住所に変更がない」という虚偽の申告をしていることになり、これは上述のとおり道交法違反や、場合によっては公文書偽造に問われる可能性もあるので、あまり表立ってオススメできる方法とは言えません。

では、違法にならないように更新するにはどうすべきかと言えば、各公安委員会の運用にもよるようですが、警視庁の場合は、ホームページ「海外滞在中で日本の免許をお持ちの方」で、更新方法について下記のように案内しています。

■更新申請の際に必要な書類等(更新窓口によっては、写真は必要ない場合があります。)

  1. 更新申請書(及び住所変更をする場合はその届け)
    ※更新申請書と併せて、病気の症状等についての「質問票」を提出する必要があります。質問項目に該当がある場合は、職員が症状等について具体的にお話を伺うことになります。
  2. 現に受けている免許証
  3. 住所変更の際は、そこが住所であることを証明する書類(本人宛の郵便物やそこに滞在していることを証明する書類(実家の世帯主等が作成したものなど。))
  4. 申請用写真1枚
    ※申請前6か月以内に撮影した無帽(宗教上又は医療上に理由により顔の輪郭が分かる範囲で頭部を布等で覆う場合を除く。)、正面、無背景で、胸から上が写っているもの。大きさ3.0×2.4センチ。裏面に氏名及び撮影年月日を記入したもの。
  5. 講習終了証明書等(高齢者講習、特定任意講習等を受けた方)
  6. 手数料

3.の項目は、日本に実家がある方は容易ですが、そうでない場合はけっこうハードルが高い要件と思われます。

一時帰国時の滞在先がホテルである場合、ホテルでも郵便物を受け取ることは可能ですが、「気付」記載ありの郵便物でも更新手続を受け付けてくれるのか、そもそもホテルの住所を運転免許上の「住所」にできるのかは不明ですが、少なくとも警視庁の案内どおりに手続きをするとしたら、そのように対応するしかありません。

今後、非居住者が増加することで法整備され、正式かつ現実的な方法で運転免許が更新できるようになる可能性もあるので、期間前更新を利用して、とりあえず更新時期を先延ばしする、という方法が懸命ではないかと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

そうたろう

FXと節約を組み合わせた記事を書いています。 元会社員、元会社経営者にして元浪費家。現在はフリーランスで生計を立てています。もっと早くお金の正体に気づいておけばよかったな〜などと後悔しながらも、あとの祭り的人生をそれなりに楽しんでいます。