北海道外から出張や観光で初めて札幌に行く方に、空港バスの利用と「中島公園」エリアのホテルをおすすめする記事です。

いくら丼

札幌によく行く方もそうでない方も

どうやって札幌市内に移動していますか?

札幌に初めて行く方は、新千歳空港から札幌中心部までの移動をどうしようか、また、宿泊をどのあたりにすれば良いのか、よくわからないと思います。

また、よく札幌に行く方でも、札幌市内への移動は、あまり疑問もなくJRと決めていたり、帰りも便利だからということで、宿泊も札幌駅近くにしている方も少なくないのではないでしょうか。

この記事では、コストパフォーマンスを考えると、とりあえず札幌中心部までは空港バスで移動、宿泊は中島公園エリアをオススメしたいと思いますので、その理由を書いていきます。

新千歳空港から札幌中心部への移動手段

JRと空港バスの料金比較

まず、単純に新千歳空港から札幌中心部への料金を比較すると、

  • JR北海道…1,070円(指定席は+520)
  • 空港バス…1,030円

と、JRを自由席で利用する前提であれば、片道40円の差しかありません。

しかし、JRに割引はありませんが、空港バスには、往復割引と4枚つづり回数券があるので、まずは単純にコストカットが可能です。

  • 往復割引乗車券…1,950円(1枚あたり975円)JRとの差は片道あたり95円
  • 4枚つづり回数券…3,710円(1枚あたり928円)JRとの差は片道あたり142円

※往復割引乗車券・回数券は、新千歳空港到着口出てすぐのバス専用カウンターのほか、空港バス車内でも購入できます

1人なら往復を購入すればよいですし、2人なら4枚つづりで往復分というふうに使うことで、例えば2人の往復分であれば568円の差になります

まあ、それほど大きな差ではありませんね。

JRは「札幌駅」が終着、空港バスは「すすきの」から市内中心部に入る

札幌の中心部は、北から南に向かって、「札幌駅」→「大通」→「すすきの」→「中島公園」となっています。

札幌観光は、羊ヶ丘展望台や定山渓など郊外型もありますが、ほとんどが市内中心部がメインになると思います。

というか、札幌は中心部からクルマで5分も移動すれば、なんの変哲もないただの住宅街ばかりですし、東京や大阪のように、中心部以外でも地域ごとに特色があるとか、隠れた名店があるとかはほとんど期待しないほうが良いので、その意味でもやはり市内中心部の移動をメインに考えるべきです。

そして、JRは札幌駅にアクセスしますが、空港バスは、空港からの国道36号線を通って「すすきの」エリアから札幌中心部にアクセスします

図でわかっていただけると思うのですが、おそらく札幌に旅行や出張の方は、目的地として「大通」エリアから「すすきの」エリアに行く方が多いはずなので、その場合、札幌駅は意外とただの通過点になっているのです。

空港バスであれば、すすきのや大通で降車することができるので、空港バス料金だけで目的地まで直接移動することができます

札幌市中心部アクセス図

そうすると、空港から札幌駅のJR料金に加えて200円の地下鉄料金がかかるので、往復で考えると1人400円、2人800円と、先程の空港バスの往復割引も考慮すれば、その料金差は結構な金額になってきます

空港バス最大の欠点「遅い」

JRは新千歳空港から札幌駅までを最速37分(あくまで「最速」なので、たいていは40分くらい)で移動できますが、空港バスは、すすきのまででも65分と、表面上は2倍近い差があります。

しかし、先の通り、ホテルや観光などの目的地がすすきのや大通である場合、JRは移動時間に地下鉄への乗り継ぎと移動時間を加算する必要があります。

JR(快速エアポート)を降りてから地下鉄(札幌市営地下鉄南北線)駅までは、普通に歩いて3〜5分かかりますし、すぐに地下鉄が来たとしても、乗車時間は大通までで2分、すすきのまでで5分程度かかります。

ということで、おおむね10〜15分を加算すると、50分〜55分と、空港バスとあまり差がなくなってきます

ただし、積雪がある時期の札幌(12月〜3月)は、除雪された雪山で道路の車線数が減少するため、常に渋滞しているので、空港バスも大幅に遅れることがありオススメできません

空港バスその他のメリット①「空港到着口から近い」

JR新千歳空港駅は、もちろん空港に「直結」してはいるのですが、実際には、飛行機の到着口から急ぎ足でも5分程度歩きます

その点、空港バスは、飛行機の到着口のほぼ目の前に空港バス会社のカウンターがあり(南北に2ヶ所)、カウンター横の自動ドアを抜けるとすぐに札幌市内中心部行きのバス停があるため、JRと比べて、単純に移動距離は少なくて済むというメリットがあります

空港バスはバス停番号の「14」「22」に順番に止まるので、この番号は、覚えるかどこかにメモしておくと、直前に慌てることがないと思います。

それから、「次のバスは何時かな?」などと電光掲示板などで確認するよりも、たいていは空港バスカウンターのお姉さんはヒマなので、「次の市内中心部は何時ですか?」と聞くと、遅延情報も加味したうえで、秒速で教えてもらえますので、自分で調べるよりも絶対に早くて確実な情報が得られます

ここで空港バスの出発時間に余裕があるようなら、往復割引乗車券や回数券を購入してしまいましょう。

ということで、普段はできるだけ人と話したくない私でも、この場面だけは、アナログな対面コミュニケーションをオススメします

新千歳空港到着口01

空港バスマップ

空港バスその他のメリット②「必ず座れる」

この点は、JRも新千歳空港始発で座れることが多いので、あまり空港バスのメリットとは言えないかもしれませんが、一応「座れる」というのが空港バスの売りの一つになっています。

まあこれは、「座れる」というより、「立ち乗りできない」とう表現のほうが正確かもしれません。

乗客が座席数以上になったら、次の便に回しているのでしょうね。

たまに大人数のグループなどと乗り合わせると、補助席までいっぱいになることもありますが、私はこれまで乗れずに次の便に回される、という経験はしたことがありません。

飛行機から降りた乗客のほとんどは、JR駅に向かってダッシュしていきますから。

空港バスその他のメリット③「大きな荷物を気兼ねなく積める」

JR(快速エアポート)は、空港連絡線でありながら、大きな荷物の持ち込みがほとんど考慮されていない欠陥商品というだけでなく、恵庭駅から札幌駅あたりでは、普通に地元の方の生活路線として使われているので、大きなスーツケースなどを持っていると、どんどん混み合う車内で気まずい思いをすることもしばしばで、この点は空港バスに軍配が上がります。

空港での乗車前に、バス停に並んでいると、バス停常駐の係員さんが「荷物を預けますか?」と聞いてくれるので、バスのトランクに入れてほしければ、お願いしましょう

トランクに預けると、降車するときには、運転手さんにお願いして出してもらうことになります。

あるいは、機内持ち込みができる大きさのスーツケース程度であれば、車内座席の最前列4席が手荷物用として確保されているので、乗車するときにこちらに置いてもOKです

こまかな注意点:Suicaは「中央バス」のみ使える

は?という感じですが、空港バスは政治的理由から「中央バス」と「北都交通」が半々で運営しており、市内の路線バスも運営する関係でSuicaに対応している中央バスだけは、空港バス路線でもSuicaが使えます。

Suicaを利用する場合、空港バスは運賃後払いなので、乗車時に整理券がわりのタッチを1回、降車時にタッチを1回すると、料金がSuica残高から差し引かれます。

もっとも、ご紹介したとおり往復割引乗車券や回数券のほうがおトクに乗車することができるので、Suicaが使えるかどうかはあまり問題ではないかもしれませんね。

札幌でオススメの宿泊エリア

「中島公園」エリアとは

さきほどご紹介した図を再掲しますが、「中島公園」は、地下鉄南北線札幌駅を起点にすると、3駅南に行った地下鉄駅です。

札幌市中心部アクセス図

駅名どおり、日本でも有数の公園である「中島公園」に隣接した地下鉄駅であり、多くのホテルも中島公園の周囲を囲むように点在しています。

中島公園の総面積は東京ドーム4.5個分と巨大なので、ホテルの位置がすすきの寄りか、すすきのから遠いかによって利便性には差が出ますが、基本的にホテルは、すすきの駅と中島公園駅の間、あるいは中島公園のすすきの寄り側に集中しています

CHECK!中島公園周辺のホテルと宿泊料金分布(Google Map)

中島公園エリアのホテル事情

先にご紹介した空港バスのすすきの停留所からこのエリアまでは、約1km前後(徒歩10分程度)と徒歩圏内なので、大きな荷物がなければ、移動もそれほど苦にならないと思います。

つまり、中島公園駅は札幌駅から3駅と、大通・すすきのと比べれば遠いうえに、近くに飲食店や観光スポットもないと思われがちですが、大きな意味ではすすきのエリア圏内とも言えるのです。

しかし、「中島公園周辺は不便」というイメージが定着しているため、このエリアのホテルは、価格を下げなければ宿泊客が確保できません。

これを宿泊する側から見れば、中島公園エリアのホテルは安く泊まれるということになりますから、単純に出張・旅行費用を節約したい方や、予算のリソースを交通費・宿泊費以外の飲食などに多く充てたい、という方は、積極的に中島公園エリアのホテルを選ぶべきだと思います

また、「札幌駅から遠い」というデメリットも、上記にご紹介したとおり、空港バスを利用すれば、それほど感じることはないと思われます。

札幌市内中心部4エリアのホテル事情をざっくり分類すると、下記のような感じかと思います。

エリア(地下鉄駅)エリア内のホテルの傾向
札幌駅エリア周辺に有名な観光スポットや飲食店がない。ビジネス利用客の需要が多いため、宿泊料は最も強気(高い)。比較的、新しいホテルが多い。
大通エリア札幌市内の観光スポットが集中するエリア。宿泊料は札幌駅と同水準。
すすきのエリア札幌市内の飲食スポットが集中するエリアであり、東京以北最大の歓楽街。宿泊料は札幌駅エリア同水準から1人1泊3,000円台まで幅広く、さらに安いカプセルホテルも多い。
中島公園エリア観光スポット・有名飲食店はないが、閑静で落ち着いた雰囲気のエリア。宿泊料は、同じ設備スペックであれば、札幌駅エリアより1人1泊1,000〜3,000円程度安いイメージ。

深夜にすすきのから中島公園に徒歩で中島公園に帰る場合は「駅前通り」で

余計なお世話かもしれませんが、すすきので飲んだ帰りが深夜になった場合、とくに女性は、大きな通り以外はあまり通らずに、できれば駅前通りを歩くことをオススメします。

非常にざっくり言うと、すすきのの業態分布図は、わりと南北に明確なゾーニングがされて下図のようになっており、裏道を通ると、性風俗やラブホテルが立ち並ぶ、お世辞にも治安や雰囲気が良いとは思えない道を通り抜けて帰らなければならないので、せっかくの札幌で嫌な思いをしないように、ぜひ駅前通りを歩いてください。

CHECK!すすきの駅から中島公園駅/徒歩・駅前通り(Google Map)

すすきの分布図

帰りの空港バス

「すしざんまい すすきの」を検索

帰りの飛行機に間に合わないと大変ですから、札幌駅や大通エリアに宿泊した場合は、素直にJRを利用するほうが無難でしょう(大通から札幌駅までは、地下歩行空間を利用できます)。

すすきの〜中島公園エリアに宿泊した場合で、飛行機の搭乗時刻までに比較的余裕がある場合は、帰りも空港バスを利用するという選択肢もあると思います。

バス停は地下鉄駅と違って、Google Mapなどでも場所がわかりにくいのが欠点なのですが、すすきのの場合は「すしざんまい すすきの店」の前に空港行きバス停がありますので、こちらを目印に移動すれば、迷わずに到着できると思います。

CHECK!すしざんまい すすきの店(空港行きバス乗り場)

「すすきの発札幌都心直行便」がオススメ

CHECK!すすきの→新千歳空港空港バス時刻表

すすきの発の空港バスは、5時台と18時台はイレギュラーですが、6時台〜17時台は毎時15分おきに「9分/24分/39分/54分」発と決まっています。

この路線は、札幌駅などいくつかのバス停を経てからすすきのに来るため、座席がかなり埋まっていることがあります。

私はこれまで、幸いにも乗車できなかったことはありませんが、補助席に座ったことは何度かあります。

すすきのからは、これとは別に、下記の時刻に「すすきの発札幌都心直行便」という路線が設定されています

6:487:488:489:3310:1811:03

通常の空港バスでは、すすきのから新千歳空港までの所要時間が69分のところ、「すすきの発札幌都心直行便」は78分と若干到着に時間がかかるのですが、すすきのバス停始発なので、座れないことはまずありませんし、比較的中心部から近いインターチェンジから高速道路に入るので、精神的に楽に感じます。

中島公園からも空港行きの直行便があります

宿泊が中島公園駅のすぐ近く、という場合には、中島公園からの空港行き直行便を利用するという選択肢もあります

バス停は、「あすか信用組合札幌支店」の前です。

CHECK!あすか信用組合 札幌支店(空港行きバス乗り場)

時刻表は、下記のとおりで、こちらは空港までの所要時間がさらに長く、80分となっています。

6:457:458:459:3010:1511:00

どちらの直行便も、便数が少ないのが残念ですが、それなりにメリットはあると思うので、時間が合う方は、利用してみてはいかがでしょうか。

初めて行く街は鉄道のほうが安心ですが

札幌の場合はバスも悪くない

私も初めて利用する空港から鉄道と空港バスが出ていたら、安心感を得るために、料金が高くても地下鉄を選んでしまうと思います。

その理由としては、ほぼ例外なく空港バス利用方法の圧倒的な情報不足にありますし、その点は新千歳空港の空港バスも例外ではないと思います。

しかし、新千歳空港から札幌中心部に移動する場合は、この記事で書いてきたとおり、私自身、平等に見ても料金以外にメリットがあると感じているので、この記事をご覧いただいて、一人でも多くの方が便利に札幌にアクセスしていただければ嬉しく思います。

札幌には美味しいものがいっぱい!

トップ画像のいくら丼は、札幌市内のあるお鮨やさんで出していただいたもので、今は旬ということもあり大変美味でした。

たらば蟹のにぎりは、立派すぎてシャリが見えません。

蟹にぎり

9月6日の北海道胆振東部地震から約2ヶ月、今回私が行ってみた感じでは、まだちょっとだけ元気がなかった北海道ですが、皆さんにも「北海道ふっこう割」などを利用して、ぜひ遊びに行っていただき、復興を応援していただきたいと願っています。

意外と知られていないJAL・ANAじゃらんパックの便利な使い方について。

2017-04-23

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ABOUTこの記事をかいた人

FXと節約を組み合わせた記事を書いています。 元会社員、元会社経営者にして元浪費家。現在はフリーランスで生計を立てています。もっと早くお金の正体に気づいておけばよかったな〜などと後悔しながらも、あとの祭り的人生をそれなりに楽しんでいます。