プロパンガスの料金は高い!
都市ガスとくらべてプロパンガス料金が高い理由
日本でガスを使っている住宅の約4割が利用するプロパンガス。
とくに、入居者にガス会社選択の自由がない賃貸住宅において、都市ガスと比べて料金が高いという声は、よく聞かれます。
プロパンガス料金が高いのは、プロパンガス販売会社が導入の特典として、ガス配管や部屋のガス機器はもちろん、本来ガスとは関係のないエアコンやインターフォンなどの設備を無償で提供し、そのコストをガス料金に上乗せしていることが最大の原因です。
本来は、賃貸物件のオーナー(大家)が自己資金で設置すべき設備の無償提供を受けることで、表面上の家賃は低く抑えることができますが、プロパンガス料金に、無償提供した設備に関するプロパンガス会社の中間コストまで上乗せされて入居者が負担することになるので、純粋にそれらの設備が建築費用の一部として家賃に上乗せされた場合に比べて、最終的な入居者の費用負担は重くなります。
政府もプロパンガスの不透明な料金体系を問題視
電気料金やガスというライフラインで自由化を推進する政府は、この対象とならないプロパンガスについても注目しており、上記のように旧態依然とした商習慣を問題視しています。
CHECK!資源エネルギー庁「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令」等の制定について
プロパンガス業界の内的な問題点
とくに、賃貸住宅の場合は、入居してから「プロパンガス料金が高くて驚いた」という声があまりに多く、かといって一回の引っ越しにかかる手間やコストを考えると、すぐに次の引っ越しをするわけにもいかず、泣く泣く高いガス料金を払い続けているという事例は以前から多く報告されているところでした。
かといって、こういった契約の硬直性を悪用したかのようなプロパンガス業界の商慣習に対し、業界の自浄作用を期待する見解は、昔も現在も、皆無と言って良いと思います。
理由としては、大企業が多い電力会社や都市ガス会社と比較して、プロパンガスは、地域の中小企業や個人商店規模の事業者が供給しているケースが多く、企業として社会的役割の自覚が低く自社の利益を最優先しがちであるということが挙げられます。
また、同じ理由から、プロパンガス業界では、地域の中で相互不可侵協定のような習慣があり、基本的には他社が入っている物件に売り込んで「下をくぐる」(低い値段で見積りを出す)ことはタブーとされているため、健全な競争が生まれず、料金が高止まりする原因になると同時に、建物新築のタイミングにプロパンガス導入の営業行為が集中するため、結果として無償供与する特典での競争になりがちなのです。
入居者への説明と設備貸与料の明記が義務化
2017年6月1日からは、プロパンガスを利用する賃貸住宅の契約時に、物件オーナーとガス会社との間の契約内容やプロパンガスの料金制度について、書面で入居者に説明する義務が課されることになりました。
CHECK!LPガス利用料金が透明化(全国賃貸住宅新聞)
この対策で、ただちに問題が解決されるわけではありませんが、これまで野放図だったプロパンガス業界に一石を投じる効果は期待できると思います。
プロパンガスを安くする方法?
ネット検索で「プロパンガス 高い」などと検索すると、「オーナーと交渉して、安いプロパンガス会社に変えてもらう」という方法が数多くヒットしますが、こんなことをすれば、最悪の場合はオーナーとの関係が悪化してしまいますし、そもそも入居者が何か要望を言ってきたところで耳を貸すような不動産オーナーなどごく一部ですから、はっきり言ってこれは現実的な方法ではありません。
しかも、こういった情報を提供するサイトは、プロパンガス会社やその代理店がスポンサーになっていることが多く、前述のとおり地域内で事実上の相互不可侵協定があっても、「オーナーから見積依頼があったので仕方がなかった」という理由を作るための口実に利用され、結局はプロパンガス会社の客の取り合いに加担させられることになります。
では対策は?
プロパンガス物件を選ばない
入居者にできる最大の対策は「プロパンガス物件を選ばない」ということですが、地域によっては都市ガス物件が少ないというケースもあり(私の住んでいる地域もこれです)、この場合はプロパンガス物件を避けていると、部屋探しの選択肢が狭くなるというデメリットを覚悟する必要があります。
できるだけガスを使わない
現実的にはこの方法をとる方が多いと思いますが、プロパンガスは、月々の基本料金が平均して2,000円程度、さらにガスを少しでも使えば従量単価が最低でも500円/㎥かかるため(これは比較的良心的な料金で、物件によってはこの倍近い場合もあります)、「まったく(あるいはほとんど)使わないのに料金が発生する」という意味において、それはそれで使った場合より無駄と言えるかもしれません。
私の場合、シャワーはいつも行くジムで使うため自宅では給湯器をほとんど使わなかったのですが、キッチンのガスコンロの利用だけでもプロパンガス料金は毎月4,000円程度かかっていました。
以前、都市ガスの物件で全く同じような生活をしていたときは、ガス料金が1,000円以下になったこともありますから、プロパンガス料金がいかに高いかということがわかります。
プロパンガスを解約する
私は結局、この方法をとりました。
プロパンガス会社は、入居者に契約の継続を強制することはできませんから、入居者が申し出れば解約に応じざるを得ません。
先のとおり、私の場合はお湯(給湯器)を使わないので、キッチンでのガスコンロに代わる火力さえ確保すれば、ガスがなくても困らないということになります。
ガス機器の代わりに導入した家電
IHクッキングヒーター
そこで導入したのが、アイリスオーヤマのIHクッキングヒーター「IHK-W1」です。
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