FTSE100の週終値は7047(前週終値比-311)
米国発の株安を受けてFTSE100も大幅下落
FTSE100の日足チャートです。
この週は英EU離脱に関してはそこまで目新しい材料が伝えられることがなく、週明け月曜日にメイ首相が来年1月14日週に議会採決を実施するという報道があった程度でした。
英国経済関連ではCPI、GDP、小売売上高、MPC等々盛りだくさんでしたが、珍しく英ポンドの反応は限定的で週を通して英ポンドにしては小動きだったのに対して、とうとう大きく動いたのがFTSE100でした。
FOMC後の米国株大幅下落を背景に、長期間サポートされた7300をあっさりと割り込み、7200、7100もあっという間に陥落、結局終値は前週比-311ポイントとなる7047と大幅な下落となりました。
FTSE100と英ポンド米ドル・今週の振り返り
この週のFTSE100を、英ポンド米ドル相場も参照しながら、時間足で振り返ってみます。
12月17日(月)の英ポンドは、前週終値よりやや高く、1.2603で寄り付いた後に早速上下にやや荒っぽい値動きとなりますが、その後は欧州時間中盤に1.2645まで上昇しますが、NY時間では小緩んで終値1.2613とほぼ「往って来い」。
FTSE100は前週終値よりやや高く7397で寄り付いた後は7330前後まで若干レンジを切り下げますが、NY時間も小動きのまま7314で引けます。
この日に伝えられた英国関連ニュース
- ライトムーブ住宅価格(12月)前月比-1.5%、前年比-0.2%
- クラーク英産業相発言「2度めの国民投票は不透明感を増すだけだ」
- EUは英国の予見されるブレグジットについてこれ以上の協議は行わない
- 英労働党がメイ首相に対する不信任案を要求(BBC)
- メイ首相、EU離脱合意の議会採決を1月14日の週に実施すると表明
18日(火)の英ポンド米ドルは、東京時間から欧州時間中盤までジリ高となり、20時台には1.2704の日中高値をつけますが、欧州時間終盤からNY時間は下落して、1.2632。
FTSE100は、7351で寄り付いた直後に上下200ポイント以上荒っぽく動きますが、その後は徐々に落ち着きを取り戻し、前日同様7330前後のレンジがNY時間序盤まで継続、引けにかけてはやや売られて終値7296。
この日に伝えられた英国関連ニュース
- メイ首相は来年の議会採決に向けてEUとの交渉を継続(一部報道)
19日(水)の英ポンド米ドルは東京時間に上昇し13時台に1.2677をつけますが、この日は欧州時間で売られ、22時台には一時1.2605まで下落します。
その後はふたたび日中高値付近まで買い戻されてFOMCを迎えることになりますが、初期反応での下落は1.2614までと限定的で、引けに向けて1.2610で下げ止まりました。
一方でFOMCへの反応が大きかったのがFTSE100のほうで、寄り付きからFOMCまでは前々日、前日同様に7300前後の小動きが続いていましたが、4時台には一時7277、5時台には7267まで下落し、終値は7221と7200割れが見えてくる値動きとなりました。
この日に伝えられた英国関連ニュース
- EUが英国の合意なき離脱時の措置を19日に提示へ(米ポリティコ紙)
- 英消費者物価指数(11月)前月比0.2%(予想0.2%)、前年比2.4%(予想2.3%)、コア前年比1.8%(予想1.8%)
- 英小売物価指数(11月)前月比0.0%(予想0.1%)、前年比3.2%(予想3.2%)、前年比除くモーゲージ利払い3.1%(予想3.2%)
- 英生産者物価指数(11月)仕入前月比-2.3%(予想2.8%)、仕入前年比5.6%(予想5.0%)、出荷前月比0.2%(予想0.0%)、出荷前年比3.1%(予想3.0%)、出荷コア前月比0.2%(予想2.4%)、出荷コア前年比2.4%(予想2.3%)
20日(木)の英ポンド米ドルは、東京時間後半に上昇をはじめた流れが欧州に引き継がれ、20時台には週の高値となる1.2704をつけますが、NY時間では方向感のない展開となり終値は1.2657。
FTSE100は寄り付き直後こそ静かだったものの、17時台からは週引けまで大荒れとなります。
17時台には7200を割り込み一時7165、その後一旦は7200を回復するもNY時間でふたたび7200を割り込み、終値は7129と4月3日(7124)以来の安値をつけます。
この日に伝えられた英国関連ニュース
- レッドソム英下院院内総務発言「2回目の住民投票は受け入れられない」「合意なきブレグジットは短期的に英国に良い結果をもたらす」
- 英首相報道官「メイ首相は2回目の住民投票を排除する可能性」「英首相の法案承認に向けて政府は取り組んでいる」
- 英小売売上高前月比1.4%(予想0.3%)、前年比3.6%(予想2.0%)
- 英中銀政策金利(12月)0.75%(予想0.75%)、資産買入枠4350億英ポンド(予想4350億英ポンド)、金利据置きは9対0の全会一致
21日(金)の英ポンド米ドルは、東京時間から欧州時間にかけて1.2640-95とやや広いレンジで神経質な値動きを見せますが、引けにかけて下に抜けて終値1.2609。
FTSE100は、7185とやや上に窓を開けて寄り付きますが、直後の17時台には大きく下落して7100割れとなる7095、NY時間序盤に向けてやや買い戻されて7100を回復しますが、米国株の下落を眺めてふたたび下落し、終値は3月29日(7122)以来の安値となる7047となりました。
この日に伝えられた英国関連ニュース
- GfK消費者信頼感指数(12月)-14.0(予想-14.0)
- 英GDP(2018年第3四半期)前期比0.6%(予想0.6%)、前年比1.5%(予想1.5%)
- 英経常収支(2018年第3四半期)-265億英ポンド(予想-220億英ポンド)
- 英公共部門ネット負債(11月)63億英ポンド(予想70億英ポンド)
今週発表される英国経済指標
今週は英国関連の経済指標はネーションワイド住宅価格指数のみ、注目度もそれほど高くありません。
- 28日(金)…ネーションワイド住宅価格指数
年初来の配当と支払金利
FTSE100の年間利回りがほぼ確定
1/2〜12/21 | 受取配当 | 支払金利 | 差引利益(A)※括弧内は前回 | 必要証拠金(B) | A÷B ※括弧内は前回 |
---|---|---|---|---|---|
FTSE100 | 30,343円 | 8,274円 | 22,069円(22,249円) | 26,000円 | 84.88%(85.57%) |
NYダウ | 56,692円 | 59,361円 | ▲2,669円(▲1,364円) | 59,340円 | ▲4.50%(▲2.29%) |
日経225 | 37,184円 | 0円 | 37,184円(37,184円) | 61,430円 | 60.53%(60.63%) |
DAX | 0円 | 1,280円 | ▲1,280円(▲1,280円) | 26,910円 | ▲4.76%(▲4.78%) |
年初から先週までの受取配当から支払金利を差し引いた実質利回りを計算しています。
日経225・DAXは配当・金利ともに0で変動ないのですが、この週から必要証拠金が週ごとの変動制に戻りましたので、実質利回り率は前週と比較して変化しています。
FTSE100は、12月25日の配当665円(予想)を受け取り、支払利息が33円/日とするとあと11日で363円、よって2018年の差引利益は22,371円、利回り86.04%前後でほぼ確定と思われます。
FTSE100は長いレンジを抜けて本格的な下落
週の下げ幅としては今年最大
終わってみると、この週は始値7397終値7047と350ポイントの下落、これまで最大幅だった3月19日週の299ポイント下落を上回って今年最大の下げ幅となりました。
英国EU離脱に関する材料が小康となったこの週でしたが、米国発の株安には脆さを露呈した格好となりました。
そして、忘れてはならないのが来年1月14日週におこなわれることとなったEU離脱案の議会採決です。
クリスマスと年末年始を挟んだ3週間程度で状況が好転するとは到底思えず、これまでの経緯からも1週間前くらいの直前に大騒ぎになるとすると、FTSE100はこの下落に追い打ちを浴びせられることになります。
今年4月以降、ずっと新規のポジションを建てるタイミングを伺ってきましたが、ここまで下落したからといって「押し目」とはとても考えにくく悩ましいところではあります(ずっと7200に入れておいた買い指値は一旦取り消しました)。
幸いFTSE100の配当は年内あと1回の665円、来年1月も1,230円程度とそれほど大きくないので、現状の米国株下落に合わせて年明けの英国議会の様子も見つつ、底打ちを確認して買いを入れることにしたいと思います。
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