くりっく株365のFTSE100は、7700回復ならず。拡大していたスプレッドが「時々」前年並に縮小しています。

ユニオンジャック気球

FTSE100の週引け7640

読みにくい英ポンドとの逆相関性

FTSE100の日足チャートです。

25日(火)の陰線以外は陽線でしたが、週を通して見ると、週明けの寄り付きからほぼ「行って来い」の値動きとなりました。

FTSE100日足

FTSE100(くりっく株365)日足

FTSE100と英ポンド米ドル・今週の振り返り

この週のFTSE100を、英ポンド米ドル相場も参照しながら、時間足で追ってみたいと思います。

24日(月)は、7637と、前週の終値7658からやや下に窓を開けて寄り付きました。

要因としては、FTSE100寄り付き前の東京時間で英ポンドが買われており、1.3070から1.3120付近まで上昇していたことがあると思われます。

その後、19時台に「EU、英国とのブレグジット交渉で敵意は示さない」という意向が伝えられ、一瞬FTSE100・英ポンドともに上昇しますが、英ポンドの上昇が継続したためFTSE100は下落に転じます。

同時間帯には、メイ首相報道官により「メイ首相はブレグジット交渉を早急にすすめる必要があることは理解している」「カナダ方式ではアイルランド国境問題を解決できない」などと伝えらたこともあり、この時間はやや売り買いが交錯します。

結局、その後は、FTSE100、英ポンドともに下落に転じ、FTSE100は、引けの7626までジリジリと値を下げる展開となりました。

FTSE100時間足(9月24日)
英ポンド米ドル時間足(9月24日)

25日(火)は、英ポンドは1.3110-1.3120近辺の小幅なレンジで推移します。

欧州時間に入り、英ポンド米ドルは1.3175付近まで買われますが、FTSE100は前日終値水準で寄り付き、欧州時間序盤で7700まで値を上げます。

メルケル独首相の「英EU離脱は10月か11月に合意することが可能」という発言が伝えられたことが好感されたものと思われます。

引け直前には、メイ首相の「ブレグジットについて2回目の国民投票はない」という発言も伝えられましたが、これまでと同じ姿勢ということで、材料視されませんでした。

しかしその後もFTSE100の下落は止まらず、7640での引けとなりました。

FTSE100時間足(9月25日)

英ポンド米ドル時間足(9月25日)

26日(水)からのFTSE100時間足チャートを見ると、長いヒゲが大量に出ており、激しい値動きがあったように見えますが、実際には7620-7700の間のレンジなので、そこまでの動きではありませんでした。

FOMCを控えた様子見ムードもあり、東京〜欧州時間を通してFTSE100・英ポンドともに小動きが続きましたが、NY時間直前に、コービン英労働党党首の「合意なきEU離脱には断固反対する」という意向が伝えられ、英ポンドが一時1.3200直前まで買われますが、FTSE100は反応薄でした。

3時のFOMCでは、英ポンドは一瞬1.3216まで買われた後に1.3160まで反落。

FTSE100は、FOMCには反応薄でしたが、4時台の米国長期金利上昇を嫌気した米国株下落に連れて7618まで下落、そのまま引けとなりました。

FTSE100時間足(9月26日)
英ポンド米ドル時間足(9月26日)

27日(木)は、英ポンドは東京時間を通して売られ、東京後半では1.3100割れ直前まで下落します。

FTSE100は、東京時間で下落した英ポンド米ドルを好感したのか、やや高く7657で寄り付き、欧州時間序盤で7694までジリジリと値を上げます。

21時台に入ると、ブレグジット関連・英経済関連で要人発言が相次ぎ、英ポンド・FTSE100ともに売り買いが錯綜します。

  • 「バルニエEU首席交渉官がコービン英労働党党首と会談をおこなうようだ」との報道
  • メイ首相「我々は単一市場の部分的なメンバーシップを求めているわけではない」
  • ホールデンMPC委員「現在のペースでの英成長には利上げを必要とする」

英ポンドは一瞬買われて1.3160まで上昇しますが、その後は下落に転じて1.3070近辺。

FTSE100は、2時台に7688の高値をつけますが、結局引けに向けて売られ、終値7667。

FTSE100時間足(9月27日)
英ポンド米ドル時間足(9月27日)

28日(金)は、東京時間では英ポンドが1.3075付近の横ばい推移、FTSE100は7665で寄り付いた後、一時7617まで値を下げます。

17:30発表の英4-6月GDP・経常収支が予想よりやや弱い数字だったことで英ポンドが売られ、ロンドンフィクスに向けて、終値ベースでは9月7日以来となる、一時1.30を割り込む場面がありました。

FTSE100は、指標発表への初期反応として、7701まで上昇。

その後は利益確定で下落に転じ、英ポンド大幅下落の場面では、これを素直に好感して、ふたたび7677まで上昇。

結局、週の寄り付き(7637)と同水準の7640での週引けとなりました。

FTSE100時間足(9月28日)
英ポンド米ドル時間足(9月28日)

週足チャート

FTSE100週足

FTSE100(くりっく株365)週足

週足一目均衡表で見ると、引き続き転換線に上値を抑えられている形です。

FTSE100は引き続き、「米国株高」「英ポンド安」という上昇要因と「合意なきEU離脱」という下落要因との間での綱引きとなっており、方向感に欠ける展開が続いています。

今週発表される英国経済指標

今週は、英国関連の指標では、PMIと住宅関連指標があるくらいで、いずれもあまり注目度は高くありません。

米雇用統計の週なので、米ドル主体の英ポンド売買動向のほうにマーケットの関心が集まりそうです。

  • 10月1日(月)…製造業PMI
  • 2日(火)…ネーションワイド住宅価格指数
  • 3日(水)…非製造業PMI
  • 4日(金)…HBOS住宅価格

 

年初来の配当と支払金利

FTSE100は支払金利がやや下落

1/2〜9/28受取配当支払金利差引利益(A)※括弧内は前回必要証拠金(B)A÷B ※括弧内は前回
FTSE10024,903円5,834円19,069円(19,124円)26,000円73.34%(73.55%)
NYダウ41,751円43,974円▲2,223円(▲823円)83,000円▲2.68%(▲0.99%)
日経22537,184円0円37,184円(21,684円)76,000円48.9%(28.53%)
DAX0円1,202円▲1,202円(▲1,202円)42,000円▲2.86%(▲2.86%)

年初から先週までの受取配当から支払金利を差し引いた実利益を計算しています。DAXは前週と変わらずです。

日経225は、半期に一度の大型配当日があったため、一気に50%近くまで運用利益率が伸びています。

NYダウはこの週配当がなく、また、米金利上昇にともない、再び200円/日程度の支払金利となったため、前週よりマイナスが嵩んでいます。

FTSE100は配当が58円しかなかったのですが、支払金利が1日平均16円/日と、前週よりさらに下落したため、差引利益もそこまで大きく下落しないという結果になっています。

いよいよ今日から保守党大会

拭えない合意なき離脱リスク

今週の英国株と英ポンドの動きを見ていると、材料が出た場面場面での騰落はあるものの、結局はそれなりに買い戻し・売り戻しもあり、結果としては方向感のない展開になっています。

やはり、今日(9月30日)からの保守党大会を目の前にしても、EU離脱交渉に大きな進展がないことで、マーケットもいまだに趨勢を見定めていないことが要因と思われます。

かりに合意なきEU離脱となれば、英ポンドは下落ということで予想しやすいのですが、株は英ポンドとの逆相関があったりなかったりで、値動きが読みにくいというのが厄介です。

もしかすると、株に関して最近の値動きを見るかぎりは、合意なきEU離脱になったら、悪材料出尽くしと英ポンド安で爆上げなどという展開もないではないようにも見えます。

英国史の古傷・北アイルランド問題

それにしても、北アイルランド国境問題がここまでこじれるというのは、一昨年のブレグジット当初には予想もされなかったことで、英国の泣く子も黙る極悪非道の歴史を蒸し返されるようで触れてこなかったところを、現代の倫理観において正面から取り組まねばならない現政権は、ある意味で気の毒ではあります。

EU側は、英国のEU離脱後もアイルランド国境で、関税や安全保障の観点から通過する物品の管理をおこないたいとする一方で、メイ首相はこれを断固拒否する姿勢を崩しておらず、ここに至っても互いにほぼ譲歩がないまま棚上げされています。

今日から始まる保守党大会では、強行離脱派があらためてメイ首相の離脱案に反対の姿勢を表明し、党内でどこまで勢力を拡大できるかを図ることになりますし、そのうえ議会では、最大野党の労働党までもメイ首相の離脱案に反対票を投じる可能性が高くなってきました。

また、メイ首相がEUとの間で離脱交渉合意できたとしても、英議会で否決された場合には、二度目の国民投票、EU残留などというシナリオも、完全には排除できません。

万が一にも英国EU残留となれば、素直に考えるとマーケットは好感しそうですが、その影響でメイ首相退陣、解散総選挙となると英国の政治的混乱は必至で、株価にはむしろネガティブな材料となりそうです。

いずれにしても、目先はブレグジット関連材料で一喜一憂という相場が継続しそうです。

FTSE100のスプレッド

スプレッドが「時々」縮小

FTSE100は、引き続き「買いにくい」「売りにくい」相場が続きますが、くりっく株365のFTSE100において、この週は小さな朗報として、スプレッドがやや縮小傾向です

FTSE100spread

このように、まだ安定はしていないのですが、時々一桁〜10まで下がることもあり、ようやく昨年並の水準に戻る可能性が出てきたのは嬉しいところです。

一時50近くまでスプレッドが広がっており、そのうち株価指数の1%を超えるのではないかという恐怖すら感じたものですが、さすがにただでさえ不人気なくりっく株365のFTSE100が、そこまで条件が悪くなってしまうと本当に誰も取引しなくなってしまいます(画像の「出来高」枚数を見てください)。

私は今週も基本様子見の姿勢継続なのですが、保守党大会関連の報道で瞬間的に大きく下落する可能性を考えて、週足一目均衡表雲の下限である7266で買い指値を入れておこうと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

FXと節約を組み合わせた記事を書いています。 元会社員、元会社経営者にして元浪費家。現在はフリーランスで生計を立てています。もっと早くお金の正体に気づいておけばよかったな〜などと後悔しながらも、あとの祭り的人生をそれなりに楽しんでいます。