FTSE100の週引け7658
好調な米国株に連れて小幅に買い戻し
FTSE100の日足チャートです。
後に見るように、英ポンド米ドルは、かなりボラタイルな週でしたが、FTSE100は基本的に18日(火)以降は上昇地合いとなりました。
FTSE100と英ポンド米ドル・今週の振り返り
この週のFTSE100を、英ポンド米ドル相場も参照しながら、時間足で追ってみたいと思います。
17日(月)は、前週の終値7559と前週の終値とほぼ同水準で寄り付きました。
この日は、東京時間では英ポンドは1.3070付近で横ばい推移でしたが、欧州時間に入って1.3155まで上昇したため、FTSE100は英ポンド高を嫌気して売られる展開になります。
特段、英ポンド高の材料が出たわけではないのですが、この日発表があった英ライトムーブ住宅価格が比較的堅調な内容だったことと、ハモンド英財務相による「ブレグジットに向けた英国のファンダメンタルズは強固」「離脱交渉の合意が肝要」との発言などが好感されたものと思われます。
NY時間でも英ポンドは堅調が継続したため、FTSE100は寄り付きからやや下落し、7540で引けています。
18日(火)は、英ポンドは1.3120-1.3170近辺のレンジで推移します。
欧州時間序盤には、ラーブ英EU離脱担当相の「アイルランド国境問題は解決可能」との発言が伝えられましたが、大きな動きではないものの、英ポンドはやや売られる反応となりました。
FTSE100は7562で寄り付き、直後にはやや下げた以外は横ばいで、ジリ高の7579でひけます。
19日(水)は、オセアニア時間にメイ首相の「ブレグジット交渉はほぼ合意している」との見解が伝えられ、1.3141だった英ポンドが1.3175まで小幅に上昇しますが、東京時間序盤には売られて「行って来い」となり、その後の東京時間は1.3140前後での推移となります。
FTSE100は、前日終値とほぼ同じ7580で寄り付きましたが、この日も直後に一旦やや売られて一時7522の安値をつけます。
その後、17:30発表の8月英CPI(消費者物価指数)、RPI(小売物価指数)がいずれも予想より強い内容だったことから、英ポンドは1.3214まで急伸しますが、直後には利益確定売りに加え、メイ首相が「EU側に前向きの姿勢を要求」と伝えられたことも英ポンド売りにつながり、一時1.31を割り込む展開となります。
FTSE100も、英ポンドの値動きに逆相関で素直に反応し、17時台の英ポンド買いの場面では7548まで下落、18時台の英ポンド売りでは7579まで回復しています。
その後、英ポンドは売り買い交錯しながらも、欧州時間後半からNY時間全般に、基本的には1.31台前半で推移する一方、FTSE100は、NY時間からは、7610近辺と、ややレンジを切り上げての推移となります。
結局この日の終値は、7607。
20日(木)は、英ポンドは東京時間を通して1.3140前後と動意薄の展開でした。
FTSE100は7596とやや安く寄り付き、直後に発表された英小売売上高が強い内容だったことから英ポンドが一時1.33手前まで買われた中でも上値を拡大し、また、20時台から断続的に伝えられたブレグジット関連のネガティブな報道で英ポンドが売られる場面でも値を伸ばし、終値で7651まで上昇します。
21日(金)は、英ポンドは東京時間は、「嵐の前の静けさ」1.3260前後での横ばい推移となります。
そして欧州時間に入り、グレイリング英運輸相の「アイルランド国境問題が解決しない場合は合意なき離脱となる」との発言が伝えられると英ポンドが大きく売られはじめ、その後も欧州時間を通して、合意なきEU離脱を示唆するような要人発言が相次いで伝えられたため、ストップロスを巻き込みながら、下落が止まらなくなります。
22時台にはメイ首相が会見を開き、「EU離脱について悪い合意より合意なしの方が良い」「ブレグジット協議について英・EUは袋小路に陥っている」と発言したことを受けて、英ポンドは一時1.3050と、今週の上昇分をほぼ消すほど売り込まれます。
その後は一旦材料出尽くしで下げ止まりますが、英ポンドは次週に向けて売り材料を抱えたままの引けとなりました。
FTSE100は、16時台のブレグジット報道への初期反応として7602まで下落しますが、その後は英ポンド安を好感して上昇に転じ、23時台には7689と、このタイミングで今週の高値をつけます。
その後はやや利益確定売りに押され、この週は7658での引けとなっています。
週足チャート
週足一目均衡表で見ると、転換線に上値を抑えられている形です。
100ポイント程度上昇しているとはいえ、今のところは3週前の水準に戻ったにすぎませんから、前週の安値で底打ちと見るには、チャートだけを見ても時期尚早かと思います。
今週発表される英国経済指標
今週は、英国関連の指標では、金曜日にGDPなどの発表があるくらいなので、FOMCや米国関連の指標に注目したいところです。
- 21日(金)…ネーションワイド住宅価格指数/GfK消費者信頼感指数/経常収支/実質GDP
年初来の配当と支払金利
FTSE100は支払金利がやや下落
1/2〜9/21 | 受取配当 | 支払金利 | 差引利益(A)※括弧内は前回 | 必要証拠金(B) | A÷B ※括弧内は前回 |
---|---|---|---|---|---|
FTSE100 | 24,845円 | 5,721円 | 19,124円(19,213円) | 26,000円 | 73.55%(73.90%) |
NYダウ | 41,751円 | 42,574円 | ▲823(502円) | 83,000円 | ▲0.99%(0.60%) |
日経225 | 21,684円 | 0円 | 21,684円(21,684円) | 76,000円 | 28.53%(28.53%) |
DAX | 0円 | 1,202円 | ▲1,202円(▲1,202円) | 42,000円 | ▲2.86%(▲2.86%) |
年初から先週までの受取配当から支払金利を差し引いた実利益を計算しています。日経225とDAXは前週と変わらずです。
NYダウはこの週配当がなく、またマイナスに転落してしまいました。
NYダウは8ヶ月ぶりに最高値を更新していますし、くりっく株365のスプレッドも10〜15前後で落ち着いているので、配当よりは変動利益狙いで使いたい感じになっています。
FTSE100は配当が34円しかなかったのですが、支払金利が1日平均17.6円と、20円前後からさらに下がってきたので、差引利益もそこまで大きく下落しないという結果になっています。
9月25日は日経225配当の権利付最終日
今週9月25日には、日経225半期に一度の大型配当日があります。
9月25日(火)が権利付最終日で、配当額は1万5900円が予定されています。
当然、翌日には権利落ちがありますが、日本株も比較的堅調なので、その後の戻りを期待して買ってみるのも良いのではないでしょうか。
前週の下落は押し目だったのか
大きな意味ではレンジ
FTSE100は、6月以降押し目らしい押し目もなく7,500〜7,700あたりのレンジが継続してきたので、そこから見ると前週の7,457は下落したかに見えますが、大きな意味ではレンジの範囲内であり、今になって評価すれば、「底打ち」など、特段の意味合いはないという見方が正しいのかもしれません。
FTSE100と英ポンドとの逆相関が切れているのかと言えば、場面によっては強い影響を受けていますし、株価はブレグジット関連材料と英ポンド相場とで引ひっぱり合いをされているように思えます。
この週はブレグジットに関して、週末直前に多くの材料が出され、マーケットがこれを消化しきれないまま引けています。
とくに、北アイルランド国境問題については、具体策で折り合いがついておらず、ここに来て10月中旬のEU首脳会議までに合意できない可能性が非常に高くなってきました。
ここまで、やや楽観論でブレグジットを折り込んできたマーケットは修正を迫られており、メイ首相は明確に否定しているものの、再度の国民投票などとなれば、不透明感から英ポンドも英国株も下落することはさすがに避けられないと思います。
今週は、9月30日からの保守党大会前の週ということで要人発言が相次ぐでしょうから、英ポンドはとりわけ大きな反応を見せると思われますが、これにFTSE100がどう反応するか読めないというのがやりづらいところです。
ここまで話がこじれているのに、わざわざ火中の栗を拾う必要はないと思いますし、上がったら上がったで諦めもつきますから、引き続き新規ポジション建てについては「様子見」の姿勢を継続としたいと思います。
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