コミー前FBI長官の発言をめぐる報道に神経質な反応を見せる米ドル円。今夜はいよいよ3大リスクイベントデーです。

コミー前FBI長官議会証言冒頭陳述草稿

7日のNY時間中盤に、米上院議員情報特別委員会が何の前触れもなく公表したコミー前FBI長官議会証言の冒頭陳述草稿には、捜査妨害を含むような事実が含まれていないとの情報が入り、米10年債利回りの上昇と合わせて米ドル円も109.90円あたりまで買い戻されるサプライズがありました。「大山鳴動して鼠一匹」かということで、市場は既にこのイベントを織り込んでとする声が大勢となりました。日本のメディアは、皮肉ではなく、一瞬「新情報が出たのか?」と思うほど、なんだかおかしな解釈をしている記事も散見されるので、米英どちらかのメディアでストレートニュースを見るほうが良いかと思います。

東京時間を通じて一時110円にタッチするなど比較的堅調な推移を続けていた米ドル円ですが、日銀の異次元緩和の出口戦略が「時期尚早」から「説明重視」に方向を修正しつつあるとの報道が入り、米ドル円を109.35円付近まで急落させます。誰もが思ったことでしょうが、最初に伝えたのはブルームバーグだったとはいえ「今(今日)、それ言う?」という呆れた声が多く聞かれました。こういう日銀の情報ハンドリング能力の低さも、ますます市場における日銀の金融政策軽視に繋がるということの自覚が少々足りないように思います。ブルームバーグ日高記者の飛ばし記事だったみたいですね
※8日18:00を過ぎて、米ドル円はしっかり110円台に乗せてきました。

また、先ほど8日15:00(英現地8:00)から始まった英下院総選挙投票については、現地メディアを見ても18:00時点ではまだ何も情報がありませんが、BBCの出口調査が発表されて、大勢が判明するのは9日の8:00頃、接戦となった場合には正午頃までかかる可能性があります。ECBが20:45ですから、今から2時間くらい寝ておいて、明日の昼くらいまでは眠れないことを覚悟したほうが良さそうですね。

【8日(木)】
20:45 欧州中銀(ECB)定例理事会
21:30 ドラギECB総裁、定例記者会見
23:00 コミー前FBI長官 議会証言
【9日(金)】
2:00 コミー前FBI長官 非公開公聴会
6:00 英総選挙投票締め切り、開票作業開始
8:00頃 英背総選挙大勢判明
15:00 英選挙管理委員会による最終結果発表

米ドル円、米10年債

7日6:00からの米ドル円と米10年債利回り15分足です。欧州時間に入って、2.18%前後とやや持ち直した米10年債利回りを背景に、ふたたび米ドル円が回復の兆しを見せています。ちなみに昨年6月24日の英EU離脱ショックでは、米ドル円は高値106.81円、安値98.78で約800pipsの騰落がありました。ほぼ予想外だったEU離脱と、保守党が過半数を確保できるかが争点の今回とはインパクトの面でかなり差がありますが、資金に余裕を持たせるなり、ポジションを手仕舞いするなりで警戒するにこしたことはないと思います。

豪ドル円、豪ドル米ドル

7日6:00からの豪ドル円と豪ドル米ドル15分足です。少し良くなると、必ず悪材料が出てくるオーストラリアは今回も期待を裏切らず、8日10:30発表の豪貿易収支が5.55億豪ドルと、予想の20.0億豪ドルを大きく下回り、豪ドル米ドルで0.7524まで売られます。ロンドン時間に入って少し買い戻され0.7550近辺で取引されていますが、しばらくはやや大きめのレンジといったところかと思います。豪ドル円は、米ドル円と豪ドル米ドルのそれぞれ上昇をうまく反映させて、全体として緩やかな上昇基調となっています。

ループイフダン

6日のループイフダンは、米ドル円S15が5回と、豪ドル円B40が2回の利食い。7日は18:30時点で米ドル円B50が1回、S15が3回の利食いとなっています。さすがにECBまでは大きく動かせる感じではありませんよね。

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FXと節約を組み合わせた記事を書いています。 元会社員、元会社経営者にして元浪費家。現在はフリーランスで生計を立てています。もっと早くお金の正体に気づいておけばよかったな〜などと後悔しながらも、あとの祭り的人生をそれなりに楽しんでいます。